4月5日から7日にかけて、東京ビッグサイト 東1ホールにて「第14回クラウド業務改革EXPO【春】」が開催された。出展した株式会社ダイレクトクラウドのブースでは、同社が展開する法人向けクラウドストレージサービスの展示をはじめ、サービス連携パートナーであるワークスモバイルジャパン株式会社、QNAP株式会社、マネーフォワードi株式会社や、販売パートナーのセミナーも行われ終始賑わっていた。

QNAP製NASとのハイブリッド運用でより快適なデータ活用

  • QNAP株式会社 プロダクトマーケティング部 部長 原 幸人 氏

ダイレクトクラウドのブースでは、数多くのパートナーにより共同セミナーも行われた。このうちQNAPからは、原 幸人 氏が「NASとクラウドストレージのハイブリッド運用」 というテーマで登壇。グローバルな展開をみせるストレージベンダーであるQNAPのハイブリッドストレージ「HybridMount」を紹介し、DirectCloud との連携機能についても解説した。連携により、回線速度の影響やレスポンスの問題など、現在のクラウドストレージにありがちな課題を解決できることが明示された。

ワークスモバイルジャパン、AI市場と業務利用に特化したOCRの強みを紹介

  • ワークスモバイルジャパン株式会社 Visual AI営業部 林 将史 氏

ワークスモバイルジャパンからは、林 将史 氏が「AI市場と業務利用に特化したOCRの強み」を紹介。CLOVA OCRが選ばれる理由として「横書きや縦書きだけでなく、丸く湾曲して書かれた文字や傾いた文字などの悪条件下での読み取り、多言語の認識、専門用語の認識も可能」「請求書・レシート/領収書・本人確認書類・名刺は、特化型AI-OCRで、異なるレイアウトでも複数登録可能」などで、累計読み取り枚数が5億枚、項目数に換算しおよそ40億項目以上を突破したことも紹介。

また、ワークスモバイルジャパンが提供するAI-OCR「CLOVA OCR」と「DirectCloud」を連携したことにより得られるメリットを、次のように紹介した。

CLOVA OCRとDirectCloud連携の3つのポイント

・AI-OCR単独で行う作業と比較して、連続的かつ高速なテキスト化を実現。請求書テキスト化作業時間を約30%削減。
・AI-OCRによるテキスト化処理と同時にDirectCloudへ請求書データを格納。情報漏えい対策も同時に実現。
・原本ファイルがDirectCloudに格納されているため、ファイルの再活用も容易。

効果的なDXの第一歩はストレージのクラウド化にあった

ダイレクトクラウドのセッションでは、同社 執行役員CPOの大野朋克氏が登壇し、DXの進まない現状と企業向けクラウドストレージDirectCloudを利用したDXの進め方について紹介した。

  • 株式会社ダイレクトクラウド 執行役員 CPO 大野 朋克 氏

セッション冒頭で大野氏は、DXが失敗する要因について、「ユーザー企業のICT人材の不足」「レガシーシステムの存在とブラックボックス化」「経営者・ビジネス目線での意思決定不足」の3つを挙げるととともに、日本はユーザー企業においてICT人材が圧倒的に不足しており、システムの導入がゴールになりがちである点を指摘。さらに、長年にわたるレガシーシステムの運用によって、新システムに刷新しようにも全てを知る人が社内におらず、既存システムを利用し続けるしかなく塩漬けになりがちである点や、エンタープライズアーキテクチャモデルにおけるビジネスアーキテクチャ部分が不足していることから、何のために・誰のためにという視点が乏しくなっていたりする点についても言及した。

こうした日本企業におけるDXの課題に対して、DirectCloud を利用することで解決に導くアプローチを大野氏は紹介した。まずクラウドサービスを利用している企業が、どのような用途でクラウドを利用しているかを示したグラフを用いながら、最も利用されているのは「ファイル保管・データ共有」であることを説明。その理由としては、ファイル/ストレージは業務をする上で全ての土台となっていることに起因しており、財務系などと比べても手を付けやすい部分である旨を解説した。

「ストレージがクラウド化することで、社内外の人とのファイル共有や、文書の共同編集などにより、これまでとは違った利便性を得られるようになるのも大きなメリットでしょう」と、大野氏は強調した。

「DirectCloud」の活用で5,000万円のコスト削減へ

企業におけるストレージの利用の現状について大野氏は、今年2023年の調査では約60%がクラウドストレージ又はNASやクラウド両方を利用するハイブリッド型で利用しているというデータを示した。2021年は40%で、2022年は50%と、ハイブリッド型の割合は年々増え続けており、ここからも日本企業の間でクラウドストレージの利用が進んでいることがうかがえる。

