多くの企業で、テレワークが積極的に取り入れられるようになってきた。それに伴い、自宅で利用するために購入するパソコンや各種周辺機器にも、仕事で使いやすいかどうかを意識する必要が出てきた。そこで今回から3回に分けて、こうしたテレワークを快適に行うためのIT機器の選び方を解説していこう。第一回目は、テレワークで利用するIT機器の中でも中核をなすパソコンの選び方だ。

  • デル・テクノロジーズの「Latitude 7430」。オフィスや自宅でのテレワークを快適に行えるモバイルノートパソコンだ

    デル・テクノロジーズの「Latitude 7430」。オフィスや自宅でのテレワークを快適に行えるモバイルノートパソコンだ

置き場所を選ばないノートパソコンがオススメ

パソコンには、大きく分けて二つのタイプがある。一つは画面表示を行う液晶ディスプレイと組み合わせて利用する「デスクトップパソコン」、もう一つは液晶ディスプレイと一体化したコンパクトな「ノートパソコン」だ。

パソコンを設置するためだけのスペースを確保できるなら、大型液晶ディスプレイと組み合わせて広いデスクトップが利用できるデスクトップパソコンにもメリットは大きい。ただ自宅でのテレワーク用として購入するなら、1台で完結して置き場所を選ばないノートパソコンのほうがよいだろう。

パソコンを設置した自室だけではなく、リビングなど自由に移動して作業を継続できるし、持ち歩いてカフェやホテルなどで仕事を継続することもできる。ノートパソコンでも、大型液晶ディスプレイを接続して広いデスクトップを利用することは可能であり、PCゲームもプレイしたいなどと言った目的がない限りは、ノートパソコンのほうがオススメだ。

  • 写真は「OptiPlex 3000 スモール フォーム ファクター」。机の上に置いて利用するスリムなデスクトップパソコンで、液晶ディスプレイと組み合わせて利用する

    写真は「OptiPlex 3000 スモール フォーム ファクター」。机の上に置いて利用するスリムなデスクトップパソコンで、液晶ディスプレイと組み合わせて利用する

ただ一言にノートパソコンと言っても、さまざまなスタイルやスペックのモデルが存在する。まずサイズや重さについては、自宅でしか利用しないのであれば15型の大きめな液晶ディスプレイを搭載しているスタンダードなA5判ノートパソコンがオススメだ。デル・テクノロジーズのLatitudeシリーズでは、型番の2番目に「5」と入っているモデルがそれにあたる。

  • 15型液晶を搭載する「Latitude 5530」

    15型液晶を搭載する「Latitude 5530」

15型ならアプリのウィンドウを2枚重ねて、切り換えながら作業を継続するのも問題はないだろう。また15型液晶を搭載するノートパソコンは、テンキーを搭載することが多い。業務でExcelを利用する機会が多いユーザーなら、数字を電卓のような感覚で入力できるテンキーがあったほうが便利だと感じる場面も多いだろう。

その代わり重さは1.5kg~1.7kg、あるいはそれ以上というモデルが多くなる。サイズ感的にもビジネス用のバッグには収納しにくいサイズになるため、自宅の外に持ち出す機会はまずない、という状況で選択したいサイズのノートパソコンだ。

逆に自宅以外で仕事をする機会が多い、あるいは会社と自宅の間で同じパソコンを持ち歩いて利用したいなら、13~14型で重さが1~1.3kg前後の軽量なB5判モバイルノートパソコンを選択したい。持ち運びが前提の場合、普段使っているバッグに入るか入らないかや重さは、非常に重要になる。

デル・テクノロジーズのLatitudeシリーズでは、型番の2番目に「3」と入っているモデルが13型液晶、「4」と入っているモデルが14型液晶を搭載する。重さも1.2~1.3kgと比較的軽量で、持ち歩きもしやすい。4月に発表されたばかりの「Latitude 7330 Ultralight」は、13型液晶を搭載しながらも1kgを切るという軽量性が大きな魅力だ。

  • 13型液晶を搭載し、重量が1kgを切るモバイルノートパソコン「Latitude 7330 Ultralight」

    13型液晶を搭載し、重量が1kgを切るモバイルノートパソコン「Latitude 7330 Ultralight」

インテル® Core™ i3/i5 プロセッサー搭載モデルなら安心

液晶ディスプレイのサイズや重さと同様、パソコンの使い勝手を左右するのは搭載する「CPU」のスペックやグレードだ。Latitudeシリーズでは、Intelのインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーが搭載されている。

