トランプ氏が圧勝した2024年の米大統領選挙。トランプ氏が勝ったというより、カマラ・ハリス氏が負けた……、物価高、違法移民問題など、国民の懸念を現政権の副大統領であるハリス氏が克服できなかったのが最大の敗因と見られています。
しかし、そうした懸念の存在を含めて、選挙前にメディアは大接戦になると予想していました。それなのに、なぜこれほどの大差になったのでしょうか?振り返ると、トランプ陣営の戦略が功を奏した選挙だったといえます。
具体的には、インフルエンサーの影響力を利用したトランプ陣営の選挙キャンペーンに、伝統メディアを通じてメッセージを届ける旧来のキャンペーンにこだわったハリス陣営が完敗した選挙でした。
当初はハリス氏の優勢が伝えられていた
10月末にトランプ氏はCBSを提訴しました。報道番組「60 Minutes」などハリス氏が出演した番組で、選挙で民主党有利に傾けるようにハリス氏のインタビューを編集したと主張しています。
そのころ、米国の報道番組で取り上げられるトランプ氏の話題は失言やトラブルばかりで、テレビの報道からはハリス氏の勢いが伝わってきました。それは日本での報道も同様だったと思います。