まずは、QX9650を使っての比較をしてみたい。

Sandra XII


グラフ1がArithmetic、グラフ2がMulti-Mediaである。前回のレポートではJAVA環境が動作せずに結果を省いたが、Maximus Formula上では問題なく動作しているあたりに、どうもIntelマザーボードの不安定さを感じる。ただES品のDX48BT2はともかく、こちらのテストは製品版であるDX38BTを使っているので、製品としてのクオリティに問題ありといわざるを得ない。

それはさておき、ALU/SSEはともかく、.NET環境ではそれなりに性能差があるのはちょっと面白い。もっともArithmeticでは差があるのに、Multi-Mediaでは差が無い、というのも非常に象徴的ではある。

Memory Latency(グラフ3、4)については、DDR2は800MHz CL4(CAS Latencyは800MHzの4cycle分)だから5nsであり、DDR3は1333MHz CL9だから6.75nsといったところか。従って理論的にはDDR2の方が(理論上は)レイテンシが少ないという事になるが、実際はDDR2の方がややレイテンシが大きくなっているのが判る。一つには、FSBが1333MHzなので、DDR3の方が1:1でアクセスできて高速という事が考えられる。もう一つ可能性があるとすれば、DDR3のFly-byの効果というところだが、恐らくは前者であろうと想像される。

ただ、面白いのはCache & Memory Bandwidthの結果(グラフ5)である。グラフ1で.NET関係のArithmetic Benchmarkの結果が大きく異なるのは、このあたりが影響していそうな気がする。ただ、範囲が128KBまでというのはL1 Cacheのみの性能差だろうし、L2以降は殆ど差が無いこと、またグラフ3/4でL1のLatencyは変わらない(Special Registerの操作でL1 Hit/MissのCheckpointを遅らせていたりはしない)様に見受けられるから、この理由は正直謎である。

ついでにCore Efficiencyをグラフ6、7に示す。概ね両者の差は少ない印象だが、それでも微妙にMaximus Formulaのスコアが良いのは、8KB×2とか64KB×8といった、少量のデータ移動時に差がつくからで、これはグラフ5の結果とも符丁する。