音声通話もできるH11LC - その操作性は?

画面は小さいが、日本語もきちんと表示される

H11LCは、単なるデータ端末ではなく、ケータイとしても利用できる点がポイントだ。本体には1.1インチ(96×96ドット)の有機ELディスプレイ、スピーカーとマイク、テンキーを搭載する。テンキーで電話番号を入力してそのまま音声通話が行える。

電話帳には500件までの電話番号を登録可能。ただ、日本語入力はできないので、電話帳を登録する場合は英語で入力するか、PCに接続し、ユーティリティソフトを使うことになる。ユーティリティソフトからは日本語での電話帳登録が可能で、OutlookやOutlook ExpressyavCard形式の電子名刺からの読み込みもサポートする。少々面倒だが、日本語で登録できないよりはいいだろう。

電話帳は接続ユーティリティ上にある、人型のアイコンをクリックして起動する。PCで気軽に編集できるので楽といえば楽だが、端末だけでは日本語入力できないのがネック

待受画面で右側面のジョグダイヤルを回すと電話帳が呼び出されるが、待受画面で*キーを長押しするとフリガナで検索することもできる。

本体側面にジョグダイヤルを装備。回転動作と押し込む動作が使える

ケータイとしての機能はシンプルだ。発着信、電話帳や履歴からの発信といった程度。SMSは日本語表示の受信は可能だが、日本語入力ができないため、日本語のSMSを送信することはできない。基本的に「電話できればいい」という人以外にはおすすめできないが、逆に電話は通話だけで、PC接続でのデータ通信を頻繁に行うという人であれば、データ通信と音声通話を1台の端末でまかなえるメリットはある。

さらに電池パックの下にmicroSDカードスロットがあり、ここに最大8GBまでのカードが挿入できる。外部メモリカードとして利用することができるほか、MP3形式の音楽ファイルを保存しておけば、音楽プレイヤーとして利用することも可能だ。

電話帳の表示もシンプル

中央付近にあるのは十字キーではなく音楽用ボタン。長押しでプレイリストが立ち上がる

テンキーとディスプレイの間に音楽操作用のボタンがあり、再生、停止、早送り/早戻しといった操作ができる。これも機能としてはシンプルで、待受画面でいずれかのボタンを長押しするとプレイリストが表示されるので、ジョグダイヤルで選択するだけだ。

H11LCは、とにかくシンプルがウリの端末だ。基本的な用途はデータ通信用だが、いざとなったら電話としても使えるというのがメリットで、PC接続中は電話帳や音楽プレイヤーの機能こそ使えないものの、音声通話の発着信は可能なので、十分携帯電話として使える。

メールもWebもカメラも、GPSも赤外線もおサイフケータイも何もないが、音声通話とPCモデムに関しては一通りの機能を備えており、シンプルな機能で十分という人であれば問題ないだろう。特に常にケータイとデータ通信端末を持ち歩いている人にとっては、端末をコンパクトに一本化したい、という要望に応えられる端末だ。