コーディングAIの導入で、開発生産性は向上しています。
しかし、その裏側で「AI疲れ」「活用度が見えない」「品質が不安」といった、新たな“悩み”が生まれていないでしょうか? AI時代の開発組織が抱える悩みについて、ファインディで数々の組織支援を手掛ける“あーやさん”が答えます。

〈お悩みメンター紹介〉

(写真)ガッツポーズしてるあーやさん

あーやさん(ファインディ株式会社 中村綾香氏)
Findy Team+事業部の副事業部長。
ITアウトソーシング、SaaSスタートアップのカスタマーサクセスを経て現職。ビジネスと開発の“橋渡し”をしながら、データに基づいた開発組織支援を提供するプロフェッショナル。エンジニアの“ギブの精神”が大好き。

〈お悩み相談人物〉


(イラスト)ツカレタさん笑顔

ツカレタさん
エンジニアチームを技術面でまとめているテックリード。
AIの登場で近頃エンジニアの役割について考えることが多くなっている。

(イラスト)笑顔のミエナイさん

ミエナイさん
セールス ダイレクター
エンジニア出身で現在は技術部門のマネジメント責任者(VPoE)。
立場上、経営視点でのお悩みごとがある様子。

(イラスト)笑顔のヒンシツさん

ヒンシツさん
エンジニアチームをまとめるエンジニアマネージャー(EM)。
メンバーと管理職の両方の立場で悩みを抱えている。

あーやさん:本日はお集まりいただき、ありがとうございます! ファインディの「あーや」です。

ミエナイさんヒンシツさん:よろしくお願いします!


ツカレタさん:お手柔らかにお願いします。正直、愚痴を聞かせてしまうと思うのですが……(苦笑)

あーやさん:とんでもない! 私、長年カスタマーサクセスをして気付いたのですが、たくさんの“モヤモヤ”こそが、"伸びしろ"なんですよ。AIという大きな波が来て、皆さんも戸惑いや、「面白い! 」という気持ちが入り混じっているかと思います。今、どんなことに悩んでいるのか、ぜひ率直に教えてください。

「AIの面倒を見るのも仕事ですか? 」現場リーダーのリアルな嘆き

あーやさん:では早速ですが、現場でエンジニアチームを技術面でまとめているツカレタさん。最近の調子はいかがですか?

ツカレタさん:ようやく、うちのチームもAIツールを本格導入しまして、確かにコードが生成されるスピードは上がりました。新しい機能や修正をどれくらいの頻度でユーザーに届けているかを示すデプロイ頻度も、体感で2~3倍くらいにはなっている気がします。

あーやさん:おおっ、それは素晴らしい成果ですね!

ツカレタさん:ただその分、メンバーがAIに書かせたコードのレビューが、ほとんど僕のところに回ってくるんです。AIが書いたコードって、一見よさそうに見えて、微妙にズレていたり、冗長だったりするんですよ。だから余計に大変というか……。それから、昔は自分が手を動かして「これだ! 」というコードを書くのが楽しかったのに、最近はその楽しい時間もなくなってしまって……。

ミエナイさん:あー、それ、すごく分かります。うちのチームの若手からも「コードを書くよりレビューしている時間の方が長い」なんて声があったり。

ツカレタさん:ですよね! あとは、プロンプトエンジニアリングも、指示出しの上手い・下手が大事みたいで、なんだかAIの面倒を見てるようで、気疲れします。

あーやさん:なるほど、ツカレタさん、ありがとうございます。エンジニアの役割が、"手を動かすプレイヤー"から"AIをマネジメントするリーダー"に変わりつつあるということは、今、多くの現場で起きていることだと思います。
今までとは違う役割を求められれば、そりゃ疲れますよ! でも、「作業」としてのレビューは辛いですが、さらにその先、「“顧客価値”を最速で実現するリーダー」という視点に立てば、別の楽しみが見えてくるかもしれません。この「エンジニアの役割転換」という課題については、次回でじっくりお話ししましょう。

「AIってほんとに役立ってるの?」経営層を悩ませる“見えにくい活用”

