テレビ朝日、朝日新聞社、KDDIの3社は11日、au携帯電話に向けた情報配信サービス『EZニュースEX』の提供を開始したと発表した。au携帯電話の「T002」と「biblio」で提供し、今後提供端末を拡大していく方針としている。

11日にテレビ朝日本社で開かれた『EZニュースEX』の記者会見では、テレビ朝日の5人のアナウンサーも登場した。左から、前田有紀さん、堂真理子さん、竹内由恵さん、島本真衣さん、小川彩佳さん

従来のau携帯電話端末向け「EZニュースフラッシュ」は、短い限られたニュースを携帯端末に配信するものだった。今回提供を開始した「EZニュースEX」では、同一の無線チャンネルでユーザーに一斉配信するBCMCS(Broadcast/Multicast Service)の技術を採用。テレビ朝日と朝日新聞の最新ニュースを30分ごとにまとめて、毎日計200本以上プッシュ配信する。ニュースは「社会」「スポーツ」「芸能」「話題・小ネタ」「ビジネス」「政治・国際」「ライフ」「文化・科学」「地域」の9カテゴリーに分類して表示する。

大ニュースに関しては「超速報ニュース」として、BroadcastSMSの技術を用い、テレビにテロップが出る瞬間にトップページと待受画面に配信する。地域別の配信も可能で、例えば、ある県の高校野球代表チームの試合結果や自治体の選挙情報など、地域性のあるニュースをそのエリアにのみ配信することも可能になっている。

「EZニュースEX」の画面

また、テレビ朝日とANN系列局が取材した動画ニュースとエンターテインメント動画を毎日20本前後配信するほか、テレビ朝日のアナウンサーのメッセージやユニークなコラムなどからなる日刊マガジン「アサマガ」を配信する。天気、占い、交通情報も配信する。このほか、地名、人名、事柄、スポーツチームなどをキーワード登録し、関連ニュースをまとめて表示する「MYニュース」機能を備えている

ニュースは3社が運営する編成センターで集約してプッシュ配信する。サービス利用料は月額262円(税込、※)。電波がつながらない環境でも、携帯電話に蓄積されたニュースに関しては閲覧することができる。

※ ニュースの詳細表示や動画の再生、MYニュース機能を利用する場合は、Webサイトにアクセスして閲覧する仕組みのため、通信料は発生する。また、情報の自動受信に失敗し、ユーザーの操作により手動で番組をダウンロードする場合も別途パケット通信料が発生する。

11日にテレビ朝日本社で行われた「EZニュースEX」サービス開始の記者会見では、テレビ朝日常務取締役の神山郁雄氏、朝日新聞社デジタルメディア担当の和気靖氏、KDDI取締役執行役員常務の高橋誠氏が出席した。

テレビ朝日の神山氏は、「最近の放送業界は2011年の地上デジタル放送完全移行に向け大激震の時。テレビ放送事業は広告市況の悪化で大変厳しく、放送外事業の拡大が喫緊の課題となっている。EZニュースEXをなんとしても成功させて、放送外事業の柱にしたい」と抱負を述べた。朝日新聞社の和気氏は「今回の事業は、朝日新聞にとって、(1)協業への挑戦、(2)パーソナルメディアへの挑戦、(3)スピードへの挑戦、の3つの挑戦の意味がある。新しいサービスをユーザーが使いやすく心地よいものにしていきたい」と話した。KDDIの高橋氏は本サービスの対応機種について、「昨年12月の発表から半年でなんとかサービス開始にこぎつけた。最初は二つの機種での提供だが、今後の端末にもどんどん搭載していきたい」と述べた。

前列左から、テレビ朝日の神山郁雄氏、KDDIの高橋誠氏、朝日新聞社の和気靖氏

3氏の発表後には、EZニュースEXの「アサマガ」に出演するテレビ朝日の5人のアナウンサーが登場。新サービスの利用シーンに合わせた衣装でサービス内容について説明し、「普段見せられない姿を見せていきたい」などと抱負を述べた。