F8は、Let'snote LIGHTで初めてワイド液晶を採用したことも魅力になっている。ワイド画面が事実上のスタンダードになっているWindows Vista向けのアプリケーションが効率的に表示できるのだ。それに加えて、1,440×900ドットと、デスクトップに匹敵にする解像度を手に入れた点も大きい(ちなみに、Y8は1,400×1,050ドットの14.1型液晶を搭載しており、こちらも十分に高解像度だ)。

横幅が1,440ドットになると、複数のウィンドウを並べて作業するといった操作がより実用的になる。多くのインターネットサイトは横幅800ドットをベースにしているため、画面の半分程度をブラウザに使って、残りを他のアプリケーションに充てることができるのだ。サイトを参照しながら資料を作成する際も横スクロールの必要がないので、デスクトップで操作するときと同じように快適に作業できるだろう。

ブラウザとWord 2007を並べて表示した。横スクロール不要な幅でサイトを表示しながら、Wordも本文部分が100%で表示できている

また、モバイルノートの解像度が高いほうが、メインマシンとの連携もスムーズになる。たとえば、メインマシンで作業したEXCELファイルをモバイルノートで開く際、両マシンの解像度差が少ないほど、表示倍率を変更するといった手間がなくなるのだ。ガジェットなどの常駐ソフトをデスクトップに配置する場合も、メインとサブでほぼ同じレイアウトが保てれば、それぞれの操作時に違和感を感じることもなくなる。

直前のLet'snoteから切り替えても良さを感じる

メインマシンとまったく同じ環境を実現するモバイルノートがあるなら、それはある意味究極のサブマシンといえるだろう。F8なら、デスクトップの広さにおいて、その理想を実現したり、かなり近づけることができるはずだ。それは性能面においても、同じことがいえる。

F8のWindowsエクスペリエンス インデックス スコア。グラフィックス性能以外は、ハイレベルな値を示している

前述のとおり、F8は通常電力版の「Core 2 Duo SP9300」や2GBメモリを採用しており、Windows Vistaが快適に動作する環境を揃えている。その性能を数値で示すために、手持ちのLet'snote LIGHT W7 CF-W7CWHAJPと比較してみた。CF-W7CWHAJPは2008年1月に発表されたモデルで、超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz)とIntel GM965 Expressチップセットを搭載している。標準メモリは1GBだが、2GBに拡張してある。(注:F8は試作機のため製品版とは異なる結果となる場合があります)

■PCMark05
総合スコア CPUスコア メモリスコア グラフィックススコア HDDスコア
F8 4351 5447 4957 2411 4516
W7カスタム 2657 3005 2645 1027 3713

ノートなのでグラフィックス性能は低いのは仕方ないとして、他のスコアはメインマシンとしても十分に使える性能を示していた。ビジネス用途で使うなら特に問題なく利用できる。同じメモリ容量のW7カスタムと比較しても、CPUとメモリのスコアが大きく上待っているのが分かる。ひとつ前のLet'snote LIGHTシリーズから乗り換えても、性能アップが体感できるレベルということだ。