あーやさん:続いて、VPoE(技術部門のマネジメント責任者)というお立場のミエナイさんはいかがでしょう? 経営視点だとまた違ったプレッシャーがあるかと思います。

ミエナイさん:そうですね。「AI活用はどうなってる?」「AI導入の効果をROI(投資対効果)で示せ」と毎日詰められています(苦笑)。AIツールのコストも、今はお試し価格でしょうから、この先どんどん上がっていくと考えています。その事も踏まえて、数字で判断していかなきゃいけないですよね。

あーやさん:そうですね。ROIを数字で示すプレッシャー、現場では本当に大きいですよね。

ミエナイさん:どれくらいAIのおかげなのか、どこまでを目指せるのか、もう少しはっきりさせたいんです。さらに、活用についても「現場で誰がAIをどう使っているか」見えにくいことが問題だと考えています。 ツカレタさんのチームのようにAIをどんどん活用している人がいる一方、たぶん、ぜんぜん使っていない人もいるはずなんです。

ツカレタさん:あー、確かに、現場では活用度の差が激しいですね。ナレッジのシェアなんて、とても追いついていないです。

ミエナイさん:だから、他社さんはどうやってるのかを聞きたくて、この場に来ました(笑)。どの業務にどのAIがフィットするのか、どれくらい活用されているのか。「活用状況」が可視化されないと、現場のサポートもこのまま投資を続けるかの判断さえもできない。見えないことだらけで困っています。

あーやさん:ありがとうございます。実は、「他社さんはどうやってる?」は、最も多くいただく質問の一つです。活用状況が見えにくいことは、開発組織でのAI活用を推進する上で最大のネックになりますね。

「AIが書いたコード、本当に大丈夫? 」速さだけでは語れない“品質リスク”

あーやさん:それでは最後に、EM(エンジニアリングマネージャー)のヒンシツさん。現場と経営、両方の視点をお持ちかと思いますが、いかがですか?

ヒンシツさん:お二人の話、うなずくことの連続でしたが、私はとくに、AI活用の結果生まれたもの、つまり「AIが生成したコードの品質」が心配で心配で……。

あーやさん:品質、ですね。

ヒンシツさん:AIって「銀の弾丸」とか「魔法の杖」みたいに思われがちじゃないですか。経営層も、「AIに頼めばポンと完璧なものを出してくれる」と思ってそうな節がある。でも実際には、一貫性のないコードや、将来的にメンテナンス性が著しく悪化しそうなコードが紛れ込んできます。

ツカレタさん:よく分かります! 長期的な運用を考えていないコード、ありますよね。

ヒンシツさん:今はスピードアップで喜んでいますけど、このままAIが生成したコードを野放しにしたら、1年後に「AIが作った技術的負債」の山ができて、結局、今よりひどいことになるんじゃないかって……。

あーやさん:とても大切なご指摘、ありがとうございます。やはりAIも人間もコンテキストを全て読み取ってくれるわけではないので、「人間が見てもAIが見ても理解しやすいようにする」ことに尽きると思います。適切なドキュメント化やリファクタリング、そして「ガードレール」として機能するテスト環境の整備など、「人間が開発しやすい環境」を整えることが、AI時代にはいっそう重要です。たとえば、AIを「新人」だと捉えて、オンボーディングする環境を整えてあげるような視点が、品質担保にも直結していきます。

試行錯誤の先に見る、“AIと共に成長するチーム”の姿

あーやさん:皆さん、今日は“モヤモヤ”の打ち明け話をありがとうございます。まず安心してほしいのは、「悩んでいるのは一人じゃない」 ということ。お三方と同じように、日本中の開発組織が、AIの登場という大きな変化に戸惑いつつ、試行錯誤しています。でも、不安のすぐ隣に、面白さがあるのが、今だと思います。だって、AIのカンファレンスに行くと、「あのAIツールをこうやって使ってる」って、みんなキラキラした目で語り合っているんですから。AIという大きな波を純粋に楽しめるようにするために、これから一緒に考えていきましょう。

ツカレタさん:そう言ってもらえると、少し、気が楽になります……!

あーやさん:よかったです! 「次回はAI疲れとエンジニアの役割転換について掘り下げます。合わせて、「開発生産性」を可視化するツールのFindy Team+、「顧客のインサイト」を開発に繋げるツールのFindy Insightsがこれらのお悩み(課題)解決にどう役立つのかについても合わせて解説します。次回は、「AI疲れとエンジニアの役割転換」について、詳しく掘り下げていきましょう!

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