Office 365の共有メールボックス

Office 365において、複数のユーザーで同一のメールアドレスを共有する方法の一つが共有メールボックスです。今回は共有メールボックスを紹介します。

前回の連載第26回では、メールアドレスを共有する方法の一つとして配布グループ(メーリングリストのような機能)を紹介しました。配布グループのメールアドレスに着信したメールを、グループメンバー全員に配信します。いわばメールの中継であり、メールアドレスの実体…メールボックスがあるわけではありません。したがって、配布グループのメールアドレスで受信したユーザーは、それぞれの自分のメールアドレスで返信することになり、また、返信したメールは送信者1人のメールボックスの「送信済みアイテム」にだけ保存されることになります。

基本的に、配布グループの他のメンバーが、その送信済みアイテムを見ることはできません。そのため、配布グループを活用するときは、メンバーの情報共有のために、返信時にも宛先またはCCに配布グループメールアドレスを指定することが多くあります。一方、今回紹介する共有メールボックスは、通常のメールアカウント同様に受信トレイや送信済みアイテムといったメールボックスの実体があります。そのメールボックスを、グループメンバー全員で共有します。共有メールボックスから送信したメールは、共有ボックスの送信済みアイテムに保存されます。共有ボックスへのアクセス権を持つユーザーは、送信済みアイテムを閲覧できます。

実態としては、他のユーザーのメールボックスにアクセスするようなものです。ただし、共有メールボックスが通常のOffice 365ユーザーのメールボックスと異なるのは、共有メールボックスにはユーザーアカウントが不要で、したがってパスワードもなく、ライセンスも不要ということです。例えば、ユーザーAとユーザーBが共有メールボックスCに対してアクセス権を持つとき、ユーザーAはユーザーAのパスワードで、ユーザーBはユーザーBのパスワードで共有メールボックスCにアクセスできます。共有メールボックスC専用のパスワードは存在しません。また、通常のメールボックスはユーザーアカウントに紐付けられているため、メールボックスを作成すると言うことはユーザーを作成することであり、ライセンスが必要です。しかし、共有メールボックスはユーザーではないため、ユーザーライセンスを購入せずに作成できます。

共有メールボックスの作成

共有メールボックスの作成手順は、前回紹介した配布グループの作成と似ています。

(1)テナント管理権限を持つユーザーでOffice 365にサインインし、Admin centerページの「グループ」→「共有メールボックス」メニューをクリックします。

「共有メールボックス」メニューをクリック

(2)「共有メールボックス」ページで、「+メールボックスの追加」をクリックします。

「+メールボックスの追加」をクリック

(3)「名前」、「メールアドレス」を入力します。複数のドメイン名が割り当てられているテナントの場合は、ドメイン名も選択します。入力・選択がすんだら、「追加」をクリックします。

「追加」をクリック

(4)メールボックスが作成されたら、「詳細の表示」をクリックします。

「詳細の表示」をクリック

共有メールボックスを使用するメンバーの登録

共有メールボックスへのアクセス権を設定します。

(5)この共有メールボックスにアクセスできるユーザーを設定するために、「メンバー」の「編集」をクリックします。

「編集」をクリック

(6)「+メンバーの追加」をクリックします。

「+メンバーの追加」をクリック

(7)ユーザーのリストからこの共有メールボックスを利用するユーザーのチェックボックスをオンにして、「保存」をクリックします。

「保存」をクリック

(8)「閉じる」をクリックし、メンバーの追加ページを閉じます。

「閉じる」をクリック

(9)「閉じる」をクリックし、メンバーの管理ページを閉じます。

「閉じる」をクリック

送信済みアイテムの設定

Microsoft Outlook(デスクトップアプリケーション)のバージョンによっては、共有メールボックスからメールを送信した場合、送信したユーザーの個人的な送信済みアイテムにメールが保存されてしまうことがあります。送信済みアイテムを確実に共有するための設定を行います。

(10)「送信済みアイテム」の「編集」をクリックします。

「編集」をクリック

(11)2つのスライドスイッチをオンにして、「保存」をクリックします。

「保存」をクリック

(12)「閉じる」をクリックして、送信済みアイテムの設定ページを閉じます。

「閉じる」をクリック

(13)「閉じる」をクリックして、メールボックスの設定ページを閉じます。

「閉じる」をクリック

(14)「共有メールボックス」ページで、作成した共有メールボックスが表示されていることを確認します。「共有メールボックス」ページは閉じてかまいません。

作成した共有メールボックスが表示されていることを確認

共有メールボックスを使う

共有メールボックスのメンバーが共有メールボックスを使うには、まず、メンバーが自分のユーザー名でOffice 365にサインインし、OWA(Outlook)を開きます。

(15)右上の自分のユーザー名をクリックし、「マイアカウント」メニューから「他のメールボックスを開く」をクリックします。

「他のメールボックスを開く」をクリック

(16)「他のメールボックスを開く」ウインドウに、共有メールボックスのメールアドレスを入力します。入力を始めるとメールアドレスの補完機能が働きますので、候補メールアドレスから目的の共有メールボックスをクリックします。

共有メールボックスをクリック

(17)「開く」をクリックします。

「開く」をクリック

(18)共有メールボックスを開きました。自分のメールボックスと同様に、共有メールボックスでメールを送受信できます。

※自分のメールボックスを共有メールボックスは同時に併用できます。Microsoft EdgeやInternet Explorer、Google Chromeなどの現在のWebブラウザであれば、自分のメールボックスのページを残したまま、共有メールボックスを新しいタブで開きます。タブをクリックすることで、自分のメールボックスと共有メールボックスを切り替えることができます。

表示の日本語化

共有メールボックスを初めて開いたとき、一部の表示が英語になってしまうことがあります。その際は、表示を日本語に設定し直してください。

(19)メールボックスの表示の一部が英語表示になってしまった例。

(20)右上の「設定」(歯車)をクリックし、設定メニューの「メール」をクリックします。次に、メールのオプションメニューで「地域タイムゾーン」を開き、言語に「日本語(日本)」を選択して「保存」をクリックしてください。

「保存」をクリック

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