思ったようにダイエットが進んでいないなら、ちょっと立ち止まってみよう。もし、すでにスマートウォッチを着けているならよいタイミングだ。スマートウォッチは着け続けてデータを取り続けることで、その真価を発揮する。この数年間で思ったようにダイエットが進んでいないのなら、このタイミングで蓄積したデータを分析してみよう。なぜ自分のダイエットが思ったように進まないのか、その理由が見えてくるはずだ。
サラリーマンはどんどん太っている
BMIが25kg/㎡以上で肥満と分類される男性は33%、女性は22.3%だと推定されている。特に男性はこの10年間で肥満が増えている。年をとるごとに肥満者の割合は増加している。要は、ビジネスマンの男性はどんどん太っており、3人に1人は肥満という状態だ(参考「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 - 厚生労働省」)。
本連載ではスマートウォッチを使ってさまざまな活動をモニタリングし、ちょっとでも効率よく、そして楽に、消費カロリーを増やして肥満から脱却するための方法を紹介してきた。
運動の指標は世界保健機関(WHO: World Health Organization)の報告書「World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour - PubMed」の内容に従って、「週に150分から300分の中強度の運動」を取り上げてきた。
平日に日30分、週末に日1時間早歩きの散歩をするとクリアできる。ジムのトレッドミルに傾斜をつけてウォーキングしてもよい。この運動量をこなすと健康である確率がかなり高いとされている。ダイエット目的としてもそうだが、健康であるためにもクリアしたい運動量だ。
運動しているのにやせない、むしろ太っていく
世界保健機関の指標をクリアできているかどうかにかかわらず、運動しているつもりが、やせるどころかむしろ年々太っているというビジネスマンは多いはずだ。データがそれを物語っている。
太る主な理由はいくつかある。挙げていくとキリがないのだが、そうした種々の原因の中で強く影響を与えているものが少なくとも1つある。これに関してはビジネスマンでも制御できるものなので、過去のデータを分析してみて、そこにメスを入れるべきかどうかを判断することになる。
まず、体重と体脂肪率のデータを整理する
まず、自分の体重と体脂肪率のデータを整理しよう。年に1回の健康診断や人間ドックしかデータがないならそれを、毎月や毎週といった具合に定期的にデータを取っていたり、定期検診を行っていたりするなら、そのデータを整理しよう。もし計測データがないのなら、ベルトの穴の推移でもよい。少なくとも、太っていっているのか痩せていっているのか、そこを把握しよう。
著者は2018年末ごろからスマートウォッチでデータのモニタリングを開始した。2019年に入ってから身体データも含めて記録を取るようにした。次のグラフは2019年1月から2022年7月までの体重および体脂肪率の推移を示している。
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体重と体脂肪率(2019年1月~2022年7月)
2019年1月から2021年9月までの3年弱が減量期、2021年10月以降が増量期となる。この間データを取りながらいろいろと試してみた。その間の体重と体脂肪率の変化を抜き出すと、次のようになる。
2019年1月 | 2021年9月 | |
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体重 | 83kg | 67kg |
体脂肪率 | 22.5% | 8% |
2021年9月 | 2022年7月 | |
---|---|---|
体重 | 67kg | 72kg |
体脂肪率 | 8% | 8.5% |
減量期で16kgの体重減(↓)、14.5%の体脂肪率減(↓)。増量期に5kgの体重増(↑)、0.5%の体脂肪率増(↑)だ。
筆者は食べることもビールも大好きなので、その成果として2018年末に痛風発作が発症した。激痛である。ひととおり検査を行い、高尿酸血症であることがわかった。その他の血液の状態も褒められたものではなかった。そこから、少なくとも健康な体になろうと取り組むようになったのがスマートウォッチというわけだ。