あらゆる領域でAI駆動を実践し、お客様のAIネイティブな業務とシステムを設計するクラウドエース。現場の社員は、AIという強力な武器をどう使いこなし、自身のキャリアをどう切り拓いているのでしょうか。今回はセキュリティコンサルタントの井上さんと、エンジニアの松山さんにお話を聞きました。
プロフィール
井上 聖奈さん(左)
(クラウドエース株式会社/技術本部 本部付/Sr.Specialist)
2021年入社。セキュリティコンサルタントとして、Google CloudやAIの安全な利活用を支えるポリシー設計や技術支援を担当。
松山 千紘さん(右)
(クラウドエース株式会社/技術本部 第二開発部/Specialist)
2023年入社。データ領域を専門とし、AIを活用した業務効率化システムやデータ基盤の開発を担当。テックリードも務め、技術とお客様対応の両面からプロジェクトを牽引。
AI駆動のリアル
井上さんの場合
AIを「思考のパートナー」にする
セキュリティコンサルタントとして、Google CloudやAIを「安心して使える状態」にするのが私の仕事です。ポリシーを一緒に考えたり、技術的なガードレールを設計したり。まだ見えていないゴールをお客様と探りながら、少しずつ形にしていくイメージですね。
日々の仕事ではCursor や Glean、Geminiなどのツールを使って、会議の記録や案件の前提情報、関連資料をAIに読み込ませています。もちろん、どの情報をどのツールに渡してよいかは、データの機密性や契約上の取り扱いに沿って線引きしたうえで、です。最初から完璧な答えを出そうとするのではなく、AIと一緒にたたき台をつくるところまでを一気に終わらせる感じです。そこから先は、自分の頭で考えながら磨き込んでいきます。
クラウドエースの大きな魅力だと感じるのは、会社全体として「AI駆動でやっていこう」という姿勢がかなり早い段階からあったことですね。AI駆動という言葉が一般的になる前からアプリ開発への適用検証をしていたり、複数のAIツールを全社で比較検証していたり(※)。「まず現場で試してみよう」というカルチャーが、すごく心強かったです。
※クラウドエースではGemini、Glean、Cursor、Claudeなどを含む100種類以上のAIツールを用途別に比較検証し、全社で活用しています。
AI時代だからこそ大切になる「説明責任」
AIと壁打ちをしていると、多角的な視点やアプローチが瞬時に提示されます。非常に優秀なパートナーですよね。でも、当たり前ですが最終的なアウトプットの責任はつねに自分にあります。そこで最も重要なのは「自分の言葉で一から説明できるか」というシンプルな基準です。
一方で、AIの活用によって私たちが下すべきプロとしての判断も増え続けていますが、それを個人のスキルや努力だけで乗り切るのは、現実的ではありません。そこで、私はAIをうまく組み込んでこの課題を解決したいと考えています。
とはいえ、全部をAIに任せるわけにはいきません。「前提に抜けはないか」「論理に飛躍はないか」といった基本的な確認をAIに任せ、人間は「最後の意思決定と説明責任」に専念できる環境を作りたいですね。
松山さんの場合
AIが参照する情報を整え、チームで開発する
私は主に、AIを使った業務効率化システムやデータ基盤の開発を担当しています。特に大事にしているのが「AIが参照する前提情報をどう整えるか」です。
クラウドエースではアクセス権限を管理したリポジトリに案件の情報を集約して、「確定している前提」と「まだ変わりうる前提」をきちんと分けて管理しています。人同士の情報共有だけじゃなくて、AIに正しい文脈を読み込ませるための土台づくり、というイメージですね。
前提が整っていると、設計やドキュメント生成、テスト観点の洗い出しまで、一貫してAIに支援してもらえます。同じ情報とやり方をチーム全員で共有できるので、「経験がある人じゃないと出てこない発想」に頼りすぎず、スピードと品質を両立しやすくなるんです。
私自身も、AI駆動での開発に移行してからは、実装そのものにかかる時間が減った分、「何を作るべきか」「どんな前提で動くべきか」を考え、検証する時間を増やすことができました。お客様の本当のニーズや、本質的な課題をどう聞き出して定義するか。そこが、人間にしかできない一番大事な部分だと感じています。
AI駆動のチーム開発で見えてきた「新しい難しさ」
メリットの多いAI駆動開発ですが、これまでとは違った種類の難しさも見えてきます。例えば AI駆動開発のDNAですね。ここでいうDNAとはつまり、開発するソフトウェアがどうあるべきなのかを表現したドキュメントのことで、このDNAの追記や修正の基準が曖昧だと、複数人で分担したり引き継いだりするのが困難になります。これは、チーム開発につきものの課題ではありますが、AI駆動開発ではDNAの内容がそのままAIのアウトプットの質を左右します。だからこそ、追記や修正のルールを丁寧に決めておく必要があるんです。
