楽天モバイルのプラチナバンド再割り当てや、衛星通信に関する話題が注目を集めた2022年。しかし、その一方で、5Gに関する取り組みは盛り上がりを欠き、関心は低下の一途をたどっています。→過去の次世代移動通信システム「5G」とはの回はこちらを参照。
2022年の5Gを振り返りつつ、その原因がどこにあるのかを確認してみましょう。
関心がほぼ高まらなかった5G SA
2022年も終わりを迎えようとしていますが、改めてこの1年、5Gに関する動向を振り返りますと“停滞”という言葉で表せるのではないかと感じています。
2022年、5Gで関心が高まると見られていたのは、5Gの実力をフルに発揮できるスタンドアローン(SA)運用への移行が本格化することでした。
2021年の段階で、すでにいくつかの携帯電話会社が法人向けに5GのSA運用によるサービスを提供していましたが、2022年はその利用エリアが拡大するのに加え、コンシューマ向けにもSA対応のサービスが提供されるとして注目されたのです。
そして確かに、2022年はNTTドコモが8月24日よりコンシューマー向けのSA運用によるサービスを提供開始するなど、SA運用によるサービスは着実に拡大していました。
また、法人向けの取り組みに関しても、KDDIがSA運用でネットワークスライシングを活用したサービスの提供を本格化、映像配信サービス「ABEMA」でそれを活用した映像配信などを実施しています。