コンテンツマーケティングとは、対象ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することによって見込み客を獲得し、購買とロイヤリティ化へと促していくマーケティング手法を指します。

コンテンツマーケティングを理解するために、この記事では国内の成功事例を6つ紹介します。

参考:コンテンツマーケティングとは? 必要とされる理由と実践手順をわかりやすく解説

はじめに――コンテンツマーケティングで重要なこと

コンテンツマーケティングで重要なのは、性急に売り上げにつなげようとしないことです。まずは対象のユーザーに興味を持ってもらえるコンテンツ発信し、コンテンツを通じて自社に対する認知度を高める。成果ではなく関心を持ってもらうのが第一なのです。

売り上げにつなげようという作り手の姿勢は、受け手のユーザーにも伝わってしまいます。対象ユーザーが求める情報をまずは届ける。そして、段階的に顧客化へと育てていき、最終的にはロイヤリティ化によってユーザー定着を目指します。

まさにこれを実践している例として、ここからは6つの成功事例をご紹介します。ご覧いただければ、コンテンツマーケティングは「直接的な宣伝ではない」ということがわかると思います。

経営ハッカー / freee株式会社

  • 経営ハッカー

経営ハッカーは、freee株式会社によるオウンドメディアです。同社は会計ソフトを販売する企業ですが、経営ハッカーには製品に関するコンテンツはほとんどありません。代わりに、会社経営や資金調達、起業といった、会計と関わりのあるキーワードについて記事を多く掲載。さまざまな切り口から、会計と適度に関わりを持たせてユーザーの中にある疑問を解決する。これにより、多くのユーザーの関心を掴むことに成功しています。

コンテンツの形式も様々です。文章だけでなく、動画コンテンツやSNS形式でも情報を発信。多様な切り口、多くのチャネルを活用して読者を得ることでマーケティング戦略として成功している事例といえるでしょう。

Books&Apps / ティネクト株式会社

  •  Books&Apps

Books&Appsはティネクト株式会社が配信するWebマガジンです。仕事にまつわる基本的な疑問から、社会人生活を送るうえでの知識まで、幅広い話題を提供しています。最大の特徴は、ビジネス系メディアにありがちな "堅苦しいテーマ" でなく、読者の本心を掴んだ "身に寄ったテーマ" でコンテンツを制作していること。サイトの新着欄にある記事タイトル一覧をみれば、すぐに心を掴まれることでしょう。

Books&Appsは2013年に始められたブログですが、先述した "身に寄ったテーマ" からすぐにSNSで広く拡散されるようになりました。読者の身に寄り添ったコンテンツマーケティングによって企業としての知名度を広げた好例です。

北欧、暮らしの道具店 / 株式会社クラシコム

  • 北欧、暮らしの道具店

一般的にコンテンツマーケティングは、製品サイトとは別のサイトとして運営されます。一方、株式会社クラシコムの運営する北欧、暮らしの道具店は、ECサイトと一体化する形でコンテンツマーケティングが実践されています。一歩間違えると製品の押し付けのようにみえてしまう形式ですが、北欧、暮らしの道具店が支持を得る理由は、「売り上げにつなげたい」よりもまず「魅力的な商品を紹介したい」という思いが見て取れる、コンテンツの姿勢です。

このサイトでは、株式会社クラシコムのバイヤーが取扱商品1つ1つについて、愛情を込めて紹介記事を書いています。単に商品の魅力を説明するだけでなく、毎日の生活を豊かに送るうえでのアイディアを示すことで、購買目的でなくとも同サイトを訪れる理由がユーザーに生まれるのです。結果、押し付け感なく自社の商品の魅力をユーザーへ伝えることに成功しています。

Salesforceブログ / 株式会社セールスフォース・ドットコム

  •  Salesforceブログ

ITにまつわる課題解決に重点を置いた情報提供をしているSalesforceブログ。運営会社の株式会社セールスフォース・ドットコムは、CRMプラットフォームのメーカーとして世界的に有名です。同社はオウンドメディアを通じて、CRM領域に限らず幅広くITをテーマに情報を発信しています。

同サイトの特筆すべき点は、新規ユーザー、見込み客、既存顧客のそれぞれに対して適切なチャネル設計のもとで情報提供していること。新規ユーザーでいえば、あえて自社サービスサイト上にブログを置くことで、強大なドメインパワーを活かして検索エンジン経由の膨大なユーザー流入を実現しています。並行して、CRMメーカーならではの取り組みとして、見込み客や既存顧客のそれぞれが必要とするコンテンツをメルマガなどを活用して案内。最適なユーザーに適切なタイミングで欲しい情報を届けることに成功しているのです。

バズ部 / 株式会社ルーシー

  • バズ部

バズ部は、コンテンツマーケティングやSEOの解説型コンテンツを中心に掲載されているWebメディアです。検索エンジンで上位に表示されるコンテンツが多く、その実績が、同誌に掲載されているコンテンツマーケティングやSEO関連記事の高い信憑性を裏付けています。

検索エンジンのアルゴリズムは「ユーザーファーストであること」を最優先します。顧客のニーズを徹底的に重視し、コンテンツの質の高め方、成功事例などを具体的に紹介しているからこそ、同誌のコンテンツは上位に表示されているのでしょう。株式会社ルーシーでは、バズ部へ訪れた方向けにeBookを提供しており、同eBookのダウンロードユーザーを見込み客とすることで、ビジネスへと結びつけています。

サイボウズ式 / サイボウズ株式会社

  • サイボウズ式

サイボウズ株式会社の展開する「サイボウズ式」も、コンテンツマーケティングの成功事例としてよく名前が挙げられます。

サイボウズ株式会社はソフトウエアメーカーとして既に高いプレゼンスを得ていますが、同社の主戦場である「情報共有ツール」市場は、すでに成熟市場にあります。既存の顧客層以外に市場を広げていかなければ、ビジネスの拡大が難しい――こうした背景から、サイボウズ式では「新しい働き方」「新しいチームワーク」を銘打ったコンテンツを発信。市場の拡大を目的にして、オウンドメディアを展開しています。自社の製品を宣伝するわけでなく、見込み客の囲い込みでもない、"潜在的な顧客の開拓" というアプローチが、サイボウズ式に注目が集まる理由と言えるでしょう

まとめ

国内におけるコンテンツマーケティングの成功例を6つ、厳選して紹介しました。冒頭のとおり、コンテンツマーケティングは「直接的な宣伝ではない」ということがお分かりいただけたのでしょうか。

コンテンツマーケティングは一般的に、長期的な展開を必要とする手法です。すぐに売り上げにつながるわけではないため、効果に疑問を抱くこともあるでしょう。しかし、ご紹介したサイトのように、確実に成果を上げている成功事例はいくつもあります。本稿で紹介した内容をヒントにして自社に合ったコンテンツマーケティングの在り方を探り、事業拡大を実践してみてください。

なお、コンテンツマーケティングを実行する中では、思ったようにユーザーが流入しないなど様々な課題も生じてきます。そんな場合の選択肢として、マイナビニュースは企業のコンテンツマーケティングをサポートする商品「TECH+ Lead-Gen Category (LGC)」を提供しています。ぜひ参考にしてみてください。

参考:マイナビニュース 「TECH+ Lead-Gen Category (LGC)」

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