レビュー面でも難しさはあります。たとえば、AIに一任させるとフィードバックの内容が表面的になりがちです。なので「この処理は何をしているのか」「どんなデータを扱っているのか」「この結果の前提は何か」みたいな質問を人間側から一つひとつ投げていくと、実装の穴が見えてくるんです。今のところ、その“深掘りの問いかけ”をリードするのはどうしても人間側です。裏を返せば、AIをツールとして最大限に活かすためにも、事象の本質を見抜いて深掘りするエンジニアとしての地力は、より問われていると感じますね。
複数の課題はありますが、それでもAIがあるからこそ挑戦できる範囲は確実に広がりました。データ分析からアプリケーションまで、一人で全部書こうとすると到底追いつかないところを、AIに支えてもらうことで全体の設計とお客様との対話に集中できる。私にとってAIは、「エンジニアの仕事を奪う敵」ではなくて、「上流の課題設定や対話に集中させてくれるパートナー」という感覚です。だからこそ、AI活用を個人技のままで終わらせず、運用ガイドラインやベストプラクティスをテンプレートとして共有していける仕組みを、もっと整えていきたいですね。
AI駆動のキャリア
井上さんの場合
セキュリティから業務変革まで一貫して支援できるプロに
私は新卒でクラウドエースに入社して、最初はセキュリティSREとしてインフラやセキュリティ運用に関わっていました。その中で、「新しい技術を取り入れたいけれど、セキュリティやガバナンスが不安」というお客様の声に、もっと近いところで向き合いたいと思うようになって、いまはセキュリティコンサルタントとして仕事をしています。
勉強会や社内コミュニティでインプットとアウトプットを繰り返していくうちに、少しずつ声をかけていただける場面が増えていって、2026年には Google Cloud Partner Top Engineer に。
受賞したときに、お客様から「井上さんが担当してくれているなら安心です」と言っていただけたのが、一番うれしかったです。肩書きそのものよりも、「この人になら任せて大丈夫だ」と思ってもらえたことが嬉しくて。
これからも、AIの安全な利活用を支えるガバナンスや技術基盤を設計しつつ、その先の業務変革まで一貫して支援できる存在になりたいと思っています。今は国際資格の CISSP の学習も進めていて、「AIがあっても、自分の頭で考えて判断できる人材であり続けること」を大事にしています。
松山さんの場合
モダンな開発環境で、技術と顧客の間に立つ
前職では大手企業の社内エンジニアとして、AIを使ったシステム検証や SFA ツール中心のシステム開発・運用を担当していました。ただ、既存プラットフォームの制約も多くて、「もっとデータやAIを活用した柔軟な開発がしてみたい」という思いが強くなっていったんです。
そんなときにクラウドエースを知って、「モダンな開発環境で、クラウドとAIを軸にキャリアを築けそうだ」と感じて転職を決めました。
入社後はデータ基盤構築からAIを使った業務効率化システムまで、かなり幅広い案件に関わらせてもらいました。今はテックリードとして、技術的な意思決定とお客様とのコミュニケーションを両方担うことも多いです。
印象に残っているのは、先輩コンサルタントの顧客対応を間近で見たときですね。私は仕様に沿って“正しい回答”を返しているつもりだったのですが、その先輩はシステムの設計意図や安全性まで補足して、「お客様がどう判断すればいいか」まで整理して伝えていたんです。 その姿を見て、「技術力だけじゃなくて、お客様の懸念や意思決定のポイントを捉えて対話する力も、これからのエンジニアの価値になるんだ」と強く感じました。今はデータ分析を軸にしつつ、セキュリティなど新しい分野の勉強も進めながら、“技術と顧客の間に立てるフルスタックエンジニア”を目指しています。
おわりに
現場でAIをどう活用し、どんな壁にぶつかっているのか。井上さんと松山さんの2人が語ってくれたのが、クラウドエースにおけるセキュリティコンサルタントとエンジニアのAI駆動のリアルです。まだ正解がないAI時代だからこそ、私たちはこれからも最前線での取り組みを共有しつつ、新しい働き方やキャリアの形を探求し続けていきます。
関連リンク
※本記事はクラウドエースが作成したものであり、同社の許諾を得て掲載しています。
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