マイクロソフトの「Windows」は、ユーザーがPCを利用する上で必要になる基本的なOS(Operating System)だ。これがインストールされていないPCでは、ビジネス文書の作成で利用するマイクロソフトの「Office」や、ビデオ会議で利用する「Zoom」、「Microsoft Teams」などといった「Windows上で動作するアプリ」を利用できない。
こうした非常に重要な役割をになうWindowsだが、マイクロソフトではそれぞれのバージョンごとに「サポート期間」を設けている。2014年にこのサポート期間が終了した「Windows XP」、同じく2020年に終了した「Windows 7」の話をニュースで聞いたことはあるだろう。
ここでは、そうしたサポート期間が終了したWindowsを利用し続けることの危険性と、直近に迫る「Windows 8/8.1」のサポートのサポート期限、そしてWindows 10に関するマイクロソフトのサポートについて解説していこう。
自社や顧客の情報漏洩につながる可能性も
サポート期間とは、マイクロソフトが設定した「利用可能期間」と考えるとよいだろう。このサポート期間の間は、機能の改善や同梱されるアプリのアップデートのほか、新たに発見されたセキュリティリスクに対応するパッチなどが提供され、Windowsを安心して利用できる。
マイクロソフトはWindowsをアップデートするタイミングで、その時々の最新ハードウェアやソフトウェア、ネットワーク環境に対して最適化を行い、使いやすいように設計してきた。サポート期間が切れるタイミングともなると、Windows自体の設計が最新の環境にマッチしなくなってくるため、快適に操作できなくなる。
さらに深刻なのは、セキュリティに関する対応の終了である。ネットワーク犯罪は日々高度化しており、対応する側もいたちごっこになっている。こんな状況でサポート期間が切れ、セキュリティのアップデートが行われない状態のWindowsを利用するのは、ドアを開けっぱなしで寝るようなものだ。どんな事故が起きても不思議ではない。
とくにビジネスで利用するPCには、社内の重要な情報だけではなく、顧客の個人情報も保存されているはずだ。こうした情報が漏洩してしまえば、自社に損害が発生するだけではなく、顧客からも甚大な損害賠償を請求される可能性がある。そしてこうしたトラブルで失った信頼を取り戻すことは、困難を極める。
だからこそ、Windowsのサポート期間をしっかりと把握しておくことが重要になる。そしてサポート期間が終了する前に、最新のWindows 10をインストールしたPCにきちんとリプレースしていきたい。
マイクロソフトでは、自社製品に関するこうしたサポート期間について、「ライフサイクルポリシー」という規定を定めている。発売から約5年間は機能強化や追加なども含むアップデートを提供する「メインストリーム期間」とし、その後の約5年間は主にセキュリティに関するサポートを提供する「延長サポート期間」としている。
後者の延長サポート期間が終了すると、上記で紹介したような「サポート期間切れ」の状態となり、安全にPCを利用できなくなる。2014年にはWindows XPのサポート期間終了に伴い、大規模なPCのリプレース需要が発生した。2020年にはWindows 7でも同じくサポート期間が終了し、同じような状況になっている。
次のサポート終了はWindows 8.1、Officeにも利用期限
Windows 7の次に発売されたのは「Windows 8」だが、「Windows 8.1」に無償でアップデートが行われたため、サポート期間はWindows 8.1に引き継がれた。Windows 8.1は2018年にメインストリームサポートが終了しており、今から2年後の2023年1月には延長サポートも終了する。社内のPCにインストールされているOSがWindows 8.1なら、なるべく早めにリプレースを検討すべきだろう。
デル・テクノロジーズでは、2021年1月にLatitude 7000シリーズやLatitude 5000シリーズの新モデルを発表。こうした最新モデルへのリプレースを行えば、作業効率や安全性は大きく向上する。また「第10世代 インテル® Core™ i5-10210U」を搭載した「Latitude 3410」など、6万円台から購入できるノートPCもあるため、入れ替えを考えているなら是非検討してみて欲しい。
