こんにちは。NTT DATA クラウド グローバルイニシアチブです。この記事は、弊チームのエンジニア育成の取り組みであるNTT DATA Open Lab(以下、Open Lab)についてご紹介します。
エンジニアの学習機会
この記事をご覧になっている皆さんと同様に私も普段はシステムエンジニアとして働いています。よくIT業界は技術の進歩が早く、新しい技術をいち早く学んでいくことが重要と言われます。これについて私も同意する一方で、参画するプロジェクトによっては「枯れた」技術であることが求められたり、自身の専門性が確立されると同じような技術領域を任せられたりといった現場のリアルがあると考えています。
こうしたプロジェクトの現実から一歩離れて、新しい技術を実際に動かして試すための機会、環境が必要です。
Open Labとは
以上のようなエンジニアが技術を試す機会を作るための取り組みがOpen Labです。Open LabはGitLabをプラットフォームとして採用しています。まず技術トピック(Tribe)を決めて調査を行い、Wiki上に情報をまとめます。次に、その技術をクラウド上で実際に動かして試せるような環境構成を検討し、基盤自動化コード(Terraform、Ansible)をGitリポジトリ上で開発します。利用者はIssueとして発行された手順に従い、自動化コードを自分たちの環境にデプロイすることで、技術を動かして学ぶことができます。
たとえば 、Chaos EngineeringというTribeではKubernetes上で利用できるChaos Engineeringツールとユースケースの実装を目的としています。Chaos Engineeringツールと一口に言っても汎用的に使えるものから、PodをKillするだけのもの、さらにゲーミフィケーションを取り入れたものまで様々あり、それらのツールを「実験」しながら比較検討を行っています。
Chaos Engineering というコンセプトが発明されてから10年ほど経つので、「新しい」技術と言えるかはわかりませんが、実践的に投入される機会はまだまだ少ないのが現状です。そんな中、南米のお客様とChaos Engineeringを導入したPoCの話が持ち上がり、SpainのチームとOpen Labチームと協働して取り組んでいます。
Open Labを構成する4つのTribe
現在Open Labでは4つのTribeを開発しています。
MultiCloud
KubernetesクラスタをAWS、Azure、GCPといった各種クラウドサービスプロバイダ(CSP)の環境にデプロイすることを目的としています。PrometheusやGrafanaといったモニタリング、可視化ツールも自動構築されます。
GitOps
MultiCloud TribeをベースにArgoCDを利用した「GitOps」を実現します。学習用シナリオではGitリポジトリ上の差分を検出してアプリケーションをデプロイする基本機能、Canary Deployの実践などを学びます。
IoE
RedHat OpenShiftを活用してクラウド上にIoT データを可視化する基盤を構築します。Linux上で動作するIoTデバイスシミュレータも提供しており、IoTデバイスがなくても試すことができます。
Chaos Engineering
前述の通り、様々なツールを比較検討するとともに、汎用的なツールの導入、実践を学びます。
MultiCloudとGitOpsはItaliaチームが、IoEとChaos EngineeringはRomaniaチームが担当しています。それぞれGitLabのIssueベースでの議論を行って開発しており、GitOpsとChaos Engineeringは先行して開発着手したMultiCloudのソースコードを参照するなど、チーム間でのコラボレーションも活発化しています。
以上のグローバルイニシアチブで開発したコンテンツだけでなく、エンジニアが草の根活動的に開発したソースコード、ツールなどを登録できるような、広く開かれたプラットフォームにするべく今後も活動を続けていきます。
参加メンバーの声
参加メンバーの背景は様々で、AWSアーキテクトからJavaエンジニアまで、AWS Ambassadorから入社数ヶ月の新規メンバーまで、それぞれの専門性と役割をもって協働しています。
地域も背景も異なるメンバー間でのプロジェクトは大変なことも多いですが、参加メンバーとの定期ミーティングではポジティブなフィードバックを多くもらいます。一番多い声は当初の想定通り、プロジェクト外でテーマをもって新しい技術に触れ、動かす経験が楽しくもあり、自身の成長につながっているとの声です。
また、各国のチームリーダによると、日本と同様に入社当初からコロナ禍でリモートワークを強いられているメンバーにとっては、プロジェクトの枠にとらわれず技術関心を共有した横のつながりが、組織エンゲージメントの向上に寄与しているという声があります。
NTT DATAでは、Open Labでの取り組みを含め、今後も地域を超えたコラボレーションを行い、エンジニア育成を続けてまいります。興味がある方はぜひこちらの採用情報 ものぞいてみてください。今回ご紹介したように、ゼロから新しい取り組みにチャレンジしたい方も大歓迎です。
[PR]提供:NTTデータ