あらゆる分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が求められるようになった現在、業種や規模を問わず多くの企業がデジタル技術を活用した業務改革に取り組んでいる。建設業界においても同様で、もはやDXなしではビジネスの競争力を維持することは困難だ。社会問題化している人手不足に伴う現場の業務負荷増大や属人化といった課題の解決をはじめ、本社と現場の情報共有や新たなマーケットの開拓などを目的としてDXソリューションの導入を検討する企業は増加傾向にある。

DXのアプローチは多岐にわたるが、建設現場の業務改善にプライオリティを置いた建設業においては、“映像データ”を起点に、遠隔臨場や遠隔支援の実現を図るケースが増えてきている。建設現場では特に、作業員の目視による確認が重要視されており、それに代わるソリューションとしてウェアラブルカメラの導入を検討する企業は多く、建設DXにおけるトレンドの1つとなっている。

本稿では、建設DXの視点から見たウェアラブルカメラ導入・活用の最適解と、製品選択におけるポイントについて確認していく。

建設業界におけるDXでは、“現場”の業務改善を起点としたウェアラブルカメラ活用がトレンド

建設業をはじめ、“現場”を持つ業種がDXに取り組む場合、DXを推進する本社の管理部門と、実際にDXソリューションを利用する現場の温度差が、想定どおりの成果が出せない要因の1つとなっている。昨今の人材不足により、1人の現場監督が複数の現場を担当することは当たり前のものとなり、1日の大半を移動時間に費やしている現場監督もめずらしくない。このため、現場業務の効率化・省力化や専門技術の継承といった目的でDXに取り組む管理部門は多く、その実現手段としてウェアラブルカメラの導入を検討する企業も増加傾向にある。

それに対して、積極的にウェアラブルカメラの活用を進めている建設現場は、まだまだ多いとはいえない。現場主導で製品選択が行われることは少なく、導入・提供されたウェアラブルカメラを使って積極的に現場のDXを推進したいと考える現場監督もいる一方で、DXは意識せず、使える範囲でのみ使うというスタンスの現場監督も少なくないのが現状といえる。

建設現場でのウェアラブルカメラの活用を進めるにあたって、最優先事項は「高画質で安定してつながる」ことだ。映像・音声が途切れたり、映像品質が悪かったりすれば遠隔臨場や遠隔支援は実現しない。しかし、通信環境が整備されていない場合が多く、有線回線が用意できない建設現場においては技術的なハードルが立ちはだかる。モバイル通信を想定して映像品質を落としている製品も多く、画像がゆがんで寸法が確認できないといった課題も顕在化している。

  • 建設現場の遠隔導入における課題

    |通信環境が整備されていない現場では、スムーズな遠隔支援が困難

建設現場のDXを加速させる機能を網羅した法人向けスマートフォンベースのウェアラブルカメラ

ウェアラブルカメラの成果を最大化するには、現場での活用を踏まえた製品選択が重要となる。最優先事項は安定して鮮明な動画を送信できることだが、映像データを資産として全社的なDXを推進するのであれば、データの利活用を想定しておくことも欠かせない。 他にも、現場監督・作業員のITリテラシー問わず、誰でも扱いやすいという点も重要ではある。しかし、使い勝手の良さに目を向けるあまり、DXの優先度を下げてしまっては意味がない。導入目的を明確にして、優先度を正しく見極めたうえで導入することが重要だ。

そこで注目したいのが、FCNTとティ・エム・エフ・アースが共同開発した遠隔臨場・遠隔支援向けウェアラブルカメラ「LINKEYES」となる。FCNTのビジネス向けスマートフォン「arrows BZ」 シリーズの「arrows BZ02」をベースに、ティ・エム・エフ・アースの先進的な映像技術が組み込まれたソリューションで、先に述べたウェアラブルカメラ選択の要件をすべてクリア。映像データを起点としたDXを実現するうえで重要となる「大容量データの伝送に関する課題(モバイルネットワークの通信量)」を解決する技術を実装しているほか、「大容量データの保存に関する課題(大容量ストレージの確保)」「解析に最適化されたプラットフォームの不在(アプリやAIソリューションへのフィードバック)」といった課題の解決も見据えて開発されているのが特長となる。

