CEOのPaul Otellini氏

米Intelは4月14日 (現地時間)、2009年度第1四半期(1-3月期)決算を発表した。売上高26%減、純利益55%減など全体的に厳しい数字が並ぶものの、内容的には季節的な要因と昨今の経済状況を勘案したアナリストの予測を上回るものだった。同社CEOのPaul Otellini氏は「第1四半期にPC販売は底入れし、PC産業全体が通常のサイクルに戻ろうとしている」と回復の兆しを指摘した。

1-3月期の売上高は71億ドルで前年同期比26%減 (前期比13%減)。営業利益は前年同期比68%減(前期比56%減)の6億7,000万ドル、純利益は前年同期比55%減 (前期比176%増)の6億4,700万ドルだった。一株あたりの利益は11セント。

PC需要の減速でマイクロプロセッサの出荷数が減少。マイクロプロセッサのASP(平均販売価格)は横ばいを保ったものの、Digital Enterprise Group、Mobility Groupともにマイクロプロセッサ/ チップセットの売上高が落ち込んだ。また景気減速を追い風にするように成長してきたネットブック/ ミニノートPC市場でもメーカーによる在庫整理が進められ、好調を維持してきたAtomの売上高が前期比27%減の2億1,900万ドルにとどまった。

経済状況の見通しが不透明であることから、今回の決算発表でも売上高の予測の公開が見送られた。1-3月期の粗利益率45.6%(前期から7.5ポイント低下)に対して予測も40%台半ばと、報告書では依然として慎重な姿勢を保っている。一方でCFOのStacy Smith氏が会見の席で、1-3月期のパフォーマンスを通じてパソコン市場全体が最悪の時期をくぐり抜けた感触を得ていることを明かした。この回復の兆しはエンタープライズよりも、比較的コンシューマ市場にはっきりと現れているという。Otellini氏によると、2月始めにデスクトップ向け製品の発注動向が回復し、続いてノートPC向け製品にも同様の動きが見られ始めた。その結果、第1四半期に製品在庫の7億ドル減を実現した。

このように会見は力強いコメントに彩られたものの、慎重な予測が嫌われたのか、14日の通常取引で16.01ドルの値を付けたIntel株は時間外取引で5%以上の下落となっている。市場では見えない回復の兆しは本物なのか……4-6月期の動きが注目される。