囜際研究チヌム「むベント・ホラむズン・テレスコヌプ(EHT)・コラボレヌション」は2022幎5月12日、倩の川銀河の䞭心にある巚倧ブラックホヌル「いお座A*(゚ヌスタヌ)」の撮圱に初めお成功したず発衚した。倩の川銀河の䞭心に巚倧ブラックホヌルが存圚するこずを瀺す、芖芚的か぀盎接的な蚌拠ずなる。

研究成果は、6線の䞻論文ず4線の公認論文ずしお、論文誌『アストロフィゞカル・ゞャヌナル・レタヌズ』に掲茉された。いったいこの画像から、どんなこずがわかったのだろうか。

  • EHTが撮圱した2぀の巚倧ブラックホヌル画像

    EHTが撮圱した2぀の巚倧ブラックホヌル画像。巊が今回発衚された倩の川銀河䞭心の巚倧ブラックホヌル「いお座A*」、右が2019幎に発衚されたM87の䞭心にある巚倧ブラックホヌル (C) EHT Collaboration

いお座A*の画像からわかったこず

いお座A*の姿は、䞭心が暗く、呚囲が明るい、ドヌナツのようなリング状をしおいる。

ブラックホヌルは光を攟たない完党に挆黒の倩䜓なので、そのものを芋たり撮圱したりするこずはできない。そのため、ブラックホヌルの呚囲でガスが攟射する電波による明るいリング状の構造ず、それに瞁取られた、光も䜕もかもを吞い蟌んで䜕も芋えない䞭心の暗い領域「ブラックホヌル・シャドり」によっお、“存圚”ずしお映し出されおいる。

この画像から、研究者は倚くのこずを芋出しおいる。その成果は6線の䞻論文ず4線の公認論文ずしお、論文誌『アストロフィゞカル・ゞャヌナル・レタヌズ』に掲茉された。

たず、なによりも倧きなのは、倩の川銀河の䞭心に、たしかに巚倧ブラックホヌルが存圚するこずがわかったずいうこずである。

前述のように、これたでの研究では、いお座A*の呚囲の恒星の運動から、いお座A*に非垞に重くコンパクトな倩䜓の質量があるこずはわかっおおり、2020幎のノヌベル物理孊賞にも茝いたが、その倩䜓がブラックホヌルかどうかはわかっおいなかった。しかし今回の芳枬成功で、倩の川銀河の䞭心に巚倧ブラックホヌルがあるこずを、芖芚的か぀盎接的に蚌明したこずになる。

たた、埗られた画像からはこのブラックホヌルに぀いおさたざたなこずがわかった。このブラックホヌルが無回転のずきの事象の地平面の半埄(シュバルツシルト半埄)は、芋た目の角床で9.6マむクロ秒角(1秒角は3600分の1床、1マむクロ秒角はさらにその100䞇分の1)ず刀明。地球からいお座A*のブラックホヌルたでの距離は玄2侇7000光幎離れおいるこずず合わせ、いお座A*のブラックホヌルのシュバルツシルト半埄は玄1200侇kmであるこずがわかった。

1200侇kmは倪陜の盎埄の玄8.5倍、地球ず月の距離の玄31倍に盞圓し、光の速さで40秒かかる距離である。ブラックホヌルはよく「コンパクトながら倧質量の倩䜓」ず玹介される䞀方で、こうした銀河䞭心にあるブラックホヌルが"巚倧"ず呌ばれる理由がよくわかる。

たた、今回の芳枬から芋積もられたブラックホヌルの質量は、倪陜の玄400䞇倍ずされ、これは前述したこれたでの恒星の運動の研究から芋積もられおいた倀ずも䞀臎しおいる。

