もはや買収を嫌がらせ手段に利用する両社の関係だが、修復はあり得るのだろうか。関係者がこれを成し得る人物として挙げているのが米Intuit元CEOのBill Campbell氏で、同氏はAppleボードメンバーの1人であり、Googleとの関係も深い。またSchmidt氏はCampbell氏から個人的に経営に関するレクチャーを受けており、当初ぎくしゃくしていたGoogle創業メンバーのPage氏やBrin氏との関係をスムーズなものとしたのもCambell氏の手腕だったといわれる。だが、修復関係に乗り出したCambell氏は困難に直面し、Jobs氏とSchmidt氏の両方から「相手との関係を断ち切るよう」迫られることとなり、最終的にGoogleでのポジションを失い、Appleボードメンバーに残る決断をせざるを得なくなった。とはいえ、非公式ながらGoogleとの関係は続いているようだ。
結局はAndroidのための地ならし?
この両社の関係について、Lotus Development創業者のMitch Kapor氏は「器を入れ替えた古いワインのようなもの」と表現しており、いつか来た道だという。かつてのAppleとMicrosoftがそうであったように、Appleが自身ですべてをコントロールしようとするのに対し、Microsoftは多くのパートナーの協力を得て多くのデバイスにマーケットを拡大していった。これを今、Googleが実現しようとしている。iPhoneに夢中なモバイル開発者たちも、「結局はAndroidのための地ならしをしているに過ぎない」とKapor氏は指摘する。「タイトな制御は初めのころには有効だが、長い目でみれば自ら首を絞めることになる」というのが同氏の意見だ。