卓越した動画圧縮技術で低遅延・高品質な映像伝送を実現した「LINKEYES」は、建築DXの最適解

「LINKEYES」には、他のウェアラブルカメラにはない先進的な技術が惜しみなく投入されている。ティ・エム・エフ・アース独自の動画圧縮技術で他社と比較して最大1/50の超圧縮伝送を実現し、電波状況の悪い状況下においても99.9%の接続率を実現。FCNTの法人向けスマートフォン「arrows BZ02」のリソースを用いてソフトウェア圧縮を行うことで、品質を担保したまま画像サイズを圧縮、鮮明な画像を低遅延で送信することに成功している。「arrows BZ02」は、プライベートLTE規格として昨今注目が高まっている「sXGP」にも対応しており、同端末を採用した「LINKEYES」では一回線に複数のカメラを接続しても遅延のない映像送信が行える。

  • LINKEYESによって現場の課題が解決

    画像圧縮技術により、低遅延・高画質な通信を実現

「arrows BZ02」は、コンシューマ向けのスマートフォンと異なり、業務活用を見据えた端末である。優れた防水・防塵機能を備えており、屋外での利用も安心だ。高強度樹脂材料を用いた本体は、継ぎ目を設けないユニボディデザインで構成されており、高い堅牢性も実現している。落下や水没など不測の事態が起こりやすい建設現場でも、安定して駆動する。 また、端末OSはバージョンが固定されており、突然のアップデートによってアプリケーションの動作が不安定になったり作業が中断したりするような事態も回避可能だ。 さらに、端末トラブルが発生した際、ログを技術者が解析して原因究明を支援する技術サポートが提供されている点も安心感がある。

このように、ティ・エム・エフ・アースの卓越した動画技術と、FCNTが提供する「arrows BZ02」の安定性・堅牢性が組み合わさることにより、他社製品では実現できないウェアラブルカメラへと進化を遂げた「LINKEYES」。現場にスマホを1台用意するだけで簡単に導入でき、現場に合わせたカスタマイズも容易。さらに送信したデータの保存・活用を支えるVMS(ビデオマネジメントシステム)も提供されており、本社と現場の情報共有やデータを活用した経営判断の迅速化など、“DXでやりたいこと”を実現することができる。また、映像データを扱う際は、運用コストにも目を向けなければならない。映像データは大容量であるため、保存に必要なストレージコストは大幅にかかり、画質を優先するほどそのコストは高くつく。しかし、「LINKEYES」は独自の圧縮技術により、高画質ながら映像データの送信(通信コスト)やデータ保存(ストレージコスト)などを含めたトータルコストを圧倒的に安価に抑えることができる。多様なDX施策への対応も含めて他のウェアラブルカメラとは一線を画する製品に仕上がっていると言えよう。コストの問題でDXの取り組みが停滞している企業にとっても、導入を検討する価値は極めて高い。

実際、「LINKEYES」を導入した建設会社では、現場トラブルの解決時間が大幅に短縮されるなど大きな効果が現れている。鮮明なリアルタイム映像を利用した情報共有による早期解決が可能となり、現場監督からの評価も向上。本社の管理部門でも「現場の見える化」が実現するなど、効果的なDXが実践できているという。

ここまで解説してきたように、映像データを起点とした建設業界のDXにおいては、ウェアラブルカメラの選択が成功の鍵を握るといっても過言ではない。最先端の映像技術で接続率と画像品質を向上させた「LINKEYES」を搭載した法人向けスマートフォン「arrows BZ02」は、遠隔臨場・遠隔支援向けウェアラブルカメラのファーストチョイスとなるはずだ。

映像送信が必要なあらゆるシーンでの活用が期待されている

多様なアプリケーションを搭載でき、sXGP対応の「arrows BZ02」をベースとした「LINKEYES」は、建設業界以外にも、さまざまな利用シーンが想定されている。圧倒的な映像圧縮技術によりXR(クロスリアリティ)/メタバース市場や、スポーツやイベントのリアルタイム配信といった分野での注目が高まっているほか、急速に成長しているMaaS市場、サイネージへのリアルタイム動画配信といった用途でも効果的な活用が可能。もちろん工場や病院、店舗など“現場”のDXを支援するソリューションとしても期待が高まっている。映像データを使ってDXを推進したいのならば、業種を問わず導入を検討してみてはいかがだろうか。

関連リンク

法人向けスマートフォン 「arrows BZ」シリーズについて
「LINKEYES」について
ニュースリリース(2023年01月19日)サムシング様「arrows BZ02」「LINKEYES」導入事例について

[PR]提供:FCNT