ベンチマーク
各種ベンチマークテストで実効性能を確認しておこう。Windows 7標準の「Windowsエクスペリエンスインデックス」と、「PCMark Vantage」(解像度はデフォルトの1,024×768ドット設定)と、「3DMark06」(解像度は試用機の最大解像度の1,440×900ドット設定)、「Vana'diel Bench 3」(プリセットのHighとLowの2通り設定)を試した。結果は以下の通りだ。
■Windowsエクスペリエンスインデックス |
プロセッサ |
6.5 |
メモリ |
5.5 |
グラフィックス |
3.9 |
ゲーム用グラフィックス |
5.2 |
プライマリハードディスク |
4.9 |
■PCMark Vantage (1,024×768ドット) |
PCMark Score |
4514 |
Memories |
2762 |
TV and Movies |
3459 |
Gaming |
2716 |
Music |
4791 |
Communications |
6348 |
Productivity |
3903 |
HDD |
2909 |
■3DMark06 (1,440×900ドット) |
3DMark Score |
1425 |
SM2.0 |
428 |
HDR/SM3.0 |
572 |
■Vana'diel Bench 3 |
High |
1603 |
Low |
3659 |
加えてバッテリ性能を見るため、OSの電力プランの設定からモニタもシステムも常時オンの状態に設定し、Vana'diel Bench 3のベンチマークモードのLowでループさせ、電源が切れるまでの時間を測定した。実際の使用環境ではここまでフルロードすることは無いと思うので、ひとつの目安として考えていただければと思う。なお、搭載バッテリは標準装備の6セルタイプである。
■Vana'diel Bench 3 |
バッテリ駆動時間 |
1時間50分 |
歴代ThinkPadでも最高クラスのバランス
ベンチマークスコアは、このきょう体によくぞここまでのパフォーマンスを詰め込めたものだと感心できるレベルだ。一般的な用途のテスト項目でのスコアは見ての通り、Arrandale搭載機だけあってかなり高いレベルに達している。グラフィックス統合モデルであるため、さすがにGPU関連の性能はそこそこではあるが、それでも世代がIntel製で最新のIntel HD Graphicsになっているだけあり、ちょっとした3D処理や、オンラインゲーム程度なら過不足なく利用できるだろう。Switchable Graphicsの外付けGPU搭載モデルであれば、業務にもプライベートにも、さらに死角の無いパフォーマンスを実現できるものと考えられる。
一方でバッテリ駆動時間には少々課題を感じる。上記テストとは違い、フルロードするわけではない実環境であれば、3時間くらいは持ってくれそうであるが、それでも1日中持ち歩くにはやや心もとないだろう。ThinkPadの場合は、出先での使用頻度が少ない光学ドライブを取り外してオプションのベイバッテリを搭載し、駆動時間を伸ばすといったことも容易であるため、用途にあわせて検討するといいだろう。出先でも電源が確保できれば、ACアダプタ自体は持ち歩きが苦にならない小型サイズだ。
最後に総合評価として、ThinkPad T410sは現時点での高性能+モバイルのひとつの到達点であると結論付けたい。ThinkPadは、堅牢性やアフターサポートまで含め、目に見えるスペック以上の価値がある製品とよく言われるが、本製品はその目に見えるスペックだけでも相当なものだ。ThinkPadファン以外にも積極的にオススメしたい1台であると評価できる。惜しむらくは、本稿掲載時点で、レノボ・ジャパンの直販サイトが本機の受注を一時停止している点だ。発売以来の予想を超える人気から、世界的に供給が不足してしまってしまっているためだと言うが、そろそろ供給体制が改善しそうという話も入ってきている。出来る限り早期の再開を望みたい。
■試用機の仕様 |
CPU |
Intel Core i5-520M(2.4GHz) |
チップセット |
Mobile Intel QS57 Express |
メモリ |
2GB DDR3 SDRAM PC3-8500(2スロット(空き1)、最大8GB) |
HDD |
250GB 5,400rpm SATA |
光学ドライブ |
DVDスーパーマルチ |
グラフィックス |
Intel GMA 5700MHD(CPU統合型) |
ディスプレイ |
14.1型ワイド液晶(1,440×900ドット) |
ネットワーク |
Intel WiMAX/WiFi Link 6250AGN、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T、Bluetooth |
インタフェース |
D-Sub×1、DisplayPort×1、オーディオ入出力、USB 2.0×1、Powered USB×1、eSATA/USBコンボ×1、ドッキング・コネクタ、ExpressCard/34スロット×1、セキュリティー・チップ(TPM)、指紋センサ |
サイズ/重量 |
W337×D241.5×21.1~25.9mm/約1.79kg |
OS |
Windows 7 Professional 32bit |
直販価格 |
210,000円~(CTOによる) |