2009年5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催された組込みシステム開発技術展(ESEC)に今年も行ってきた。
世界的な不況のまっただ中で特に半導体業界は軒並み大変な状態にあるわけだが、会場は(通路が狭く人が多く入っているように見えることを差し引いても)思ったよりも人が多く入っており、活気はあったように思う。当日のレポートにもあったとおり今回半導体ベンダの出典がだいぶ少なくなっていたが、その分小さなメーカーが多く出展しており見るところは多かったのではないだろうか。
会場の1/3程度を占めた特設EXPO
今回会場の1/3程度を占めた特設EXPO「組込みボード・コンピュータEXPO」では、特にデジタルサイネージという言葉をよく目にした。大型化、低価格化している液晶パネルなどを利用した公共表示装置のことを指す言葉で、山手線の車両のドアの上や大きな駅にあるディスプレイのことだと言えばわかる人も多いかと思う。ただし今回出展していた物はほとんどが広告装置として使われることを想定していたようだ。PCのマザーボードメーカーであるMSIやDFIなどをはじめ、ここにきて低価格化した高性能組込みボードコンピュータを使って大型ディスプレイに映し出しているデモンストレーションを多く見ることができた。今後街中で見ることもどんどん増えていくことだろう。
BluetoothとZigBeeモジュールを提供
続いて、会場を歩いていて気になったブースを挙げていくことにしよう。
まずは組込み向けに小型の無線通信モジュールを出展していたエイディシーテクノロジーだ。
規格としてはBluetoothとZigBeeで、写真を見てもわかるように非常に小さいモジュールになっている。Bluetoothモジュールは通信到達範囲100mと10mの2種類があった。3点ともこのモジュールの形で認証を取っているので、製品に組込んだ時に改めて認証を取る必要がないのはありがたい。価格は10m Bluetoothモジュールでサンプル価格1万5,000円、1,000台時に3,000円とのこと。
100m Bluetoothモジュールは10m Bluetoothモジュールの1割り増し程度、ZigBeeモジュールは量産価格で2,000円程度ということだった。そう聞くとZigBeeモジュールのほうが安く聞こえるが、Bluetoothモジュールはホスト側にBluetooth機能が内蔵されていて不要になることも多いため、必ずしもZigBeeモジュールのほうが安くなるとは限らないそうだ。また、開発キットは5~6万円程度で販売しているとのことだった。
JTAGに代わるARM対応デバッガ
東芝ブース内に出展していたコンピューテックスはARM Cortex-M3対応のデバッガJ-STICKを出展していた。
最近のARMプロセッサには新しいデバッグインタフェースとしてCoreSightテクノロジーというものが搭載されており、国産デバッガとして初めて対応したとのこと。SWD(Serial Wire Debug)やSWV(Serial Wire Viewer)というJTAGに変わる結線方法を使うことができ、今までよりも小さいボード専有面積で接続することができるようになった。デバッガに専用の評価ボードとμITRON系OS、コンパイラが一緒になったスターターキットが3万8,000円ですでに販売中で、6万円で製品版にバージョンアップが可能になっている。
またFP-10というフラッシュメモリ書き込み機も出展していた。これもCortex-M3専用でチップ内蔵のFlashROMに書き込むための機器だが、後日SHなど他のプロセッサやオンボードのFlash ROMにも書き込めるようになるそうだ。


