2号機はスライド式のEXLILMケータイ
――2009年1月に発表した930CAは、au向けで好評を得た「EXLILMケータイ」。830CA以上のヒットを狙う"本気モデル"という印象を受けますが?
930CAは男女問わずに幅広い層に使っていただきたいと考えて開発しました。「誰でも、かんたん、きれい」、「撮りたいときにすぐ撮れる」というコンセプトを掲げ、徹底的にそのコンセプトの使い勝手にこだわりました。カメラは、auさん向けのW63CAと同じ8.1メガカメラを搭載しています。930CAでは、「撮りたいときにすぐに撮れる」の実現に向け、スライド形状を採用し、カメラの起動時間において世界最速の0.99秒を実現しました。また、ユーザーが事前に撮影シーンを手動で設定しなくても、シーンに応じて最適な画質調整が自動的に行われる「オートモードセレクト」なども搭載し、「誰でも、かんたん、きれい」の実現を目指しました。
――カシオ製ケータイの使いやすさはau向けモデルでも高く評価されていますが、ソフトバンク向けにおいても、そのアドバンテージは強く打ち出していく計画ですか?
手前味噌ではありますが、端末を持った際の手へのなじみ感であるとか、指の動きを考慮したキーの形状や配置など、そういった細部までこだわってデザインしていることは、デザイン的な差別化ポイントになっていると考えています。また、ソフトバンクさんに参入させていただくにあたり、既存メーカーさんの端末を数多く使ってみるということを行いました。その中で、使いやすい点、使いづらい点を抽出し、端末開発に生かしています。
――au向けの開発チームと連携している部分はありますか?
auさん向け、ソフトバンクさん向け、それぞれ事業部が分かれておりますので、基本的に連携はありませんが、共通技術検討を行う部門等を通して、基礎技術やデバイスレベルでの情報共有は行っています。
――ソフトバンク向けに端末を開発する過程で、従来との差異を感じることはありますか?
ソフトバンクさんはスピード感のある会社だと感じています。とくに陣頭指揮を執られる孫社長には、新しい需要に素早く反応して舵取りをされている印象を受けます。メーカーとしては、それについていかなければならないわけですが、最初はそのスピード感に驚きました。また、端末についてのプレゼンテーションをさせていただく際には、孫社長から様々なご示唆をいただきます。孫社長は端末への思い入れが強い方で、ユーザー視点でのデザインや操作感にもこだわりをお持ちで、的確に評価していただいていると感じており、メーカーとしてもやりがいを感じます。
まずはユーザーの認知度を高め、さらなる市場拡大をめざす
――今後、ソフトバンク向けにどのような端末の投入を考えておられますか?
市況の変化により、ケータイ市場も厳しくなってきています。そうした中では、弊社として培ってきた技術等の蓄積は、全て出し切らないとこの業界の中で生き残っていくことは難しいと考えております。具体的にどういう端末をどういう時期に、といったお話は申し上げられませんが、ケータイの3商戦期(春、夏、冬)毎には、継続して新機種を出していきたいと考えております。