そしてIntelでは、性能の高い順に「インテル® Core™ i9 プロセッサー」、「インテル® Core™ i7 プロセッサー」、「インテル® Core™ i5 プロセッサー」、「インテル® Core™ i3 プロセッサー」というグレードを設定している。

ノートPC向けのCPUでは、こうしたグレードのほかにもどういった位置付けのモデルなのか、ということを決めるカテゴリーも設定されている。ただ現状のLatitudeシリーズに搭載されているのは、モバイルノートパソコン向けで型番の最後に「U」と付く一般的なノートパソコン向けモデルだ。そのため、先ほどの四つのグレードを意識すれば問題はない。

テレワークでは、日常的に行う書類作成や情報収集と言った軽作業のほかにも、ビデオ会議や大容量ファイルのやり取りなどを行う。これらの作業は、それほど負荷の高いものではない。先ほどのグレードで言えばインテル® Core™ i3 プロセッサーやインテル® Core™ i5 プロセッサーを搭載しているノートパソコンなら、問題なくこなせるだろう。

  • Intelでは、それぞれのグレードのCPUについて細かく解説を行っている

    Intelでは、それぞれのグレードのCPUについて細かく解説を行っている

とくに最新モデルでは、第12世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーを採用している。従来の「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」もかなり強力なCPUだったが、さらにそれを上回る性能と、長時間のバッテリ駆動時間を実現しており、買い換えを考えるならぴったりのタイミングだ。

ノートパソコンの基本スペックではこのほかにも、内蔵メモリとストレージの容量を確認しておきたい。

内蔵メモリは、作業で利用する机を想像するとよい。机が狭い(内蔵メモリが少ない)環境では、よく使う道具や書類を机の上に置いたままにはできず、いちいち引き出しから取り出したり、閉まったりする必要がある。

しかし机が広い(内蔵メモリが多い)環境では、そうした道具や書類を机の上に広げたままにしておけるため、作業をスピーディに進められる。ビジネスで利用するパソコンの場合は、8GBから16GBを搭載するモデルがオススメだ。これ以上の容量を搭載するノートパソコンもあるがこれはクリエイター向けで、一般的なビジネスユーザーにはオーバースペックだ。

ストレージは、簡単に言えば整理用の棚や机の引き出しのようなものだ。少な過ぎれば書類や道具を全部しまうことができないので、適正な容量のストレージを搭載している必要がある。ビジネスで作成する書類やその際に必要な資料をノートパソコン上に保存するなら、おおむね250~256GBを搭載しているモデルが望ましい。

  • デル・テクノロジーズのLatitudeシリーズでは、BTOメニューでノートパソコンが搭載するメモリやストレージを変更できる

    デル・テクノロジーズのLatitudeシリーズでは、BTOメニューでノートパソコンが搭載するメモリやストレージを変更できる

最近のPowerPointで作成された資料や画像データは容量が大きいものが多いため、欲を言えば500~512GBを搭載するモデルのほうが安心して利用できる。

ただし500~512GBのストレージを搭載するノートパソコンは結構高いこと、そしてストレージの容量はUSBポートに接続して利用する外付けHDDやSSDでも補えるので、そこは自分の予算感や、調達部門の責任者と相談して決めよう。

即納モデルなら数日で手元に届く

デル・テクノロジーズはBTOメニューに対応しており、今回紹介したようなビジネスユーザー向けのスペックでまとめたパソコンを購入しやすい。ただしBTOメニューを利用する場合、納期をある程度見積もっておく必要がある。「事業部を作るのですぐにノートパソコンが欲しい」という場合には、こうしたBTOメニューを利用した購入は向かない。

  • Latitudeシリーズでは、さまざまな液晶サイズやスペックの即納モデルを用意している

    Latitudeシリーズでは、さまざまな液晶サイズやスペックの即納モデルを用意している

しかしデル・テクノロジーズではBTOメニューを利用するパソコンのほかに、あらかじめよく選択されることが多いスペックで製造済みの「即納モデル」を用意しており、発注から数日で手元に届く。とくにLatitudeシリーズでは、今回紹介したビジネスユーザー向けのスペックで製造された即納パソコンを多数用意しているので、こうした即納モデルを利用するのもオススメだ。

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原稿 竹内亮介

監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
   広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也

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