米AMDは23日(現地時間)、新GPU「ATI Radeon HD 5800」シリーズを発表した。これを受けて、グラフィックスカードのベンダー各社からは、同GPUを搭載する製品が発表されている。早い製品は、今月中にも発売となるようだ。

「ATI Radeon HD 5870」のリファレンスカード

ついに5000世代のGPUが登場

「Radeon HD 5800」シリーズは、AMDのハイエンドモデルとなる新世代GPUで、初めて40nmプロセスを採用した。従来のRadeon HD 4800シリーズからは、ストリームプロセッサ数が倍増しており、2倍の性能を目指したという。トランジスタ数も倍増しているが、製造プロセスは1世代進んでおり、ダイサイズの増加は3割以下。ボードの最大消費電力の増加は2割以下に抑えられており、ワット性能は大幅に向上している。

新シリーズのGPUとしては、Radeon HD 5870と同 5850の2モデルが用意された。今回、各社から発表されたグラフィックスカードには、オーバークロック仕様の製品などは見当たらず、スペックはすべて以下のリファレンス通りとなっている。

■リファレンス仕様
GPU Radeon HD 5870 Radeon HD 5850
コアクロック 850MHz 725MHz
ストリームプロセッサ 1,600 1,440
搭載メモリ 1GB GDDR5
メモリクロック 1.2GHz 1GHz
メモリデータレート 4.8Gbps 4.0Gbps
グラフィックス出力 DVI×2/HDMI/DisplayPort
バスインタフェース PCI Express x16
占有スロット 2スロット

面白いのは、マルチディスプレイ技術「Eyefinity」によって、3画面の同時出力が可能になったことだ(従来のRadeon HD 4870/4850では2画面まで)。3画面を使っているユーザーはまだそれほど多くはないだろうが、1枚のグラフィックスカードで可能となれば、多画面化も進みそうだ。

ただし、ボードの大きさには注意したい。特にRadeon HD 5870では、長さが27cm以上にもなっており、マザーボード上のコネクタ等と干渉する恐れがある。事前に確認し、問題が起きそうならマザーボードも買い換えるなどしたほうがいいだろう。

各社が発表した製品

SAPPHIREの「SAPPHIRE HD 5870 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP」。40,000円台後半で、9月23日以降の発売予定

SAPPHIREの「SAPPHIRE HD 5850 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP」。20,000円台後半で、9月下旬の発売予定

PowerColorの「AX5870 1GBD5-MDH」。50,000円前後で、9月26日以降の発売予定

PowerColorの「AX5850 1GBD5-MDH」。34,000円前後で、9月26日以降の発売予定

玄人志向の「RH5870-E1GHW/HD/DP」。49,000円前後で、9月26日以降の発売予定

玄人志向の「RH5850-E1GHW/HD/DP」。32,000円前後で、9月26日以降の発売予定

ASUSの「EAH5870/2DIS/1GD5」の製品パッケージ

「Voltage Tweak」機能で最大17%のパフォーマンス向上が可能だという

GIGABYTEの「GV-R587D5-1GD-B」

GIGABYTEの「GV-R585D5-1GD-B」

MSIの「R5870-PM2D1G」

MSIの「R5850-PM2D1G」

HISの「HIS HD 5870 1GB (256bit) GDDR5 PCIe」

HISの「HIS HD 5850 1GB (256bit) GDDR5 PCIe」

XFXのHD 5870搭載モデル

XFXのHD 5850搭載モデル

Diamond MultimediaのHD 5870搭載モデル

Diamond MultimediaのHD 5850搭載モデル