CEATEC JAPAN 2008のKDDIブースでは、コンセプトモデルの展示や近頃発表した製品のほか、カメラ機能を利用した直感コントローラや3D液晶など研究開発中の技術も紹介していた。

新液晶技術「高解像度有機EL」「3Dディスプレイ」を紹介

いままでのau携帯電話でも有機ELディスプレイを搭載したモデルがあったが、320×240ドットのタイプが中心で高解像度のものはなかった。しかし、携帯電話のコンテンツはどんどん高解像度化が進んできている。このようなコンテンツの進化にあわせて高解像度の有機ELの開発を進めている。KDDIブースでは、その有機ELを参考出展していた。約3.1インチの大画面で、ワイドVGAの解像度を持つ。

こちらの有機ELディスプレイはサムスン製で、価格は現在販売されている携帯電話の液晶とさほど変わらないという。これにより、液晶搭載モデルと同じ価格帯の高解像度有機EL搭載モデルの発売の可能性が高まってきた。

あわせて裸眼に対応した3D液晶も展示。2Dの映像を3Dへ自動変換可能で、動画も静止画も3D再生が可能。ワイドVGAと高精細で、縦でも横でも3D表示ができる。

WVGAと高精細な有機EL

3D液晶。カメラで撮影するとぶれて見えるが、裸眼だと3Dで見える

加速度センサーを使用しない「カメラを使った直感コントローラ」

研究開発中の技術のひとつとして、携帯電話のカメラを使った直感コントローラが紹介されていた。加速度センサーなどがなくても、携帯電話のカメラからの情報で、向きや傾きを検知。それにあわせた携帯電話の操作が可能となっている。その応用例として、文字入力UIなどを展示。文字入力UIでは、入力した行のキーを押しながら携帯電話を傾けるだけで文字を選択してくれる。特殊なハードウェアは必要なく、専用アプリケーションをダウンロードするだけで利用できるようになる予定だという。

このほか、携帯電話を左右に向けることで画像が切り替わる画像ビューアー、携帯電話を上下左右に動かす動作にあわせて視点が変わる3Dモデルビューアーなども紹介していた。

文字入力UIのデモ。上下左右に傾けることで文字を選択する

3Dモデルビューアーでは、携帯電話を上下左右に動かすと、その動きにあわせて視点も移動する

液晶画面の向こう側を透視できる新技術「実空間透視ケータイ」

実空間透視ケータイのデモ。このように、向いている方向に何があるのかを表示する

液晶画面の向こう側を透視できる直感的ヒューマンインタフェースを持つ「実空間透視ケータイ」のデモも行われていた。こちらは、開発中の機能で、携帯電話を向けた方向に何があるのかが見て分かる。加速度センサーと地磁気センサーから携帯電話の方位と傾きを取得。位置と姿勢から実際の空間をマッピングする。さらにユーザーの移動状態を推定。走行、歩行、停止、自転車、自動車、バス、電車などを判断できる。