スポットワンセグ放送受信中のイメージ

奈良テレビは20日より、奈良公園周辺を対象エリアとした同県初のスポットワンセグ放送を行う。同社、国土交通省近畿地方整備局、奈良県、奈良市観光協会、NTTドコモ、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が実施する「平成20年度奈良自律移動支援プロジェクト実証実験」の一環として実施するもので、2月8日まで観光情報番組などを放送する。

スポットワンセグは、微弱な電波により視聴エリアを限定して放送されるワンセグ放送で、イベント期間中の来場者向け情報提供などで活用が始まっている。今回は奈良県庁の屋上に、東向き・南向き・西向きにそれぞれ電波を発射する実験試験局(出力は各10mW)を設置。ワンセグ対応の携帯電話などを持参すれば、奈良公園入口から近鉄奈良駅にかけてのエリアで放送を受信することが可能。スポットワンセグ自体は2006年から実験が始まっている技術だが、奈良県内で放送されるのは今回が初だという。

奈良県庁に設置された実験試験局のアンテナ(2本の旗ざおの右側)

周辺の社寺をめぐる観光コース、奈良公園の鹿に関する豆知識、土産物紹介といった数分間の番組を計8種類用意し、繰り返し放送する。番組は通常の地上波放送とは異なり、スポットワンセグのために新規制作したものとなっている。データ放送ではリアルタイム更新される天気予報やイベント情報のほか、公園内の移動ルートや交通アクセスの情報も提供する。

番組動画に加え、データ放送でも観光情報を提供する

自律移動支援プロジェクトは、国土交通省が中心となって全国で実証実験が行われているもので、情報技術などを活用することにより、身体的状況・年齢・言語等を問わず誰もが移動経路や交通手段に関する情報を得られるようにし、個人の自律的な移動を支援するのが目的。奈良県では平城遷都1300年祭を来年に控えており、奈良を訪れるすべての人に観光や移動に関する情報を提供するための環境を整備する目的もある。

1月20日から2月8日までの間、スポットワンセグが放送される奈良公園エリアに加えて、唐招提寺・薬師寺等がある西の京エリアが実証実験の対象地域となっており、携帯電話や専用情報端末の貸出を行い、観光客向けの情報提供を行う。機器の台数に限りがあるため原則的に事前申し込み制となっており、国土交通省近畿地方整備局のWebサイトで受付が行われている。