「未来創発」という企業理念を掲げ、コンサルティングやITサービスを展開する株式会社野村総合研究所(NRI)。人材の採用・育成に力を入れており、新人研修や実践的なOJTを通じて、IT人材の育成を進めている。なかでも技術力を軸に幅広い事業に携わるテクニカルエンジニアは、基本的なITスキル習得に加えて、ネットワーク、データベース、クラウド、Linuxの管理者レベルの研修も実施。その一環として、レッドハット株式会社の「Global Learning Services(Red Hatトレーニングサービス)」を採用している。
顧客の課題を解決に導くポテンシャルを持った人材を採用
NRIは、IT人材の採用を積極的に進めており、採用人数は年々増加中だ。NRIの4つの事業(コンサルティング、金融ITソリューション、産業ITソリューション、IT基盤サービス)のうち、IT基盤サービス部門のエンジニアの採用・育成に携わるNRIの遠藤 恵氏は、IT業界における昨今の人材採用事情について、次のように話す。
グローバルで実績がある「Red Hatトレーニングサービス」を採用
まっさらな状態で入ってくる新卒でも、いち早く自立して業務に臨めるように、NRIは手厚い研修制度を用意している。また、新人には1年間しっかり伴走してくれるインストラクターが付くだけでなく、組織全体で新人を育成する取組みも行っている。
同社のエンジニア新卒採用は、大きくアプリケーションエンジニア(AE)とテクニカルエンジニア(TE)の2つの職種に分かれ、前者は顧客の業務を軸に、ニーズに合わせてアプリケーションを開発。一方、後者のTEは技術を軸にした職種で、IT基盤サービス部門に配属され、システム基盤の設計・開発・運用、アプリケーション開発の生産性向上やAI・クラウドなど最新技術を活用したソリューションの開発・導入など幅広い業務を担当する。このTEの研修プログラムに採用されているのが、レッドハットがグローバルに展開している「Red Hatトレーニングサービス」だ。 遠藤氏と同じくIT基盤サービス部門の人材育成と採用に携わるNRIの藤田 由起氏は、同社の研修におけるRed Hatトレーニングサービスの位置付けについて次のように語る。
「TE採用の新人は、4~6月に全エンジニア採用共通のビジネス系と基礎的なIT系の研修を受講した後、7月から当部が主催する4研修(ネットワーク・データベース・クラウド・Linux)に入ります。いずれの技術も前段のIT系研修の中でも学びますが、一歩先の管理者レベルのスキルを学びます。新人自身が習得度を確認できるよう、研修受講後に資格試験にもチャレンジしてもらいます。当部門の業務は幅広く、全ての業務でこれらのスキルが必須なわけではありませんが、システムを俯瞰するには担当の技術領域以外も知っておくべきなのでTEの土台となる知識・スキルと位置づけ、全員に受講してもらっています。このLinuxの研修にレッドハットのトレーニングサービスを取り入れています。」(藤田氏)
同社が採用しているのは、約60あるコースの1つとなる「Red Hat 認定システム管理者 (Red Hat Certified System Administrator=RHCSA)」の認定資格取得を目指す「RHCSA速習コース」で、Red Hat Enterprise Linuxの構成・管理・メンテナンスやトラブルシューティングといったカリキュラムが5日間で実施される。レッドハットの渡利 雅之氏は、トレーニングの詳細について説明する。
「レッドハットのトレーニングサービスでは、LinuxやAnsible、コンテナ、さまざまなミドルウェアのポートフォリオを用意し、実践的なトレーニングと認定資格をグローバルで統一したカリキュラムとして提供しています。トレーニングは教室で実機を操作する形式のほか、ライブオンライン形式やEラーニング形式もあります。トレーニング受講後に受けていただく認定試験は択一問題がない演習形式の試験で、単なる知識の習得ではなく、実践的なスキルを習得できているかどうかを問うものです。トレーニング自体も7~8割が演習形式で、実務に直結するスキル・知識を身に付けやすいのが強みとなります」(渡利氏)
