2008年11月にソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)向けの初号機「SoftBank 830CA」を発売したカシオ計算機。2009年2月にはEXILIMケータイ「SoftBank 930CA」を投入し、着実にソフトバンクユーザーの認知度を高めている。
同社がソフトバンクに参入した理由は? au向けとは異なる戦略を採るのか? ソフトバンク向け端末の商品企画を牽引する西尾豊一氏に話を聞いた。
新規参入を決めたのは旧ボーダフォン時代
――まず、ソフトバンクへの参入を決めた経緯について聞かせてください
今後伸びていく通信方式としてW-CDMAを手掛けていくべきでは、という話はかなり前からありました。2005年頃だったと思いますが、当時のボーダフォンの方とつながりが持つことができ、そこから具体的な準備に入りました。
――ソフトバンクがボーダフォン日本法人の買収を発表したのが2006年3月。10月にソフトバンクモバイルに社名変更し、新しいブランドでの販売がスタートしました。組織変更による混乱はありませんでしたか?
どういう端末でボーダフォンさんに参入すべきかを検討している段階でしたので、そういう要素も加味した検討を行うようにしました。新しい組織の方々とコミュニケーションを取らせていただき、ソフトバンクさんが考えるケータイ像についてお話をうかがった上で、あらためて開発すべき端末について検討し、その結果、弊社として目指す方向性を定めました。まずは多くのユーザーさんに使って頂ける端末で参入させていただき、その後にカシオらしさをアピールできる端末を投入していく形としました。