─ 最初の話に戻りますが、Gen2、つまりPCIe Base 2.0の後はいきなり3.0が予定されています。しかし例えば1.0は1.0aと1.1というMinor Versionupがありました。2.0に関しても、例えば2.0aとか2.1が出る可能性はないのでしょうか?

Yanes:2.1の可能性はある。基本的には新機能の追加ということはないが、2.0の修正を取り込んで2.1とするかもしれない。が、今の時点では決断はしていない。

─ その場合、変更点は何でしょう?

Yanes:基本的にはECN(ENGINEERING CHANGE NOTICE)を取り込んだものになる。すでにBase 2.0に対するECNはたくさん有る。設計者にとっては、Base Specに加えてECNに全部目を通すよりも、すべてのECNを取り込んだUpdateバージョンを見るほうがシンプルだし親切だ。

例えば1.0の場合、これだけを見て設計を行ったケースは無いはずだ。問題があったからね。だから1.0+ECNというのが最初の使われ方だが、やがて1.0aが出て1.1となった。大多数の設計者は1.1を見ているはずだ。2.1を出すかどうか、は7月あたりに決めることになるだろう。

─ 最後に、昨年のアクセラレータの話を蒸し返させてください。昨年、Root ComplexがCPUの中に入るような事があればまた話は変わる、と仰ってましたが、Intelがまもなくリリースする新しいCPUにはI/O接続用にPCIe 2.0のx16レーンが入る予定です。これをどう思われますか?

Yanes:その話で言えば、例えば3年前にAMDはPCIeをCPUコアに入れようとしていた。

─ そういうプランはあったようです。

Yanes:でも、結局入らなかったね。基本的にはPCIeが入ったからといって、何も変わらないと思う。

─ しかし、これでCPUからRoot ComplexにアクセスするLatencyは大幅に削減されると思いますが?

Yanes:たしかにそれが助けになるアプリケーションもあるだろう。しかし問題はCache Coherencyが無いことだ。つまりCPUコアに入ったとは言え、それは単なるI/O Busに過ぎない。そこを誤解してはいけない。