9月6日、東京都千代田区の御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにてデータフィードをテーマにした技術カンファレンス「FeedTech2016」が開催された。
2回目の開催となる今回のFeedTechは、「Datafeed Everywhere!」というサブタイトルが掲げられた。広告関連に加えて、コンテンツ配信やDMPなど、幅広いテーマのセッションを準備。各種プラットフォームと連携して自社の利益を最大化するためのノウハウが多数披露された。
本稿ではキーノートで登壇したFacebook 大谷 直史 氏の講演をピックアップしてご紹介しよう。
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Facebook Partner Managerの大谷 直史 氏 |
国内利用者は、Facebook 2600万人、Instagram 1200万人
大谷氏の講演では、Facebookの効果の高い広告メニューを整理したうえで、成功事例に基づくベストプラクティスが紹介された。
氏はまず、Facebookが提供するサービスの現状を説明。Messengerの月間利用者数が10億人に到達し、17億人のFacebook本体、10億人のWhatsAppに次いで、Facebookとして3番目の10億ユーザーサービスになったことに言及。さらに、Instagramの月間ユーザーが5億人に上り、この4つのサービスがFacebookの現在の柱になっていることを明かした。
なお、国内ユーザーは、Facebookが2600万人、Instagramが1200万人。Facebookユーザーのうち、92%はモバイルからアクセスしているという。
続けて、大谷氏は、効果の高い広告フォーマットとして以下の3つを紹介した。
- キャンバス : スマートデバイスでニュースフィードの広告をクリックした際に、全画面表示してWebサイトに近いコンテンツを表示できる。画像や動画、テキスト、リンクを表示でき、タップ、パン、スワイプなどの操作が可能。商品の詳細をFacebook内で伝えることができる
- カルーセル : 正方形の画像とリンクを3~5点掲載し、横スクロールできるフォーマット
- 動画 : 最長120分の動画と、最大2200文字(推奨90文字)のキャプションを配信できる動画広告
特にキャンバスに関しては、他サイトに遷移する必要がないことのメリットを強調。タップしてからロードまでの時間も早いため、ユーザーのストレスが減り、広告に対する苦手意識の改善が期待できるとした。
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Facebookの広告フォーマットの一部 |
小売業に続き、旅行業に対応したFacebookのリターゲティング広告
大谷氏、Facebookが力を入れている分野として、「audience network」と「ダイナミック広告」を挙げる。
これらのうち、audience networkは、Facebook広告を第三者のアプリに対して配信できるアドネットワーク。配信面を確保する施策として展開していくという。
一方のダイナミック広告は、Facebook独自のロジックが詰め込まれた、プロダクトセールス向けのリターゲティング広告になる。
商品カタログ情報を元に広告を自動生成できるほか、出稿主サイトにFacebookタグを埋め込むことで、出稿主サイトでのFacebookユーザーの行動を追跡できる。アクセス履歴や購入履歴などに基づき、配信対象ユーザーと配信広告を決定するロジックで、クロスセルやアップセルを促すことも可能。最近では「購買に結びつきやすいメディア」(大谷氏)であるInstagramでの配信にも対応し、注目を浴びている。
今年5月には、旅行業界向けに最適化した「ダイナミック広告 for トラベル」をローンチ。7月には、モバイルアプリケーションのインストール促進機能が搭載されるなど、新たなリリースが相次いでいる。
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ダイナミック広告にモバイルアプリケーションのインストールを促進する機能が追加に |