今、グローバル企業に求められているのが「ESG」を意識した経営。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)のことで、一言でいえば“社会をより良くしていく行動”のことです。
このESGに早くから取り組んできたのが、デル・テクノロジーズ。同社はサステナビリティの推進やダイバーシティ&インクルージョン、ガバナンスに注力するだけでなく、IT業界をリードする立場として「デジタルインクルージョン」、すなわちデジタルの公平性の推進にも取り組んでいます。
その一環として同社が参画するのが『NPTechイニシアティブ』。NPO職員のITスキル向上支援を目的に日本NPOセンターが主宰する活動です。
なぜ同社は『NPTechイニシアティブ』に参画するのか。同活動を通じてどのような社会の実現を目指しているのか。デル・テクノロジーズ 常務執行役員 日下幸徳さんと日本NPOセンター事務局次長 上田英司さんにお話を伺いました。
デル・テクノロジーズがグローバルで展開している社会貢献活動
――デル・テクノロジーズのESGに関する取り組みについて教えてください。
日下さん:ESGへの取り組みはグローバル企業のビジネス戦略において必須事項となっています。弊社としても創業者が早くからESGへの参加を明言しており、自社はもちろんお客様のESG目標達成についても支援していく方針を打ち出しています。
デル・テクノロジーズとして取り組んでいるのは大きく4つ。サステナビリティの推進、ダイバーシティ&インクルージョン、デジタルインクルージョン、ガバナンスです。さらに、それぞれの中に達成目標の項目を設けて、実現に向け取り組んでいます。
――デル・テクノロジーズの特徴的な取り組みを教えてください。
日下さん:具体的に達成時期と数値の目標を定めていることです。たとえばサステナビリティの推進であれば、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減することを目標としていますし、ダイバーシティ&インクルージョンであれば2030年までに世界中の社員の50%、および世界中の管理職の40%を女性と自認される方にすることを目標にしています。
日下さん:また、弊社は毎年ESGレポートという形で「今どれくらい達成できているのか」をお客様にお伝えしています。
――なぜいま、企業のESGへの取り組みが重要度を増しているのでしょうか?
日下さん:ビジネスを行ううえで、企業が人道的な取り組みや社会解決型の取り組みを行うことが必須になってきているからです。世界ではすでにさまざまな規制やルール作りが進行していて、商品やコスト面だけではなく、こういった取り組みをしているかどうかも聞かれるようになっています。日本では、環境に配慮する部品や製品を優先的に選択・購入するグリーン調達が進み始めていますね。
――ESGの取り組みの一環としてデル・テクノロジーズが参画している『NPTechイニシアティブ』について教えてください。
日下さん:『NPTechイニシアティブ』というNPOのデジタル支援を目的としたプログラムを2023年からスタートしました。日本NPOセンター様が主宰しており、NTTデータグループ様やインテル様、TIS様、伊藤忠テクノソリューションズ様といった企業が参画しています。
『NPTechイニシアティブ』は2023年にNPO職員のITスキル向上を支援する取り組みとしてプロジェクトが始動。参画企業がNPO職員に向けてITリテラシーやデータ保存、セキュリティなどの入門レベルのセミナーなどを開催している。NTTデータグループ、デル・テクノロジーズ、インテル、TISの参画によりスタートし、2024年からは伊藤忠テクノソリューションズも加わった。また、独立行政法人の国立女性教育会館は、職員のIT知識に差を感じ、今後必要となるデジタルスキルやリテラシーを学ぶ機会として2024年から参加している。 左から、
インテル 執行役員 パートナー事業本部 本部長 高橋大造氏
TIS 企画本部 企画部 コーポレートサステナビリティ推進室 室長 守安紀子氏
国立女性教育会館 理事長 萩原なつ子氏
伊藤忠テクノソリューションズ サステナビリティ推進部 部長 渡邊香織氏
日本NPOセンター 事務局次長 上田英司氏
NTTデータグループ 執行役員 コーポレート統括本部サステナビリティ経営推進部長 池田佳子氏
デル・テクノロジーズ 常務執行役員 インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部長 日下幸徳氏
――このような取り組みに参画しようと思ったきっかけを具体的に教えてください。
日下さん:『NPTechイニシアティブ』は弊社にとってESG項目のひとつである「デジタルインクルージョン」の一環に当てはまっています。デジタルインクルージョンとは、情報格差を解消し、誰もがデジタルテクノロジーにアクセスできる社会を目指す活動のこと。デル・テクノロジーズでは2030年までにデジタルインクルージョンを通じて10億人の生活を向上させることを目指しています。また、2030年までに社員の75%が地域社会で奉仕活動やボランティア活動に参加することを目標に掲げています。こうした目標を実現する活動のひとつとして『NPTechイニシアティブ』に参画しました。
――ITスキルに課題を抱えるNPOは多いのでしょうか。
日下さん:そうですね。NPOはさまざまな課題に取り組んでいますが、そのための人的リソースが不足しているところがほとんどです。そこでITによるサポートが必要になるわけですが、NPO職員のITスキルは組織によってどうしても差が出てしまうんです。高いレベルでITを活用されている職員の方がいらっしゃる一方で、IT活用が苦手な職員の方もいらっしゃいます。IT活用はかなり属人的になりがちですからね。
デル・テクノロジーズならではのサポートプログラム「1Day留学」
