まとめ
今回の場合、単に動作周波数が上がった「だけ」の製品だから、正直言ってテストする前から結果は予想できていたし、テスト結果は概ね予想通りと言ってよい。最大の驚きは、そういうわけでこれを出荷することにしたというその決断そのものである。X6800とQX6700で、十分既存のAthlon 64 X2/FXに対抗できるというのに、それでもなおQX6800をリリースするというその判断そのものが驚きである。
問題は、このIntelのパラノイアに果たしてユーザーが付き合う必要があるかどうか、というあたりだろう。なにしろ後3カ月もすれば、1333MHz FSBの製品が出てくるし、半年待てばもっと消費電力が少なく、性能が改善され、L2キャッシュも6MB/12MBに増量された製品がリリースされるはずなのだ。
しかもMAX Tcase 54℃というのは想像以上に守るのが難しい。そろそろ液冷を真剣に考えないと難しいレベルに突入している。今回はES品をCPUのみ借用したから、パッケージにどんなクーラーが付くのかは不明だが、MAX Tcase 65℃のQX6700ですら爆音クーラーだったわけで、ちょっと想像するに恐ろしいものがある。加えて言えば、値段だって安くは無い。半年で型遅れになってしまうのが明白な状態で$1199を払えるユーザーは少ないだろう。
これらを理解したうえで、更にIntelのパラノイアぶりを愛する、エンスーなユーザーにのみお勧めできるCPUと言えるだろう。