マイクロソフトは30日、秋葉原カフェソラーレにて「DSP版 Windows Home Server 日本語版 Power Pack 1 発売記念イベント」を開催した。サーバという名前の入る同OSだが、家庭向け製品とあって秋葉原の自作ユーザーからの注目度は高いようだ。当日、昼ごろは日も差していたのだが時折激しい雨が来るといった天候。しかし会場はいっぱいに、テラスにも人だかりができるほどの盛況だった。
イベントではマイクロソフトから林憲一氏が購入者を対象に特別セミナーを開いたほか、テクニカルライターの笠原一輝氏がWindows Home Serverの活用法を、高橋敏也氏がWindows Home Serverの自作術に関するセッションを行った。
Home Serverという製品の性格上からか、この日は、比較的年配な方が多く集まり、なかでも家族のデータ管理を行う「パパ」がどれだけ楽をできるOSなのかが多く説明された。また同時にNASとの違いという点も強調され、「ハードウェアコスト」「リモートバックアップ」「WindowsベースのGUI」がWindows Home Serverの特徴に挙げられた。
高橋氏によれば、「NASからHDDの価格を調べて引き算すればNAS本体の価格になる」「自作ユーザーであれば余ったパーツが使い回せるため、OSを含めたコストでは変わらないこともある」とのこと。
一方笠原氏はシンプルなUIと簡単なHDD追加機能などから「ホームITマネージャの負担を減らせる」とNASとWinidows Home Serverとの違いを解説した。
また、これらセッションに合わせ協賛メーカーからも製品紹介が行われた。Windows Home Serverに対応したアンチウィルスソフトを発売するKaspersky Labs Japanの保科貴大氏はその製品概要を説明、HDDメーカーからは、ウエスタンデジタルジャパンの津田直樹氏、日本シーゲイトの佐藤之彦氏、ケースメーカーからはアビーの渋澤利幸氏、リンクスインターナショナルのAntecショールームから早川健二氏が参加した。
Windows Home Serverでは、セキュリティ対策ソフトも通常のWindows XP/Vista向けではなくサーバ向けのものを使う必要があり、ユーザーの悩みどころだった。一般にサーバ向けとしている製品は、その対象がエンタープライズ向けであるため高価になりがちだ。Kaspersky Labs Japanでは世界に先駆けWindows Home Server用で、しかも価格をできるだけ抑えた(Vectorでのダウンロード版価格は7,140円)製品をリリースしたとアピール。クライアント版と同じインストーラを用いているとのことでインストールも簡単に行える点も特徴で、実際にインストール作業をデモンストレーションした。
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Kaspersky Labs Japanの保科貴大氏 |
Windows Home Server日本語版発売に寄せられた、CEO兼アンチウイルス研究所所長 Eugene Kaspersky(ユージン カスペルスキー)氏のビデオレターも公開 |
ウエスタンデジタルのオススメはコストパフォーマンスが高く低消費電力、低発熱なCavior Greenシリーズとのこと。これをデータ領域に、システムには10,000回転のRaptorシリーズを使えば最強と会場を沸かせた。日本シーゲイトはすでにアナウンスされている1.5TBドライブに関して言及。間もなく登場とのことで期待が高まるが、まさに今日本に向かっているこの1.5TBドライブを1台、当日会場に集まったお客さんにプレゼントすることとなった。
この両社はライバル関係にあるだけに、順序で後になったシーゲイト佐藤氏のトークは白熱。進行役の高橋敏也氏が戸惑うほどだったが、「1つのデータが配布やバックアップといったニーズによって何倍もの保存容量になる」「今後5年で10億台のHDDを出荷する(シーゲイトの)予測もWindows Home Serverのような新しいアプリケーションによって現実になる」といったようにHDDの重要性を説く話も忘れなかった。
続いてケースメーカー2社はそれぞれ対照的なプレゼンとなった。アビーはATX電源が搭載できるキューブ型小型ケースの「acubic R10」、Antecは大型ATXケース「TwelveHundred」をプッシュ。acubic R10がリビングにも溶け込むスタイリッシュさをアピールすれば、TwelveHundredは12台のHDDを内蔵できる拡張性を強調した。12台のHDDを搭載したTwelveHundredは、「家族全員オタク」な一家でもバックアップをまかなえる「Super Family Computer」(早川氏)な仕様。実際に12台を搭載したデモ機は圧巻の迫力だ。
一方で渋澤氏は9月中に正立方体で9色カラーバリエーションのキューブケースを投入すると将来の製品について言及し、Mini-ITXケースにも本格的に製品を投入すると語った。acubic R10も製品展示が行われ、質問を投げかけるユーザーと実際で拡張性を確かめるユーザーとで人だかりができていた。