携帯電話ライクなスライド式テンキーを持つシンプルスマートフォン「HT1100」(HTC製)。Windows Mobile 6 Professionalを搭載しながら、Windows Mobileとは全く違う独自のユーザーインタフェースを持つ。その操作は、まるで指で情報を操るような感覚だ。

シンプルなフォルムの「HT1100」(HTC製)

丸みを帯びたフォルム

Windows Mobileを搭載したスマートフォンは、日本ではパーソナルユースでもよくビジネス用途でその威力を発揮する。そのため分厚かったり角ばっていたりと、仕事ができるビジネスマンといったイメージのデザインが多い。

本体下部に収められたスタイラス。指だけでは操作しづらい部分もあるため、このスタイラスは重要だ

ところがHT1100は、卵を思わせる丸みを帯びた優しいフォルムが特徴。しかも、厚さ18.2mm、質量約128gと、スライドタイプのスマートフォンの中では薄型軽量だ。この手に馴染むサイズが、通常の携帯電話に慣れているユーザーにとっては、親しみやすい。ポケットに入れておいても邪魔にならないし、携帯電話のように使える。HT1100を知らない人が見たら、スマートフォンだとは気づかずに、新しい携帯電話と思うだろう。

スタイラスは本体下部にスッキリと収納されており、筐体のデザインを損なわないように配慮されている。USBインタフェースは下面に、SIM(FOMAカード)スロット、microSDカードスロットを左側面に装備している。背面のカバーを外すと、容量1000mAhのリチウムイオン電池が現れる。

スライドを開くとダイヤルキーが現れる。ボタンは必要最低限なものだけ

ボタンは、要最低限しか搭載していない。スライドを閉じた状態だと、フェイス部(筐体前面)のほとんどの部分がディスプレイで占められ、その下に操作キー(中央)とファンクションキー(右・左)があるだけ。各キーともデザインはとてもシンプルで、押しやすさよりは本体との一体感を考えたデザインになっており、ボタンを使用した操作は、そんなに重要ではなさそうな印象だ。右のファンクションキーは、アプリケーション起動時の、クリア・終了のボタンとなるが、全てのアプリケーションでそれができるわけではない。なぜかというと、HT1100は基本的には、画面を指でスライド&タッチすることで操作が完了する仕様だからだ(個人的には右のファンクションキーで全ての機能がクリア/閉じる/終了としてほしいところだ)。

裏側のフタを外すとバッテリーが現れる。左側面にはSIM(FOMAカード)スロットが設置されている

左側面には電源ボタンとカメラボタン、右側面には上下ボタンのみ。スライドを開いても、ダイヤルキーと4つのファンクションキー(Windowsボタン/メールボタン/クリアボタン/インターネットボタン)が現れるだけだ。ボタンはこれだけだが、実は使い勝手がよい。その操作性を実現しているのが、「HTC Touch」で登場しHT1100にも受け継がれているHTC独自のインタフェース「TouchFLO」だ。これにより直感的な操作が可能となっている。