――そんなNPOのITスキル向上のために、デル・テクノロジーズとしてどのような活動をされているのでしょうか。
日下さん:まず、全国のNPOの方を対象にしたオンラインのセミナーです。こちらは年に5回開催し、PCやセキュリティなどITに関するさまざまな内容を学んでいただきます。
さらに、「1Day留学」と銘打って、デル・テクノロジーズが年に一度開催する大型イベント「Dell Technologies Forum(以下、DTF)」にNPOの方を招待しています。まずはオリエンテーションでその日何を体験できるのかをご説明し、実際に会場をまわりながら一つひとつ解説を行います。
DTFで行われた「1Day留学」の様子
日下さん:オンラインセミナーで学ぶだけでなく、実際にDTF会場の展示をご覧いただいたり、リアルセミナーに参加いただいたりすることで、テクノロジーを肌で感じていただく機会を設けています。
- AIの活用について、非常に遠い話だと思っていたけれど、自分たちの業務に大きく活用ができるチャンスがあることがわかった。
- セミナーの話のなかで、AIを活用することで、人間はより創造的な仕事に時間を使うことができるという言葉が印象に残った。
- デジタルについての知識やスキルが十分ではなく、参加について不安があったが、デル・テクノロジーズの社員の方が非常にわかりやすく説明をしてくれ、デジタルへの理解が一歩二歩進んだ。
デジタルスキル向上で、活動強化を目指す ─ NPOがデル・テクノロジーズに期待すること
デル・テクノロジーズのオンラインセミナーや「1Day留学」といった取り組みについて、『NPTechイニシアティブ』を主宰する日本NPOセンターはどう感じているのか、日本NPOセンター 事務局次長 上田英司さんにお話を伺いました。――NPOのIT活用の現状について教えてください。
上田さん:日本のNPOもデジタル技術の活用は進んでいます。日本のNPOの54%がオンラインサービスの提供を増やしていますし、57%が日常業務でテクノロジー利用を増やしている調査結果が出ています。
一方で、ハードウェアの不足という課題も抱えています。スタッフ用に十分な数のコンピュータを備えている団体は59%にすぎず、アジアの平均(69%)よりも低い数値です。
オンラインサービスの提供や業務での利用を増やしてはいますが、デジタル技術の次の段階に進むのにも苦労しています。99%のNPOはソフトウェアベンダーが提供している基本的なツールを使用できていますが、さらに高度なソフトウェアの使用となると、この数値は37%まで下がるのです。
サイバーセキュリティについても課題があり、75%のNPOが自団体でのセキュリティ計画を策定できていません。セキュリティに関する優先順位を上げる必要があると感じています。
――デル・テクノロジーズや『NPTechイニシアティブ』参画企業に期待していることを教えてください。
上田さん:NPOの社会課題解決力の飛躍的向上につながるデジタル技術のノウハウを今後ももたらしてほしいと思います。NPOはデジタル人材が不足しています。デジタルを核とした業務の再設計など、NPOの事業戦略づくりや組織づくりに活かせる技術をご提供いただき、学んでいきたいですね。
――『NPTechイニシアティブ』を通しての目標を教えてください。
上田さん:一朝一夕にNPOのIT環境が発展・進化し、組織基盤が急激に向上するのは難しいと思っています。「NPOのITに関する知識が不十分」「セキュリティを含むIT基盤が整っていない」「IT利活用のためのノウハウを知らない」といった課題をまずは着実にクリアしていって、NPOの基盤強化、そして社会課題解決に向けて一歩一歩前へ進んでいきたいです。
DXはNPOの活動にプラスになることはもちろん、よりよい暮らしや社会の実現、社会課題の解決に向けた大きなアシストとなることを確信しています。
パートナーとともにESGに取り組むデル・テクノロジーズ
――今後の『NPTechイニシアティブ』における展望を教えてください。
日下さん:『NPTechイニシアティブ』に限った話ではないですが、ESGの取り組みは“仲間”を増やすことが大事だと思っています。それは、1社でできることは限られるからです。日本においても、この企業価値創造を推進している企業や団体は増えていますが、まだこれからという企業も多いと思います。グローバルでは取り組みが進んでおり、世界市場を見ても、取り組んでいる企業といない企業の差はますますはっきりしてくると考えています。日本でもぜひ多くの企業に関心を持っていただきたいですね。
当社は“エッセンシャルインフラストラクチャーカンパニー”を掲げています。インフラ、つまり町でいえば水道管のような基礎の部分を担っているわけです。だからこそ、ESGについても、活動されている、あるいは活動したいと考えている企業をつなげて、全員で取り組んでいきたいと考えています。少しでも興味を持たれた方は、ぜひデル・テクノロジーズまでお気軽にお声がけください。
社会課題の解決に欠かせないNPO。そんなNPOにおけるITスキルの向上を目的に誕生した『NPTechイニシアティブ』は、2年目にして着実な成果を上げています。上田さんが語ったように、NPOが抱えるIT課題はすぐに改善できるものではなく時間をかけて少しずつ向上を目指すもの。そのために必要なのが、デル・テクノロジーズのようにグローバルでESGを推進する企業の力です。
『NPTechイニシアティブ』の活動は同社の理念とも一致するものであり、だからこそデル・テクノロジーズは「1Day留学」など同社にしかできない取り組みでNPOをサポートしていることがわかります。
こうした取り組みは、1社だけではなく “仲間”を増やすことが大事。同社の理念に共感したという人は、まずはデル・テクノロジーズに気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
[PR]提供:デル・テクノロジーズ