さて、ここまで見れば「より高速なメモリを使うとどうか?」「Memory Channelを変えるとどうか」という疑問は当然出てくる。そこでCore i7 965・32bit・HT有効という環境で、

  • DDR3-1067を1chだけ(1067×1)
  • DDR3-1067を2chだけ(1067×2)
  • DDR3-1067を3ch(ここまでテストしてきた環境そのもの)
  • DDR3-1333を1chだけ(1333×1)
  • DDR3-1333を2chだけ(1333×2)
  • DDR3-1333を3ch(1333×3)
  • DDR3-1333を4ch(1333×4)

の構成での結果を見てみたいと思う。1333×4が何であるか? というと、ここでも紹介した「各メモリチャネルにDIMMが2枚の場合、1200MHzが上限となる。」の話の真偽を確認するためだ。実はDDR3-1333 DIMMを4枚挿した状態でCPU-Zを掛けると、見掛けはちゃんと1333MHz動作していると表示される(Photo04)。

Photo04: Sizeが4096MB、Channel#がTripleということで、1GB DIMMが4枚装着されていることが判るはずだ。Intelの言うことが正しければ本来これが600MHzあたりに下がっている筈だが、実は嘘なのか、あるいはレジスタ的には667MHz動作に設定していても内部的には600MHz辺りに下がるのか、はここからは確認できない

では実際は? というあたりを確認してみたいと思う。

まずグラフ73はグラフ70同様に、Sandraの結果である。1ch/2ch/3chとChannel数が増えるに連れて、Bandwidthも綺麗にScaleしていることが読み取れる。また1333×4に関しては、1333×2よりはマシだが1067×3よりは低いという、600MHz駆動にしてはやけに低い数値になっている事がちょっと不思議である。もっとも、この構成の場合Logical Re-orderはやりにくいだろう。

Logical Re-orderとは図12の様に、複数バンクある場合の配置を置き換える方式だが、今回の様に2バンクあるのが1chだけという場合、まさか図13右側の様に2chにはしないだろうと思うからだ。したがって図13左側の様にそのまま割り当てていると思うのだが、そうなるとバッファがたまたまCh0の2バンク目に割り当てられたりすると、がくんと性能が下がっても不思議ではないとは言える。Sandraの場合、4GB構成だと最大1GBまでのテストを行うから、その際に1GB分の物理メモリをAllocateするわけだ。そうなると、OSがその一部をCh0の2バンク目に当てる可能性は低くない。