また、こうしたサポート期間が設定されているのは、Windowsだけではない。ビジネス文書作成用アプリの「Office」にも、このサポート期間が設定されている。直近では2020年10月に「Office 2010」シリーズの延長サポートが終了している。ライフサイクルポリシーによれば、「Office 2013」はWindows 8.1と同じように2023年にサポートが終了する。
Officeは、ビジネスの現場ではWindowsと同じようにデファクトスタンダードとして利用されている。Officeを構成するWordやExcel、PowerPointは、ネットワーク犯罪者たちからは格好の的となっており、セキュリティに関するアップデートが行われない状態で利用するのは危険過ぎる。
新しいPCにリプレースするタイミングで、Officeも適宜最新版に切り換えていくべきだろう。また常に最新版のOfficeを利用できる「Microsoft 365」というサブスクリプションサービスも提供しているので、こちらへの乗り換えも検討したい。
Windows 10のサポートポリシーも重要
マイクロソフトの現行のOSは「Windows 10」だが、これは発売時に「Windows XPやWindows 7などのようなサポート期間の終了がない」ということをアピールポイントにしていた。実際、「Windows 10という枠組み」のなかでは、今までのバージョンのようなサポート期間は設定されておらず、ずっと安全に使っていけると考えて間違いはない。
ただし、「すべてのWindows 10で」こうした原則が適用されるわけではない。最初の話と違うじゃないか、という疑問を持つ人もいるかもしれないが、これにはWindows 10ならではの事情がある。
以前のWindowsでは、数年ごとに大掛かりなアップデートを行ってユーザーインターフェースや機能の強化を行ってきた。ただ、こうした開発ペースでは進歩や変化の早いIT業界に対応し切れない。これを踏まえてWindows 10では、約半年ごとに大規模なアップデートを行い、機能のブラッシュアップやセキュリティ対策を行う方針が導入された。
実際、2015年に初めて発売されたときのWindows 10と、2021年1月の時点で利用できる最新のWindows 10(バージョン名は「October 2020 Update」)では、スタートメニューの見た目やユーザーインターフェースが異なる。またさまざまな機能が追加されるとともに、使われなかった機能についての見直しも進んでいる。
こうした事情もありWindows 10では、発売後に行われたそれぞれのアップデートごとにサポート期間を設けている。古いバージョンを順次サポート対象外とすることで、ユーザーに対してより新しいバージョンへのアップデートを促すことも目的となっている。
つまり「古いWindows 10はサポートが順次終了していく」が、「新しいバージョンにアップデートすれば引き続きサポートが受けられる」ということだ。Windows 10を最新版にアップデートする場合、特別な設定や認証作業は必要ない。Windows Updateから無償でダウンロードでき、インストールも自動で行う。
ただしこうした大規模なアップデートを行った場合、ごくまれに利用していたアプリの一部が利用できなくなることもある。とくにビジネスで利用しているPCで、企業向けのシステムを利用できなくなるのは、問題が大きい。自分の判断だけで勝手にアップデートは行わず、PCの導入や管理を行っている部署からの判断を待とう。
原稿/撮影 竹内亮介
監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也
第10世代インテル® Core™ vPro® プロセッサーを搭載した
最新のインテル® vPro® プラットフォームで IT 強化と作業効率化を
インテル® vPro® プラットフォームに第10世代インテル® Core™ vPro® プロセッサーを搭載し、妥協のない生産性とハードウェア・ベースのセキュリティー機能、処理能力の革新に繋がる基盤を提供します。
Intel、インテル、Intelロゴ、Ultrabook、Celeron、Celeron Inside、Core Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Intel Inside、Intel Insideロゴ、Intel vPro、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Intel Optaneは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるIntel Corporationまたはその子会社の商標です。
[PR]提供:デル・テクノロジーズ