プリンタドライバでは、印刷品質を「自動」、「はやい(最速)」、「標準」、「高画質」などの中から選べるようになっている

HP Officejet 6500 Wireless All-in-Oneのプリント機能は、HP独自のプリントテクノロジーによって、モノクロ最高32枚/分、カラー最高31枚/分の高速出力を実現しているのが特徴。プリンタドライバでは、印刷品質を「自動」「はやい(最速)」「標準」「高画質」などの中から選べるようになっており、選んだ品質によってプリント速度は大きく変わってくる。実際にA4フルカラーのビジネス文書を各モードで普通紙にプリントしてみたところ、ファーストプリントの時間は下の表のような結果になった。今回は、紙面の半分程度に色面があるグラフィカルな文書で試したので、多少時間がかかっているが、それでも一般的なプリンタに比べると速い方。テキスト中心の文書ならば、もう少し短い時間でプリントできるはずだ。連続プリント時は、カタログ値のカラー最高31枚/分というのも不可能ではないだろう。

■表:ファーストプリント時間
印刷品質 はやい(最速) 標準 高画質
プリント時間 15秒 26秒 57秒
※注:いずれも、A4フルカラーでの印刷。データの転送が完了し、プリンタが動き出してからプリントが完了するまでの時間を計測している
※注:文書の内容によっても数値は変わってくるので、あくまでも目安としてほしい

印刷品質を「はやい(最速)」にした場合は、出力解像度が若干粗くなるものの、印字品位は十分実用範囲内。文字のエッジや中間調などの部分ではそれなりに粒状感が気になるが、破綻しているようなところは見当たらない。ビジネス文書などは、このモードをデフォルトにしても問題はあまりないだろう。ただし、高速な分、プリント時は駆動音と振動が大きめなので、できるだけ安定した場所に設置して使用した方がいい。なお、「高画質」と「標準」の印字品位の差はごくわずかだった。

普通紙にプリントし、一部分をスキャンしてみた。左から順に、「はやい(最速)」、「標準」、「高画質」の各モードで印刷したもの。「標準」と「高画質」の差は意外に少なかった

フォトプリントのクオリティも高く、4色インクにしては粒状感も少ない。よくよく見れば、ハイライト部分やグラデーション部分に粒状感を感じるが、A4サイズにプリントして鑑賞する分にはほとんど問題ないレベル。今回は、青空や、赤い花、淡いピンクの花など、4色インクのプリンタが苦手なものを中心にプリントしてみたが、いずれも微妙な階調がなめらかに再現されており、フォトプリンタとしても十分活用できる品質という印象だ。ビジネスでもプライベートでも活躍する、オールラウンドな機種だといえるだろう。

サードパーティのフォト光沢紙にプリントし、一部分をスキャンしてみた。画面では分かりづらいと思うが、青空や花びらの微妙な階調も、十分なめらかに再現されている

このほか、ユニークな機能としては、インク量コントロール機能が挙げられる。これは、プリンタドライバでインクの消費量を設定できる機能。通常時に比べて、約25%削減することができるため、ランニングコストをさらに低く抑えることが可能だ。

プリンタドライバでは、インクの消費量を設定することも可能