6ワークロード データアプリケーション編【1】 Sisense
Snowflakeが支えるワークロードには、データを集め、使う準備を整えるためのワークロードであるデータウェアハウス、データエンジニアリング、データレイク、そしてデータから人が手集計するだけでは得られないような洞察を提供するデータサイエンスがあった。しかしいかにデータを貯めようと、いかに高度なデータサイエンスを駆使しようと、それがエンジニアリングやサイエンスに限らない多様なスキルやバックグラウンドを持つビジネスパーソンの実務における意思決定を支援できなければ無意味である。データアプリケーションとはわかりやすいUIや業務アプリケーションとの連携によってこれらの課題を解決する画期的なワークロードである。今回はSnowflakeのプレミアテクノロジーパートナーであり、データによる洞察を単なる知的好奇心に終わらせず、ビジネスと同化させるライフサイクルをいち早く軌道に乗せているSisenseでアカウント・エグゼクティブ 兼 パートナー・マネージャーとして活躍する川村 洋平氏に解説いただこう。
解説者:Sisense Japan株式会社 アカウント・エグゼクティブ/パートナー・マネージャー
川村 洋平氏
Twitter:@yoheinotheyyo
SisenseというBIのベンダーで営業をしている川村と申します。BIやデータに関連する業界で営業をしてきましたが、この記事ではSisenseの得意な領域の「Embed(埋め込み)」と関連性の強い6つのワークロードのうちの「データアプリケーション」について記事を書かせていただきます。
基礎研究 vs 応用研究
データアプリケーションの話と思いきや、いきなり研究者に関する小見出しになっていますが、データアプリケーションと関連があります。ビジネスにも同様なことが言えると思うので大きな括りの話になってしまいますが、研究者が科学的に様々な発見をして人類の発展に貢献してきました。この科学的な発見には研究が欠かせませんが、研究は大きく「基礎研究」と「応用研究」があります。以下はこれら2つの対比をまとめたものです。
身近な例を挙げると、化学物質などの働きを理解する学問を化学とすると、それを応用して人間の健康のために問題解決を導く化学を応用した学問が薬学と言えます。薬で怪我や病など問題を解決しようとして、このような問題のソリューションを提供するからです。
それでは、このコンセプトをデータに置き換えてみたいと思います。ビジネスにおいて、データを活用するツールとして日本で過半数を超える企業で導入された と言われるデータ分析ツールBIツールと、応用された(Applied)分析ツール、つまりデータアプリケーションの違いを考えてみたいと思います。
基礎科学と応用科学の対比と同じく、データ分析ツールとデータアプリケーションでは目的が異なっています。例を挙げるとすると、データ分析ツールはアドホックに分析しデータを理解することが目的と言えます。データアプリケーションや日常業務で使用するアプリケーションに分析機能が埋め込まれたEmbedded BI/Embedded Analyticsは、問題を解決するソリューションへと導くことが目的となっています。文字通り、データへの理解が導く最善な判断を基に、行動を完了するまでが含まれるようなアプリケーションがデータアプリケーションと言えるでしょう。
データアプリケーションはさまざまな角度から、データやデータに関連するビジネスにアプローチができると思いますが、Embedded AnalyticsとPaaSの2つの具体的なアプローチについて触れてみたいと思います。
Embedded Analytics
Embed(埋め込み)と聞くとiframeと連想される方も多いのではないでしょうか?iframeは埋め込みに関して一番使われる技術かと思います。ただし、Embed(埋め込み)という言葉はより広義に使われると思います。特にUIや業務アプリに埋め込むこと、業務フローそのものにデータの役割を組み込んでいく、ふたつのEmbedded Analyticsについて触れたいと思います。
既存のUIに分析を埋め込む
Embedと聞くとパッと頭に思い浮かぶ最初の「埋め込み型」の分析ですね。特にビジネスとしてのサービスでSisenseがOEMとして組み込まれている代表的なものにNasdaq、UiPath、Outreachなどがあります。OEMで分析の機能が組み込まれるケースが多いのは、業務で使われるサービスに分析の機能が組み込まれているケースが多いことが理由に挙げられます。
(利用例:UiPath Insights: Overview)
OEMだけでなく、Salesforceなどの社内業務で活用する製品のUIに埋め込むこともできます。業務アプリの画面と分析の画面、つまり業務の体験と分析の体験が分断されていることが一般的ですが、業務アプリのUIに分析のUIを埋め込むことで業務をしながらデータからのインサイトを得ることができ、より効果的なアクションに繋がります。今後、BIツールとしてだけではなく、分析の体験をビジネスに馴染ませていくことが進んでいくことと思います。
業務フローに分析を組み込む
日々、業務をする方々でダッシュボードを常に開いているという方はどれだけいらっしゃるでしょうか?それに比べて、SlackやTeamsなど常に画面を開いている、もしくは使い続けているツールもあり、こういうアプリは限られているかと思います。この常に開いている限られたアプリでデータを元にアクションすることができるとしたら?以下はデータをもとにアクションが取れるようSisenseとSlackを連携している例です。
マーケティング担当者がダッシュボードを開かなくても、常に開いているコミュニケーションツールで「広告を打った際のROIが低い」と通知され気づきを得て、アクションまで完了できるという例です。この場合は「広告の配信を一旦停止する」「担当者とMTGを設定する」「ダッシュボードをあらためて開く」「アラートを停止する」といったアクションがボタンとして設定されています。
PaaS
PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)でも、データアプリケーションに関連が非常に強いウェブサービスのインテグレーションプラットフォームのiPaaSについて触れていきたいと思います。代表的なiPaaSにはZapier、Integromat、日本のサービスに対応しているAnyflowなどがあります 。これらを活用すると、データを基にトリガーし、ウェブサービスと連携しワークフローを自動化することで、データアプリケーションを手軽に構築していくことができます。
Sisenseの例になってしまいますが、Sisenseでは「Pulse(パルス)」という機能があり、データを基にしきい値と条件を指定してトリガーさせる、自動で標準実装されている異常値検知(Anomally Detection)のアルゴリズムで異常値を検出した際にトリガーする、データが更新された際に必ずトリガーするという設定ができます。
また、以下のように2000以上のウェブサービスやデータベースと連携できるZapierをデフォルトの選択肢に含んでいるため、通知やウェブサービスのタスク実行などのワークフローを自動化するといったデータアプリケーションの構築がコーディングをせずとも簡単に実行できます。
まとめ
多くのユーザーに日常的に高頻度で使用されるデータアプリケーションにとって、データのコンピュテーションのパフォーマンスは非常に重要です。Snowflakeはデータアプリケーションの高いパフォーマンスを担保し支える土台として、またSisenseは幅広く埋め込みに対応しているプラットフォームとしてデータアプリケーションのために共に使用される実績が豊富です。データアプリケーションの多くの事例を見てきている身として、日々業務で使っているアプリケーションにどのように分析体験を埋め込み(Embedし)、ビジネスの成果に結びつけることができるだろうか?と、考える機会となれば幸いです。
※本記事はSnowflake、Sisenseから提供を受けております。(2021年10月時点の情報をもとに作成)
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