期待が高まる次世代のMoorestown

Chandrasekher氏は「発明は多くの父を生むため、誰が父親なのかは決めづらいものだが……、Atomの父を紹介しよう」として、ステージにAtomのChief ArbhitectであるBelli Kuttanna氏を登壇させた。Kuttanna氏は「Atomは確立のための第一歩。次世代の第二、第三のアーキテクチャにも期待して欲しい」と述べる。"ポケットの中"はさらに進化する見通しだ。

Atomの父として指名されたBelli Kuttanna氏。Atomの設計では、現実の製品に近づけるための性能と電力のバランスこそ、もっとも大きなポイントだったと説明。Atomで第一歩を踏み出すことができたと話す

Atomの次世代プラットフォームとしては、2009年に向けてMoorestownプラットフォームが開発中であることが既に語られている。Moorestownは、45nmのCPUコアを備えるSoC(System on Chip)のLincroftと、I/OハブのLangwellなどで構成され、さらなる小型化と省電力、性能向上が図られる。

LincroftとLangwellは米1セントコイン並のサイズで、Moorestownの基板はクレジットカードより面積が少ない

Moorestownの基板の配置図。このサイズの中に基本的なハードウェア構成はすべて詰め込まれている

Chandrasekher氏が手にしているのがMoorestownの基板

実はMoorestownに関して、講演内では情報としては特に目新しいものは無かった。ただ、2007年のIDFでChandrasekher氏が、現行のAtom(Menlow)プラットフォームで組み合わされるCPUのひとつであるSilverthorneのウェハを掲げ、消費電力を2006年比で10分の1にすると公約したことがあった。そして、その公約が果たされた今年のIDFにて、Chandrasekher氏は、今度はLincroftのウェハを公開し、「アイドル消費電力は少なくとも10分の1にする」と約束した。

いよいよ出てきたLincroftのシリコンウェハ。もちろん実物だそうだ

Moorestownでの「10分の1の消費電力」というのは以前からアピールされていた項目ではあったが、それが現実のものとなることへの期待はより高まったと言えるかもしれない。ちなみに、Moorestownのさらなる情報については「10月のIDF Taipeiで詳しく紹介する」(Chandrasekher氏)という。

Moorestownプラットフォームは2009年。スマートフォンもターゲットとなる