そんなドコモが行っているSuper3Gの試験では、屋内ではゲーム、ハイビジョン映像ストリーミング、双方向のリアルタイムハイビジョン映像のやりとりといったテストを実施。スループットは下りで240Mbps程度まで達成。12画面のHDビデオを同時に送るデモにも成功した。遅延も小さく、リアルタイムの格闘ゲームでも「ほぼストレスがない状況でゲームが楽しめる」(同)という。車両を使った走行試験でも、映像データを欠落なくハンドオーバーができた。

Super3Gの実験で使われたスペック

システム構成

実験での通信速度。画面は234Mbps程度だが、実験では240Mbpsに達した

HD映像12本の転送実験。1画面に4つのHD映像が配信されている。通信速度は200Mbps以上に達している

走行中の映像配信。画面では分かりにくいが途切れることなく映像が配信されている。通信速度は100Mbpsを超えている

Super3Gのハンドオーバーでは、データフォワーディングが使われる

実験は順調のようだが、「W-CDMA(陣営)の中で割れ始めている」(同)のが現状だという。LTE以外に既存のHSPAを拡張したHSPA+/HSPA++といったものまで出始めているということで、「無線技術の真価は、ある程度少ないステップでスペックアップするということ」(同)あり、HSPAを細かく拡張していくことには反対の立場を示したうえで「ドコモは4Gに集中する」(同)という。

今後の通信方式の位置づけ

細かい規格の乱立は「市場や産業に悪影響」と尾上氏

その4Gについては「Super3Gの発展」と尾上氏。すでに国際電気通信連合(ITU)の中で4Gが使う周波数帯が決められており、3GPPでもIMT-Advancedとして検討が開始されている。LTEをベースにした技術であり、仕様要件の一部は議論中だということだが、「要求条件はほぼ合意されている」(同)という。

IMT-Advanced標準化スケジュール

ちょっと細かいがIMT-Advancedの要求条件

すでにドコモではデータ転送速度5Gbpsの高速通信を実現したほか、低消費電力のLSIも試作しており、尾上氏は、今後も積極的に4Gの研究開発を進めていく意向を示した。