バッテリ駆動を取るか、性能を取るか

最後にPCMark05、3DMark06の各ベンチマークソフトと、バッテリ駆動時間の測定を行ってみた。バッテリ駆動時間は液晶輝度最大で、FFBench3のLowモードを無限ループさせたさいの駆動時間である。また、テストはGeForce 9300M GS使用時と、チップセット内蔵のIntel 945GSEを利用したときの、それぞれで測定している。

結果は非常に分かりやすいものとなった。GeForce 9300M GS使用時はグラフィック性能が高いうえ、専用のフレームバッファを持つためメモリ性能も高めになる。一方、チップセット内蔵グラフィックを使用した場合、これらのパフォーマンスは低いが、バッテリ駆動時間は今回のテスト条件で30分以上伸びている。

グラフィック機能を切り替えるさいには再起動が必要になるので、そう頻繁に切り替える気にはなれず、どちらかに固定した状態が長くなりがちだ。Windows XPである点や、本製品の総合的な性能を考えると、チップセット内蔵グラフィックによる利用をベースに、動画再生やHDMIによる外部ディスプレイ出力を利用したいシーンのみGeForceへ切り替える、といった使い方が本製品ではベターだと思う。

■ベンチマーク
GeForce 9300M GS使用時 Intel 945GSE使用時
PCMark05 PCMark 1841 1559
CPU 1470 1466
Memory 2388 2248
Graphics 1526 594
HDD 4017 4014
3DMark06
1,024×600ドット
3DMark Score 1574 89
SM2.0 Score 702 41
HDR/SM3.0 Score 625 N/A
CPU Score 487 475
バッテリ駆動時間 3時間52分56秒 4時間28分14秒

ネットブック以上、モバイルノート未満のスイートスポット

本製品は、5万円前後のネットブックでは物足りないが、10数万円もするようなB5モバイルは高すぎる、と感じるユーザーには魅力的な選択肢だろう。確かに、B5モバイルに比べるとCPUパフォーマンスや液晶解像度の面では不利だが、Windows XPへ変更されたことで、ネットブックに限りなく近い価格へと下がった。

GeForce 9300M GSや指紋リーダーの搭載により、ネットブックでは満たせないユーセージに適応できる点は重要なポイントとなる。とくに指紋リーダーは気軽に持ち運べるノートPCを求めるビジネスパーソンにとって重要な機能で、ビジネスユースに対応できる低価格ノートPCとして価値ある存在といえる。

■仕様
CPU Intel Atom N270(1.60GHz/L2 512KB)
チップセット Intel 945GSE+ICH7-M
メモリ 1GB(PC2-5300 2GB×1、空きスロット0)
ハードディスク 160GB(SATA HDD 5,400rpm)
ディスプレイ 10.2型ワイド液晶(1,024×600ドット)
グラフィックス 内蔵/NVIDIA GeForce 9300M GS(切り替えスイッチ付き)
光学ドライブ 無し
通信機能 GbE、無線LAN(IEEE802.11b/g、IEEE802.11n(Draft 2.0)、Bluetooth 2.0+EDR
インタフェース D-Sub、HDMI、USB2.0×3、ExpressCardスロット、メモリカードリーダ、オーディオIn/Out
その他機能 130万画素WEBカメラ、指紋認証
バッテリー動作時間 約7時間(JEITAバッテリ動作時間測定法)
サイズ/重量 W276×D198×H29~37mm / 約1.55kg
OS Microsoft Windows XP Home Edition SP3
主な付属品 ACアダプタ、バッテリー、USBマウス、専用キャリングバッグ
価格 オープン(予想価格64,800円)