ノートパソコンの低価格化が進み、50,000円前後で購入できる製品が増えてきた。それにともない、パソコンの買い方も変わりつつある。これまではどちらかというと、どんなシーンでも使えるマルチな製品が好まれる傾向があったが、ここ最近はより個人の使い方にマッチした製品が選ばれるようになってきている。メーカー側も、そうしたユーザーの消費傾向を敏感に読み取ってか、機種ごとに搭載する機能を吟味したり、デザインに変化を持たせたりして、製品コンセプトを明確化する方向にある。

そうしたなかでも、特に注目したいのが「VAIO type P」などの個性的な製品を擁するソニーのVAIOシリーズだ。40,000~60,000円で購入できる機種が複数ラインアップされており、そのいずれも製品の位置づけがはっきりとしている。しかも、格安ながら、スペックはもちろん、筐体のデザインに手抜きが見られないのもいいところだ。

低価格VAIOの中で、おそらくもっとも世間に大きなインパクトを与えたのは、「手放せないPC」をキャッチコピーにした超小型ノート「type P」だろう。ジャスト・キーボードサイズの横長ボディに、1,600×768ドットの8型ウルトラワイド液晶を搭載しており、キータッチのしやすさと画面の情報量の多さを両立させているのが大きな特徴になっている。小さいだけでなく、ボディの厚みも19.8mmとかなり薄い。また、ライセンスシールやロゴはバッテリ室などに巧妙に隠されており、底面がすっきり美しいのもポイント。カラーバリエーションは黒、白、赤、緑、ゴールドの5色で、色によっては天板にオシャレなパターンをあしらったデザインを選ぶことも可能。まさに、手放さず持ち歩くためのノートに仕上がっている。

一般的なNetbookのスペックを踏襲した「VAIO W」は、このクラスのノートには珍しい1,366×768ドットという高解像度の10.1型ワイド液晶を搭載しているのが大きな特徴。一度に画面に表示できる情報が多いため、ダイアログやウィンドウが画面からはみ出してしまうこともなく、快適に操作できる。一覧性が高いため、Excelなどの表計算ソフトを使う際もスクロールを極力抑えることが可能だ。なお、ボディはシンプルながら洗練されたデザインが採用されており、カフェなどでバッグから取り出してもサマになる。重さも約1.19kgと、type Pほどではないが十分軽い。カラーバリエーションは、白、ピンク、ブラウンと個性的な3色が用意されている。

オールインワンタイプの「type N NS」(以下、type N)は、15.4型の大型液晶を搭載しており、自宅の机の上でも使いやすいのが特徴。解像度は1,280×800ドットと一般的だが、ドットピッチが大きいため少し離れた場所からでも画面の文字が見やすい。また、インタフェースが豊富で、DVDスーパーマルチドライブやFeliCaポートも内蔵している。家庭で使うノートパソコンに求められる機能をきっちり搭載しながら、ソニースタイルでは最小構成時に49,800円という低価格も魅力的だ。デザインも凝っていて、ボディ表面に細かなくぼみをつけるディンプル加工が施されており、本体の質感を高めると同時に、手に持ったとき滑りにくくしているのもポイント。カラーバリエーションは、黒、白、ピンク、ゴールドの4色で、いずれも上品な色合いのためインテリアにもマッチしやすい。

左から、type N、P、Wの液晶ディスプレイ。type Pは8型と小さいサイズながら1,600×768ドットの高解像度液晶を搭載している

左から、type N、P、Wの天板部分。ボディカラーは、いずれも上品な色合いで、ビジネスシーンにもプライベートにもマッチするのが特徴