既報の通りマイクロソフトは20日、「Windows Home Server 日本語版」を30日より提供開始(販売店での予約受付は既に開始)すると発表した。昨年9月に発売された英語版を日本語化し、「Power Pack 1」と呼ばれるアップデートプログラムを適用したもので、ベースOSにはWindows Server 2003を採用している。

これまでも同社のサーバー用製品には「Small Business Server」などの特定用途向けパッケージがいくつか存在したが、一般家庭で利用されることを想定したものはHome Serverが初。個人向けサーバーOSの発売に至った背景について、同社業務執行役員でサーバープラットフォームビジネス本部の五十嵐光喜氏は、「家庭内における"デジタルアセット"の増大」があると説明する。アセットとは財産のことだが、写真やビデオをデジタルで残すことが当たり前になったことで、それらをいかに安全かつ簡単に管理するかが喫緊の課題になっているとする。

家庭でも大量に蓄積されるようになった"デジタル資産"を安全に管理するための機能を備えるWindows Home Server

一般家庭ユーザー向けの機能を満載

Windows Home Serverは、OSの実体はWindows Server 2003そのものだが、一般ユーザーがそれを意識することなく使えるように、クライアントソフトとして「Windows Home Serverコンソール」が用意されている。操作はすべてこの専用コンソール通じて行うため、一般のWindows用ソフトを扱うのと感覚で利用でき、従来サーバーを管理するのに必要だったテキストコンソールやリモートデスクトップなどのターミナルは不要となっている。なお、Home Server特有の制限事項として、ファイル共有への参加やリモート管理などができるクライアントPCの台数が10台までとされているほか、クライアントPCのOSはWindows XP(SP2以降)/Vistaのみをサポートする。

サーバーと言えどネットワーク上の特別な場所に設置する必要はなく、PCやゲーム機などと同じように接続すれば良い

共有フォルダはPC本体内のフォルダと同じように操作可能。各種設定は専用のクライアントソフトで行える

ファイル共有

サーバーの最も基本的な機能はファイル共有だが、Windows Home Serverでは「写真」「音楽」「ビデオ」といった家庭でよく使用するコンテンツ用のフォルダがあらかじめ用意されているほか、ユーザー別のフォルダが作成され、家庭内で共有したい画像などのファイルと、個人用のファイルをそれぞれ格納することができる。また、サーバーPCに接続したプリンタを家庭内の各PCから利用することも可能だ。

家庭でよく使うと考えられる種類のファイルにはあらかじめフォルダが用意されている

共有フォルダのほか、各ユーザーが本人しかアクセスできないフォルダも作られる

共有フォルダに保存された写真・音楽・ビデオのファイルは各PCのWindows Media Playerなどから再生できるほか、ネットワークに接続されたXbox 360があればテレビで再生することも可能。アドイン提供される機能でDLNAにも対応可能で、DLNA対応のテレビやメディアプレイヤーから参照することもできるという。

ネットワークに参加しているPCのWindows Media Player、Xbox 360、DLNA対応機器でサーバー内のファイルを再生できる