すでに利用可能なDRP

多くの人にとって耳慣れないDRPですが、DRPを搭載した製品は、すでに登場しています。例えば、ソニーは2002年12月、同社のネットワークウォークマンに同技術を搭載したと発表しています。またNECも独自開発のDRP(ただし、NECでは「Dynamically Reconfigurable Processor」と呼んでいる)を発表しています。また、筆者が勤めているアイピーフレックスでもDRPを発売しています。つまり、すでにDRPは利用可能な技術なのです。

ここからは、アイピーフレックスの製品を例に、DRPについてもっと詳しく見ていきましょう。アイピーフレックスのDRPには現在、比較的広い分野に向けた「DAPDNA-2」と、画像処理に向けた「DAPDNA-IMX」という2つの製品があります。用途の違いはありますが、どちらもPE(プロセッシングエレメント)をマトリックス状に配置した再構成可能な並列プロセッサ「DNA」(Distributed Network Architecture)と、そのDNAの動的再構成を制御するRISCプロセッサ「DAP」(Digital Application Processor)を1チップ化したものです。

現在、入手可能なDRPの一例 - 「DAPDNA-IMX」(アイピーフレックス製)

PE(Processing Element)は演算器のことです。このPEの繋ぎ方を変えることにより、所望の機能を実現するハードウェア(回路)を構成できるという仕組みになっています。PEの数ですが、DAPDNA-2の場合は376個、DAPDNA-IMXは955個です。そしてDAPDNA-2はDAPとDNAを1個ずつ、DAPDNA-IMXは2個のDAPと1個DNAを搭載しています。