IT技術が急速に進化していく一方、IT人材不足は常態化している。現在、多くの企業で進行・検討されているクラウド活用においても、情シスを担当する限られた人員に大きな負荷がかかっていることは、想像に難くない。特に中堅・中小企業が抱えがちなこうした課題を、ワンストップで解決できるサービスを提供しているのが、ソフトクリエイトだ。インターネットイニシアティブ(IIJ)との協業により、インターネット接続はもちろん、オンプレ、クラウド基盤、それらを連携させるVPNの構築、アプリケーションの提供など、幅広いサポートを展開している。本稿では、ソフトクリエイトが展開するこのワンストップサービスについて紹介する。
トップクラスの"アプリケーションクラウド"「SCCloud」
ソフトクリエイトの執行役員で、技術本部 本部長を務める引間 賢太氏は、昨今のIT人材の人手不足により、少人数での情報シス運営を余儀なくされているお客様が増えていると語る。
「かつてはサーバの構築からメンテナンスまで、社内で行われているケースが多かったが、技術革新が進む中、IT人材を確保し続ける難しさから、アウトソーシングのニーズは非常に高まっております。特にシステムのクラウド化が盛んになってきた今では、閉域接続できるクラウドサービスと、そのクラウド上で提供されるアプリケーションを、合わせて求められるお客様が増えています。それらがセットで手に入れば、サーバやネットワーク、アプリケーションのメンテナンスなどをワンストップでアウトソーシングでき、人手や時間、コストを大幅に削減できるからです」
同社では、こうした"セット"を具体的なサービスとしてつくりあげていった。2011年にはクラウドサービスSCCloudをリリース、IaaS、PaaSといった基盤サービスだけでなく、SaaSとしてグループウェアやワークフローシステム、会計システムなど、多彩なアプリケーションを提供している。もともと同社は顧客企業のオンプレミスを丸ごと請け負うビジネス形態を主軸としており、アプリケーションについてはセットアップから運用まで、豊富なノウハウを蓄積していた。それを活かして起ち上げたサービスだ。豊富に用意されたアプリケーションを目的に契約する企業も多く、SCCloudは「"アプリケーションクラウド"としてトップクラス」だと引間氏はいう。
ネットワーク構築の負荷を軽減する「IIJ Omnibus」をラインナップ
2016年8月にはIIJとの協業により、ネットワーク領域の強化にも踏み切った。 「当初、お客様がSCCloudに接続するための回線には、従来型のインターネットVPNやモバイルVPNなどをご利用いただいていましたが、当社で一貫したワンストップサポートを提供すべく、自社製VPNサービスSCLINEをリリースし、SCCloudとの接続にはIIJ Omnibusをラインナップしました」
IIJ Omnibusは、SDN(Software Defined Network)とNFV(Network Function Vertualization)の技術を活用したネットワークサービスだ。専用のサービスアダプタか、より高性能のVPNルータアプライアンス「SEIL(ザイル)」を設置すれば、これまでネットワーク構築のために用意しなければならなかった機材は不要となる。また遠隔地からネットワーク設定ができるため、現場に赴いての作業も削減できお客様の負担を軽減できる。
豊富なアプリケーションをSaaSとして提供するSCCloudと、IIJ Omnibusを組み込んだSCLINE(サービス名:SCLINE IIJ Omnibus)を併用すれば、アプリケーション、ネットワークの両面で必要最小限の構成でセキュアにクラウドが利用できる。これにより運用負荷や保守コストの削減が図れ、継続的なセキュリティ対策も不要となる。しかもサポート窓口をソフトクリエイトのみに絞れるため、情シス部門の業務もシンプルになる。 「現在当社でクラウドサービス、VPNサービスをご契約いただいているお客様は、まだ自社でルータをおもちのところが多いのですが、徐々にIIJ Omnibusを採用されるところが増えてきています」
ある成長企業では年に3~4軒の新拠点を起ちあげているが、その都度、回線やプロバイダの契約、現地でのルータのセットアップなどを行わなければならないことが大きな負担となっており、解決策としてSCLINE IIJ Omnibusの採用を決めたという。その効果について、引間氏は「新拠点にSEILを設置するだけでインフラ整備が完了するケースもあり、負担を大幅に軽減していただいています」と説明する。
顧客の要望に柔軟に応えられる「IIJ GIO」をクラウド基盤に採用
ソフトクリエイトではIIJとの協力体制をさらに強め。2016年11月にはSCCloudの次世代基盤としてIIJ GIO(ジオ)インフラストラクチャーP2の採用を決定した。引間氏はその採用理由としてIIJ GIOの柔軟性を挙げ、次のように説明する。
「単なるIaaSとしてだけでなく、物理サーバや持ち込み機器との連携利用も行えるので、お客様から提示される複雑な要件にも対応しやすいのがGIOのメリットです。例えばBCP環境を刷新したいというお客様を当社で担当した際にも、その柔軟性が役立ちました。従来のBCP環境では、数百台のサーバが多種多様なシステムで動いていたので、一般的なパブリッククラウドへは移行は困難でしたが、GIOで構成面やコスト面の課題を解決し集約することができました。期間的にも、従来の半分程度に収まりました」
自社とIIJ、双方のソリューションを連携・活用させて提供されるきめ細やかなサービスと、顧客の満足度や生産性向上に大きく貢献していることによって、ソフトクリエイトはIIJから「IIJ Partner of the Year 2017」の「IIJ Omnibusサービスアワード」を贈られている。
「当社はフルクラウドを、完全にマネージドで提供することをめざしていますので、お客様のご要望に柔軟性のある対応ができること、そしてそれを可能にしてくれるIIJの存在は、当社にとっても大きな強みといえます」
最後に今後の展望について聞くと、引間氏はこう語ってくれた。
「将来的には5Gが普及して、SIMさえあればルータも不要な時代がやってきます。その時にも当社のクラウドサービスとIIJのネットワークサービスで、どこにいても会社内にいるのと同じようにシステムが利用できるワンストップクラウドサービスをご提供していきたいと考えています。今問題になっている『働き方』も大きく改善されるでしょう」
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