「Windows Action Center」でシステム運用を一括管理
Windows 7では、従来の「Windowsセキュリティセンター」から「Windows Action Center」へ名称変更となり、セキュリティだけでなく、WindowsUpdateやバックアップ、ファイアウォールなどシステム運用に関する機能がまとめられている。ちなみにビルド 6801では名称がWindows Solution Centerとなっており、今後名称が変更する可能性も拭いきれないが、同センターが持つ方向性は確定しているようだ。
ここからはシステムに発生しているトラブルを検知する「Troubleshooting」や、通知領域のAction Centerから発するメッセージを取捨選択する「Change message settings」などが用意されているが、注目は「User Account Control settings」である。Windows Vistaで不評だったUAC(ユーザーアカウント制御)の強度を4段階で変更するというものだ。
最強の「Always notify me and wait for my response」では、ソフトウェアのインストールやWindowsの設定変更などにセキュアデスクトップ上で警告を発し、「Always notify me」は、通常のデスクトップから警告を発する。初期状態である「Only notify me when programs try to make changes to my computer」は、プログラムはコンピュータに対して変更を加えようとする際のみ警告を発し、「Never notify me」は文字どおり警告を発しないというもの。本来マルウェアやユーザーが意図しない設定を行なうことで、システムが不安定になるのを抑制するUACだが、初期状態の「Only notify me~」であれば、マルウェアや行儀の悪いアプリケーションのみ抑制できるため、UACの利便性も大幅に向上するだろう(図24~27)。
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図26: 「Change message settings」では、Action Centerでメッセージを発信するカテゴリを選択可能 |
図27: 不評だったUACの警告強度は4段階で設定可能。ちなみに最小にすると、設定を有効にするため再起動をうながされる |
一方、ネットワーク関連機能を見ると、HomeGroupという新しい共有機能が設けられている。わかりやすくいえば、従来のワークグループネットワークを簡易化したもので、Windows 7に特化した機能。コンピュータ単位でパスワードを設定し、各ライブラリフォルダ(Windows Vistaにおけるユーザーフォルダ下のドキュメントフォルダやピクチャフォルダ)に格納した各ファイルをLAN内で共有できるというもの。サービスの一覧を確認してみると、HomeGroupProviderおよびHomeGroupProviderが新たに用意されており、両サービスによって機能を実現しているようだ。
設定はWindows 7セットアップ時にうながされるが、コントロールパネルから再設定が可能。Windows OSの操作に慣れたユーザーには煩雑な印象を覚える機能だが、各コンピュータに散らばるリソースをより簡単にアクセスしたいと考える初心者には便利な機能となるだろう。ただし、前述のようにWindows 7限定の機能なので(Windows Vista向けにアドオンが配布される可能性はあるものの)、既存のコンピュータを活かしきるのは難しいかもしれない(図28~31)。
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図28: HomeGroupの設定ウィンドウ。画像や音楽、動画、ドキュメント、プリンタの共有が可能 |
図29: エクスプローラの左ペインから「Homegroup」を選択すると、接続をうながされるので、<Combine now>ボタンをクリック |
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図30: テキストボックスにパスワードを入力する。このパスワードはあらかじめ接続先のコンピュータで設定する |
図31: 接続を終えると、サブツリーにコンピュータ名が表示される。ここから必要なリソースにアクセスすればよい |
ちなみにInternet Explorerは現在開発中のバージョン8を搭載。こちらに関しては単独のベータテストも行なわれているので、ここで触れる必要はないだろう(図32)。