  • DirectCloud, Inc. 調べ

また、ダイレクトクラウドが顧客にヒアリングした結果の中から大野氏は、従業員数1,000名・拠点8箇所のある企業では、「ストレージに“今”いくら掛けているのか」という問に対して、“1億1,163万円”と回答しているケースを紹介。現在、同企業では、本社や国内拠点・海外拠点それぞれにNASがあり、それとは別にオンプレとクラウド上にファイルサーバーが、さらに一部クラウドストレージの利用もあるという。こうした状況を受けて大野氏は、管理者が全容を把握出来ているのか、また、運用が負担になっていないか、といった疑問を投げかけた。

そしてもしこの状況から同社がストレージをDirectCloudに置き換えたならば、ファイルの所在が分かりやすくなり、サーバーなどのシステム運用の負荷も大幅に軽減できることになる。ここで大野氏は、実際に試算した例を示したが、それによると5年間で約5,000万円ものコスト削減が見込めるという。

「もちろん、コスト削減だけではDXとは言えません。クラウドストレージにすることで得られるメリットとしては他にも、社内での情報共有、リモートワークへの対応、社外の人を招待しての共同作業、チャットを利用したコミュニケーションや、複合機との連携などが挙げられます。また、自然災害に備えるDR対策や、ランサムウェア対策、IT監査への対応なども可能となります」と、大野氏は語った。

クラウドストレージの未来にむけてダイレクトクラウドが取り組んでいること

「クラウドストレージに完全移行するのではなく、“容量の大きいファイルは引き続きNASから利用したい”というお話しもよく耳にします」と大野氏は言うと、そうしたニーズへの回答として、QNAP製品との連携によるNASとDirectCloud上のファイルとの同期について解説。よく使われるデータはNASから利用しつつし、先のクラウドのメリットを活かすために他のデータについてはDirectCloudを利用する、という活用方法を紹介した。

また、最近ではクラウドストレージをバックアップ用途で利用する企業も増えているが、その場合にはコールドストレージと呼ばれる低価格な領域にファイルをひと固めにして置くという使い方もDirectCloudであれば可能である。

さらに、ダイレクトクラウドによる調査では「普段は使わないものの、なにかあったらすぐに取り出したいデータがあり、それらを安く保存しておきたい」といった要望もあるという。これを受けて大野氏は、DirectCloudではホット領域とコールド領域の間に当たるウォーム領域を設けることで、顧客の声に応えていくことを明言。この現在開発中であるストレージの階層化が実現すると(今年夏から秋頃を予定)、先の5,000万円のコスト削減から更に2,000万円が上乗せされ、実に合計7,000万円ものコスト削減が見込めるという。

あらゆるニーズが詰まったクラウドストレージ「DirectCloud」

DirectCloudは、国内のデータセンターを利用しており、業界トップクラスのセキュリティを確保しつつ、各企業の管理者が望む細かなアクセス権設定や、管理者権限の委譲など、日本企業が好むさまざまな機能を有している。それに加えて操作も簡単であるうえ、ライセンス形態としてユーザー数無制限で利用できることから、全従業員及び社外の全ての関係者と安全にファイル共有ができるようになるのだ。

一連の説明の後に大野氏は「DirectCloudは、既存のファイルサーバーと同じように扱えて、経営者・全従業員・すべての社外取引先など、みんなで簡単に且つ高機能で利用できるストレージをクラウドで提供しています。従業員の利便性向上はもちろんのこと、DirectCloudを利用して企業やサービスの価値を高めて頂ければ幸いです」と、熱い思いを語りセミナーを締めくくった。

ストレージの運用コストを抑えつつ、DXへの活用も進めたいお客様のニーズに応えていく

DXの推進が叫ばれるなか、企業がビジネス活動で生成するデータファイルは爆発的に増加している。ダイレクトクラウド 営業部の長門慶悟氏はこう見解を示した。

  • 株式会社ダイレクトクラウド 営業部 部長 長門 慶悟 氏

「多くの企業では多種多様なストレージやクラウドサービスを使っているためファイルが分散し、データを十分に活用できないまま、保存容量に比例してストレージの運用コストだけが増えていく状態になりがちです。また、データガバナンスが効かない状況となり、情報漏えいのリスクにさらされてしまいます。企業は蓄積したデータをどう分析、活用してビジネスにどのような価値を生み出すか、既存のプロセスをどう置き換えるかといった戦略に資源を集中すべきです。

そのためには、クラウドに軸足を置いて従来のレガシーストレージや複合機、その他のデジタルワークスペースに散在したデータファイルを集約し、一元的に管理できるプラットフォームを構築することが急務ではないかと考えております。

ダイレクトクラウドは日々進化を遂げていいます。弊社では高い技術力を生かして、弊社の販売パートナー、お客様と三人四脚で大量のデータの運用管理にかかるコストを抑えつつ、DXへの活用も進めたいというお客様のニーズに応えていきたいですね」と長門氏は力強く語った。


株式会社ダイレクトクラウド:https://directcloud.jp/

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