インストール時には「安定性およびパフォーマンスが向上」とだけ説明されるMobileSafariだが、検索窓の独立というUIの変更が施されている。左端の虫眼鏡ボタンが消え、アドレス欄の右横に検索窓を配置するという、PC版のSafariに近いレイアウトに変更されたのだ。これで操作性が大幅に変わることはなさそうだが、PC版との違いでとまどうユーザは減ることだろう。

MobileSafariは検索窓が独立、PC版SafariとUIが統一された

細かい部分では、URLバーに表示されるアドレスのうちプロトコルを示す「http://」が表示されなくなり、そのぶん限られたスペースを有効に活用できるようにもなっている。

MobileSafariのバージョンだが、ユーザエージェントを確認するかぎりコードベースに変化はないようだ。SunSpider 0.9 のスコアも大差ない (トータルのスコアは131,752、各項目ともiPhone 2.1の時点とほぼ同じ) ことから、JavaScriptエンジンについても変更はないものと推定される。


・iPhone 2.1
Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 2_1 like Mac OS X;ja-jp) Apple WebKit/525.18.1 (KHTML, like Gecko) Version/3.1.1 Mobile/5F136 Safari/525.20

・iPhone 2.2
Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 2_2 like Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/525.18.1 (KHTML, like Gecko) Version/3.1.1 Mobile/5G77 Safari/525.20

その他の変更点 - Bluetoothスタックは?

Bluetoothスタックは変更なし? 対応するプロファイルはiPhone 2.1と同じ

11月に入り、iPhone対応外付けキーボードが発売されるとの噂 (海外の通販サイトにフライング気味の商品情報が掲載されていた) が流れ、BluetoothスタックがアップデートされHIDプロファイルが追加されるのでは? と見られていたが、この可能性はなくなりそう。Bluetooth設定アシスタントでアップデート後のiPhoneに接続し、有効なサービスを確認してみたが、iPhone 2.1との違いは発見できなかった。

アプリの閲覧 / ダウンロードを行う「App Store」は、アプリの一括更新が可能になった。iPhone用アプリはリリースから日が浅いためか、頻繁にアップデートが実施されるが、これまではアップデート対象のアプリが複数ある場合、「App Store」を起動し対象のアプリを選択して……という作業を複数回繰り返すしかなかった。これからは、[すべてをアップデート]ボタンを一度タップするだけで更新作業は完了だ。

「App Store」ではアプリのカテゴリにアイコンが表示されるようになったほか、アップデートを一括処理することが可能になった

文字入力の自動修正機能が手動でオン / オフ可能になったことも見逃せない。検索用のキーワードを入力するときなど、自動修正のためにかえって手間が増えることもあったが、これでキー操作に忠実な入力が行えるようになる。設定を変更するには、「設定」→「一般」→「キーボード」の順にパネルを開き、「自動修正」スイッチを切り替えればOKだ。

「自動修正」スイッチをオフにすると、綴りの自動修正機能が無効になる

「iTunes」も更新され、ポッドキャストの音声データが3G回線およびWi-Fi経由で直接ダウンロードが可能になった (楽曲のダウンロード販売は引き続きWi-Fi経由のみ)。ニュースやコメディなど多数のコンテンツが無償公開されているため、移動中にダウンロードして楽しむことも可能だ。

ポッドキャストの直接ダウンロードに対応した「iTunes」。母艦と同期する必要なしに、ニュースなどの音声コンテンツを楽しめるようになった