Red Hatトレーニングサービスは、経験豊富なインストラクターをアサインすることや実践に即したカリキュラムで、受講者が実務にあたるまでの期間短縮を目指していると渡利氏。NRIの藤田氏も「現場に配属された際、スムーズに業務を始められるという効果も実感しています」と実践的な内容を高く評価する。
新卒採用の受講者がRed Hatトレーニングサービスの効果を語る
昨今の例としては、2022年度にIT基盤サービス部門に入社した新入社員63人が研修の一環としてRed Hatトレーニングサービスを受講し、現在は配属された部署で活躍しているという。
受講者の一人、2022年度入社のNRIの塩原 晃氏は、トレーニングによる成果を以下のように説明する。
「入社時にはLinux関連のスキルは乏しく、コマンドをいくつか知っている程度でした。Red Hatトレーニングサービスでは、実際のマシンを使ってLinuxの操作が学べたことで、ボリュームの拡張やサービスの起動停止などOSの基本的な機能を理解できました。トレーニング自体は非常にボリュームがありましたが、講師の方の密接な指導により一つひとつの機能や仕組みを理解しながら進めることができたと思います。運用基盤の維持管理を担当している中でも、研修を受けていなければ対応方法が思いつかず苦労しただろうなという場面も多く、効果を実感しています」(塩原氏)
同年入社のNRIの沼野 正太郎氏も、実践的なカリキュラムにより多くの成果が得られたと手応えを口にする。
「趣味レベルでしかLinuxに触れていなかったため、しっかりとした基礎に立脚したトレーニングを受けられたことは、良い経験になりました。さまざまな操作や設定を試せる環境が用意されていて研修期間中の予習復習や資格試験受験までの勉強にも利用できたので、試行錯誤する中で、知識を定着させることができたと実感しています。現在、保守を担当しているAIソリューション『TRAINA/トレイナ』にはLinux上で動いているサービスが多数あり、トレーニングで得た知識・スキルは現在の業務と直接的に結びついていると思います」(沼野氏)
これらのトレーニングにより、事業戦略における人的リソースの配分が容易になるというメリットが得られているとのことで、NRIの新卒採用育成は、すでに大きな効果を生み出している。今後は最近増えてきているキャリア入社の社員にも紹介し、TEの土台となる知識・スキルで不十分なものがあれば受講を推奨する予定だ。
また、NRIでは外部研修を活用したスキルの習得だけでなく、役員や先輩社員の話を聞く機会を設けて仕事に対する心構えを学んでもらったり、上司ではない他部署の先輩社員と1on1面談を実施したりするなど、より長期的な目線で新人や若手のキャリア形成支援を組織全体で取り組んでいる。
遠藤氏は「視座を高めるためにも、同期や先輩とのかかわりの場を設けて、縦横斜め全方向のつながりを作るサポートも積極的に行っています」とスキル習得以外の人材育成について触れた。
パートナーシップも強化し、IT人材が活躍できる未来を創る
NRIでは、今後もビジネスパートナーでもあるレッドハットと連携し、IT人材育成と最新技術活用を強化していく予定だ。
「我々が顧客向けに提供しているサービスにもレッドハットの製品が活用されています。オープンソースベースでグローバルスタンダードのレッドハット製品は、私たちのようなマルチベンダーで事業を展開する企業にとって見逃せない選択肢です」(遠藤氏)
レッドハットとのパートナーシップを強化し、“人を大切にする”企業風土をベースに人材育成を加速させるNRI。同社が整備を進める研修制度と、そこから生み出されるIT人材の活躍には今後も注視していく必要があるだろう。
企業プロフィール
株式会社野村総合研究所(NRI)
本社:
〒100-0004
東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」「IT基盤サービス」の4つの事業を通して、「未来創発」という企業理念のもと 課題解決のためのソリューションを一貫して提供。
[PR]提供:レッドハット