カシオ計算機は、60枚/秒の超高速連写や300fpsの動画撮影など、従来にはない高速性能とデジタル技術を駆使した撮影機能を搭載したデジタルカメラを開発したと発表した。試作第一号機は、8月31日からドイツのベルリンで開催されるコンシューマエレクトロニクス製品の展示会「IFA」にて展示される。

カシオ試作機

カシオ計算機は、1995年にデジタルカメラの先駆けとなったパーソナル向けの液晶デジタルカメラ「QV-10」を発売。2002年には、携帯性や俊敏性に優れたカードサイズの液晶デジタルカメラ「EXILIM」を発売するなど、銀塩カメラではできないデジタルカメラならではの斬新な機能や便利な使い勝手を追求し、常に新しい市場を開拓してきた。

今回開発された試作機は、新たな高速CMOSセンサーと高速処理LSIを組み合わせることで、超高速連写とハイスピード動画撮影を実現した。静止画撮影は、世界最速(2007年8月31日現在、民生用デジタルカメラ)となる60枚/秒の超高速連写を、600万画素のフル画素で実現。さらにシャッターを押す前のシーンから超高速で連写できる機能"パスト連写"によって、決定的な瞬間を逃さず撮影できる。また、VGA相当の動画も300fpsのハイスピード撮影が可能であり、今まで限られた業務用の映像機材でしか撮れなかった超スロー映像も記録できる。

このカシオ試作機が使用している撮像素子は、有効600万画素の1/1.8型CMOSセンサー。レンズには35mm判換算35~420mm相当となる12倍ズームを採用。CMOSシフト方式の手ブレ補正機構も搭載している。そのほか仕様としては、約23万画素2.8型ワイドTFTカラー液晶モニター、約20万画素カラー液晶ビューファインダー、サイズ:127.5(W)×79.5(H)×130.0(D)mm、重さ:約650g(電池・付属品含まず)といった数値が発表されているが、「製品の発売時期、価格、ブランド名、仕様は未定」とのことなので、製品までには変更になる可能性も高い。ただ、「1年以内の製品化を目標にしている」とのことなので、期待して待ちたい。

試作機のフロントビュー。いわゆるハイエンドコンパクト的なデザイン。かなり大きなレンズが使われているようだ。ディンプル処理のグリップも目新しい

ポップアップするストロボを内蔵。モードダイヤル(?)がふたつ装備されるのが興味深い。「60fps」は秒60コマの意味

試作機の背面。右上のダイヤルで連写と通常撮影を切り換えるようだ。液晶ビューファインダーと背面のモニターも切り替え式か?