マイクロソフトは、外来語カタカナ用語末尾の長音表記について、従来はJISの記述ルールにしたがって、プリンタやドライバのように長音を付けない表記ルールを採用していたが、今後は国語審議会の報告を基に告示された、1991年6月28日の内閣告示第二号をベースにしたルールに原則準拠するよう方針を変更し、プリンタ-やドライバ-のように、末尾の長音を付けるよう改めることを発表した。

変更される用語の例

従来表記 新表記
アセンブラ アセンブラー
アダプタ アダプター
インストーラ インストーラー
エクスプローラ エクスプローラー
カスタマ カスタマー
スキャナ スキャナー
ドライバ ドライバー
バッファ バッファー
パラメータ パラメーター
フォルダ フォルダー
ブラウザ ブラウザー
プリンタ プリンター

具体的には、英語由来のカタカナ用語において、言語の末尾が-er、-or、-ar などで終わる場合には長音表記を付けることを推奨する。ただし、内閣告示第二号では慣用により音引きを省略する例外も認められいるため、アウトドアやシニアなどは、従来どおり長音を付けない表記を用いる。

慣例により長音なしのまま表記する例

マイクロソフトでは、今回ルールを変更した理由として、

・コンピューターが広範に普及するにつれ、工業系/自然科学系の表記とユーザーの違和感が増大している
・市場のニーズとして、より発音に近い表記が求められている
・ハード/ソフト上の制約が技術進歩とともに解消された
・読み上げソフト等、アクセシビリティ向上においても自然な発音が求められている
・新聞、雑誌やTVですでに原則とされているほか、同業界内の多くのメーカーで採用されている

を挙げている。

マイクロソフト 最高技術責任者 加治佐俊一氏

マイクロソフト 最高技術責任者 加治佐俊一氏によれば、変更される予定の用語は300強にのぼるという。ただ同社では、変更される部分は画面表記、ヘルプ、各種ドキュメントなど、単純にユーザーインタフェース表記上の変更のため、システム互換性、相互運用性に大きな問題が出ることは少ないと見ている。

変更は、マイクロソフト製品の次バージョンから順次実装され、既存製品の変更はなく、Windows UPDATEによる変更も行わないという。同社によれば、直近では8月にリリースされる予定のIE8のBeta2から実装される予定だ。

今後作成されるドキュメントにおいては、一般用語として説明する場合は新しい基準を採用するが、製品の内容に関する記述は、その製品が採用している表記ルールに合わせる。したがって、移行期間においては、同じページ内で表記のゆれが発生する可能性もあるという。

なお、詳細についてはマイクロソフトのサイトにあるスタイルガイドに記載されているので、こちらを参照されたい。