既報の通りUQコミュニケーションズは8日、報道関係者向けの発表会を行い、7月1日からの有料化サービス(本サービス)に向けた新たなサービスなどを発表した。
UQコミュニケーションズ代表取締役社長 田中孝司氏はまず、2月から開始した試験サービスについて「電波がきていれば今の3Gより圧倒的に速い、一方でエリアについてはもっと広げて欲しいという声を頂いている」と現在試験サービスを利用しているユーザーからの意見を紹介。続いて、7月1日からスタートするサービス有料化について説明。同社の「オープンモデル」や「料金プランの追加」などを紹介した。
オープンモデルについては、「これまでの携帯電話市場は通信事業者がサービス、製品、流通を統合してきたが我々の場合、標準規格に合わせてサービスや製品が自由に流通する」と説明。UQ WiMAXでは、製品購入後にWiMAX経由で登録を行い利用するかたちになる。「まずデバイスを購入し、その後(MVNOを含む)オペレーターを選んで頂く」(田中氏)。
また、有料化サービスに合わせ、@nifty、BIGLOBE、ヤマダ電機、ビックカメラ、KDDI、DISがMVNO事業者として参加することも明かした。
料金プランは、試験サービス開始前に発表された「UQ Flat」(4,480円/月の定額プラン)に加え、"1日利用プラン"として、「UQ 1DAY」を用意。「まずはお試しで使ってみようといった場合に(UQ 1DAYを)利用して頂きたい」と説明。なお、エリア整備においては関西地域では苦戦を強いられているという。そうした背景から、15日間無料で利用できるお試しサービス「Try WiMAX」も展開すると述べた。
続いて、インテル コーポレーション 主席副社長 兼 最高セールス&マーケティング責任者 ショーン・マローニ氏が、同社のWiMAXへの取り組みについて解説。近年、データ通信は急速に増加しており、「一般的な携帯電話に比べ(フルブラウザ主体の)スマートフォンではおよそ30倍、PCを用いたデータ通信においてはおよそ450倍のデータ通信量を必要とする」との見解を示した。また、1カ月あたりの通信料は「今後テラバイトを超えていく」と予測。そうした背景の下、モバイルネットワークにおいて3Gのみでは非常に厳しく、「WiMAXを用いることで3Gの容量不足を解決できる」と説明した。
発表会ではこのほか、WiMAXモジュールを搭載した製品の発売を予定している13社のメーカーがWiMAXへの取り組みなどを語った。
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アスース・ジャパン、NEC パーソナルプロダクツ、オンキヨー、シャープ、ソニー、デル、東芝、日本エイサー、日本ヒューレット・パッカード、パナソニック、日立製作所、富士通、レノボ・ジャパンの13社がゲストとして参加し祝辞を寄せた |
東芝は、WiMAXを搭載した「dynabook SS RX2」を7月には出荷予定とし、ソニーは近日中に「VAIO type Z」と「VAIO type P」に搭載する予定。日本エイサーは8~9月頃にWiMAX搭載モデルの発売を予定している。日本エイサーではWiMAX搭載モデルは従来モデルに比べおよそ1万円程度高くなるという。
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東芝はWiMAXモジュールを内蔵したdynabook SS RX2/T7H(試作機)を展示 |
富士通は「FMV BIBLO LOOX R シリーズ」を参考出展していた。写真はWiMAXモジュール内蔵モデルのWiMAXのユーティリティ表示 |
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会場では各社のノートPCやネットブック(ミニPC)がずらりと並んだ |
「WiMAX Wi-Fi ゲートウェイ」の紹介ブースでは沖電気工業やアイ・オー・データ機器のルーターやデータ通信カードが展示されていた |
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凸版印刷ではデジタルサルネージ端末が参考出展されていた。電子POPでWiMAXを利用するというもの |
クラリオンではWiMAXに対応した北米向けのカーナビゲーションシステムを参考出展。ブラウザを搭載しGoogleマップやYouTubeなども利用できる製品 |
なお、質疑応答の席でUQコミュニケーションの田中社長は、「WiMAXモジュール内蔵することによってネットワークに繋がっていることを意識せずインターネットができる」と語った。これまでデータ通信端末をPCに接続し、ダイヤルアップ操作をするなど"意識しながら接続"していた部分が排除されストレスなくスムーズにインターネットに接続できることをアピールした。
また、イー・モバイルのようなPCと端末のセット販売を実施するかどうかについては「イー・モバイルが行ったセット販売におけるネットブックやノートPCなどの市場開拓は貢献度も高く非常に尊敬するが、我々のオープンモデルはそれとは全く異なるものであり、そうした販売方法はあり得ない」と解説。あくまで既存の3Gキャリアとは異なる存在、異なるビジネスモデルであることをアピールした。
同発表会後は「WiMAXバス 乗車体験ツアー」も行われオリジナルのカラーリングが施されたロンドンバス(ルートマスター)でWiMAXのデモンストレーションも行われた。
(2106bpm/K-MAX)