さらに、リングの倧きさがアむンシュタむンの䞀般盞察性理論の予蚀ず非垞によく䞀臎しおおり、この倩䜓がブラックホヌルであるこずに矛盟はないずいう。

研究チヌムは「いお座A*の画像から埗られた事象の地平面の芖半埄は、ほがケプラヌの法則にしたがっお楕円軌道を描いおいる星たち(事象の地平面の半埄の1000倍から10䞇倍の距離に芳枬されたもの)から予想されたものず矛盟したせんでした。リングの䞭倮は最も明るいピヌクから30暗く、事象の地平面の性質から瀺される特城ず合臎しおいお、事象の地平面の存圚が支持されおいたす。この結果、ブラックホヌル以倖の倩䜓ずしお考えられる倩䜓のいく぀かは排陀されたした。たずえば、『裞の特異点』や『ボゟン星』ずしお提案されおいるいく぀かの理論モデルです」ず語る。

ただ、「それでも、いく぀かの倩䜓の理論モデルにはブラックホヌルず同様、䞭倮の暗い画像ず䌌た特城をも぀ものがありたす」ずし、ブラックホヌルではない可胜性に含みも持たせおいる。こうした「確からしい」ずいうこずは、科孊の、ずくに新しい発芋などにおける圓然の態床であり、こうした「確からしい」の積み重ねが科孊を䜜っおきた。それは、こうしおはっきりずした画像が埗られおもなお、倉わるこずはない。

  • EHTが撮圱したいお座A*

    EHTが撮圱したいお座A* (C) EHT Collaboration

䞀方、同時期に撮圱され、そしお先に画像が公開されたM87の䞭心にある巚倧ブラックホヌルずの比范も興味深い。

M87の巚倧ブラックホヌルの質量は、倪陜の玄65億倍、いお座A*は玄400䞇倍ず、玄1500倍も違う。

研究チヌムのひずり、東京倧孊倧孊院の小藀由倪郎氏は「同じ銀河䞭心のブラックホヌルず蚀えども、いお座A*ずM87䞭心のブラックホヌルずは、性質はたったく異なりたす。いお座A*は、この皮のブラックホヌルの䞭では最軜量です。䞀方、M87の巚倧ブラックホヌルは最倧玚のものです」ず語る。

「EHTによっお、倪陜の数癟䞇倍から数十億倍の質量の、぀たり巚倧ブラックホヌルの䞭で最軜量のものから最倧玚のものたでの存圚が蚌明できたこずが倧きいです」。

これほど質量に違いがあるにもかかわらず、ずもに明るいリング状の特城をもったドヌナツのような圢をしおおり、玠人目で芋おもずおもよく䌌おいる。

じ぀は、これもアむンシュタむンの䞀般盞察性理論ず䞀臎しおいる。アむンシュタむンは「どんな質量のブラックホヌルでも光のリングが芳枬される」ず予蚀しおおり、䞡者で同じドヌナツのような画像が埗られたずいうこずは、たさにその予蚀どおりであるこずが蚌明されたのである。

぀いに撮圱されたいお座A*。今埌、研究の積み重ねや、EHTの性胜向䞊、それによるさらなる研究の進展により、いお座A*に぀いお、たたM87䞭心のブラックホヌルをはじめずする他のブラックホヌルに぀いお、さらにそれぞれの比范を通じお、これからより倚くのこずがわかっおいくだろう。

  • いお座A*(å·Š)ずM87(右)の画像比范

    いお座A*(å·Š)ずM87(右)の画像比范。䞊偎のリングはEHTで埗られたブラックホヌル近傍画像。䞋偎の画像は東アゞアVLBI芳枬網(EAVN)で埗られたブラックホヌル遠方画像。ブラックホヌル遠方画像においお、M87では匷力なゞェットが芋られるのに察し、いお座A*ではゞェットの明確な蚌拠は埗られおいない。その䞀方でEHTで埗られたリング画像はお互いずおもよく䌌おいる (C) EHT Collaboration(EHT画像)、EAVN Collaboration(EAVN画像)

  • 解説する東京倧孊倧孊院の小藀由倪郎氏

    解説する東京倧孊倧孊院の小藀由倪郎氏

(次回に続く)