日本AMDは14日、2007年後半に投入予定のデスクトップ向け次世代プロセッサ・シリーズのブランド名が、「Phenom」シリーズとなることを発表した。なお、Athlon、ならびにSempronブランドはPhenomの登場以降も継続する。

今回の発表に関して、日本AMDは記者向けの説明会を開催している。写真はその説明会での一コマで、Phenomブランドの概要を語った同社マーケティング本部のDesktop/Mobile Product Manager 土居憲太郎氏

Phenomシリーズにより、同社のデスクトップ向けプロセッサ・ブランドのラインナップは一新する。最上位のエンスージアストユーザー向けとしてクアッドコア、オクタコア(2プロセッサ構成)の「AMD Phenom FX」、パフォーマンスユーザー向けとしてクアッドコア、デュアルコアの「AMD Phenom X4」、「AMD Phenom X2」が登場する。

2007年後半に見込まれるデスクトップ向けのブランド・ラインナップ。馴染み深いAthlonだが、ついにPhenomにその役割を譲ることとなる

Phenom FXは「1207+」パッケージを採用し、共有L3キャッシュ、128bitの浮動小数点演算ユニットを搭載。Phenom X4とPhenom X2は「AM2+」パッケージを採用し、Phenom FXと同様に共有L3キャッシュ、128bitの浮動小数点演算ユニットを搭載するとされる。メモリコントローラーはともにDDR2をサポートする。

こちらの特集記事でも紹介しているが、AM2パッケージとAM2+パッケージはやはりコンパチブルとなるようだ。アップグレードパスの確保を歓迎したい

Athlonはブランド名から「64」が削られ、「AMD Athlon X2」となり、Phenomシリーズに続くミドルクラスユーザー向けのデュアルコアプロセッサとして新たに位置づけられる。Sempronはエントリーユーザー向けのシングルコアで、位置づけはこれまで同様。

Phenomだけでなく、「64」が削られたAthlonにも注目。ここにTDP45Wのコアが投入される

Phenomブランドが適用されるのは、同社のデスクトップ向けネイティブ・クアッドコアプロセッサとして存在が明らかにされている「Agena」世代の次世代製品とみられる。このAgenaは、サーバー向けの「Barcelona」と関連して、また、K10やRev.Hといった呼称で度々話題となっていた、同社のデスクトップ向け次世代クアッドコアプロセッサのコードネームだ。

デュアルコアのAthlon 64 X2が発表されたときに続いて、今回も"真の"を謳う"True Quad-Core"の特徴とそのダイ写真。ちなみに、追加されるとみられる拡張命令セット「SSE4A」については「ノーコメント」(同社)だそうだ。Intelは2007年後半に投入予定のPenrynでSSE4を追加すると発表している

気になるのはPhenomという名称の由来だが、同社によれば、これは英語の形容詞「Phenomenal」からきているとのこと。Phenomenalを辞書でひくと「驚くべき」「驚異的な」「目を見張るような」「(自然)現象の」といった訳を見つけることができる。