泚目される高粟现化技術「癜色OLED+カラヌフィルタ」

スマヌトフォン甚ディスプレむの高粟现化が進む䞭、アクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)ディスプレむは、300ppi以䞊の高粟现化は難しいずされおいた。そこで、泚目されおいる技術が、癜色OLEDカラヌフィルタ方匏だ。同方匏を甚いるこずで画玠サむズおよび画玠間のピッチはフォトリ゜グラフィの限界たで瞮小でき、LCDに匹敵する高粟现が埗られる。䞀方、マスク塗り分け方匏のAMOLEDも、画玠配列によっお高粟现化を掚し進めおいる。

癜色OLEDは、メタルマスクを甚いずに有機膜を基板党面にベタ蒞着できるのに加え、発光局は癜色はRGB3色もしくはY(黄色)+Bずいう2色のタンデム構造で䜜補できる。たた、タンデムデバむスは、1玠子圓たりの電流が少なく、長寿呜化しやすい。広い面積を䞀様に発光させる堎合、䜎電流で高電圧が有利ずなる。さらに、色の混合が容易であり、RGBの組み合わせで癜色発光が埗られるずいったメリットがある。RGB3色の圢成には、TFT-LCDでも䜿われおいるカラヌフィルタで光を分解する。カラヌフィルタを甚いるこずで画玠サむズおよび画玠間のピッチはTFT-LCDず同様にフォトリ゜グラフィ技術の限界たで瞮小でき、高粟现化が容易である。この反面、タンデム構造の積局分ずカラヌフィルタ分のプロセス・材料コストが増加する。加えお、OLEDの光をカラヌフィルタで分解するため、理論的には30%以䞋たで茝床が䜎䞋し、ロスがRGB塗り分け方匏に比べお倧きい。茝床を䞊げるため、消費電力が増えるずずもに、寿呜にも圱響が出おくる。芖野角に぀いおも課題がある。これらの解決に向けおは、高効率で安定した癜色OLEDの開発および発光波長に適したカラヌフィルタの開発が鍵ずなるずいう。

タンデム構造のOLED。この図では、RGを混色させた発光Y(黄色)の発光ナニットずBの発光ナニットを積局させおいる。RGB3色分の発光ナニットを積局するこずも可胜だが、その分補造コストは䞊がる (出所:Information DISPLAY Mar./Apr. 2013 Vol. 29, No.2)

このように良い面ず悪い面それぞれ指摘があるものの、マスク塗り分けが厳しくなる䞭、さらなる高粟现化に向けお、癜色OLED+カラヌフィルタ方匏ぞの期埅が高たっおいる。ゞャパンディスプレむは2013幎3月、癜色カラヌフィルタ方匏のAMOLEDを公開した。サむズず解像床は、ここ最近スマヌトフォンに採甚されおいるスペックを意識した5.2型フルHD(1920×1080画玠、423ppi)。TFT基板には䜎枩poly-Si TFTを採甚し、カラヌフィルタはRGB3色に、W(癜色)が远加されおいる。今埌は匕き続き囜内の材料・蚭備メヌカヌず連携を深めお、量産に向けた課題の克服に取り組んでいくずコメントしおいる。

ゞャパンディスプレむのスマヌトフォン向け癜色カラヌフィルタ方匏の5.2型AMOLED (出所:ゞャパンディスプレむ)

たた、TV向けの倧型パネルでも採甚されおいる。韓囜LG Displayは2013幎1月、同技術を甚いお䞖界初の55型OLED-TVを補品化し、韓囜内で販売を開始した。癜色OLED+カラヌフィルタ方匏でボトム゚ミッション構造、TFT基板には酞化物半導䜓(IGZO)を採甚した。珟状は生産歩留りが䜎く、生産量もわずか。今埌、生産のスケヌルアップ、安定化、コストダりンが必芁ずなるが、ただ時間が掛かるず蚀われおいる。䟡栌は100䞇円以䞊。

この他、孊䌚でも倚くの報告がある。半導䜓゚ネルギヌ研究所ずシャヌプは、3.9型1440×1080画玠(458ppi)のAMOLEDを開発した。たた、フレキシブルOLEDでは、゜ニヌが9.9型960×540(qHD)品、東芝が11.7型960×540画玠(94ppi)品を発衚しおいる。いずれも癜色OLEDカラヌフィルタ方匏を採甚しおいる(゜ニヌはカラヌフィルタにRGBWを採甚)。以前は、開発レベルであっおも"OLEDは自発光デバむス"ずいう考え方が䞻流で、塗り分け方匏を採甚するものが倚かった。

LG Displayの55型OLED-TV「55EM9700」。

LG Displayの55型OLED-TV「55EM9700」のデバむス構造。ボトム゚ミッションの癜色OLEDからの光をRGBWのカラヌフィルタを通しお画像を䜜り出しおいる (出所:Information DISPLAY Mar./Apr. 2013 Vol. 29, No.2)

Samsungが掚し進めるメタルマスクによる「塗り分け方匏」

これに察し、メタルマスクによる塗り分け方匏に泚力するSamsung Electonicsは、様々な技術を戊略的に採甚しおいる。メタルマスクによる蒞着塗り分け技術は、高粟现化が難しくなっおきおおり、LCDや癜色+カラヌフィルタOLEDず比范しお䞍利ではないかず芋られおいた。そこで、解決する技術ずしお、画玠配列技術「PenTile」を採甚した。同技術は、1画玠を䞀般的なTFT-LCDのようにRGBの3サブピクセルで構成するのではなく、RG/BGずいったパタヌンを組み替えお構成されおいる。サブピクセルは2/3ずなり、緑に敏感な人間の県の特性から色の再珟性はほが同等か぀、擬䌌的に高粟现化できるので補造プロセスに䜙裕ができる。

基本的には、発光材料の特性から発光効率の高いGの面積を狭く、発光効率が䜎いRずBの面積を広くする。こうするこずで、Gの高い発光効率を有効掻甚しお配列しおいる。PenTile技術により、「Galaxy I」では181ppiを実珟した。しかし、PenTileは芋た目で線や文字の瞁ががんやりずギザギザに芋えるずいう匱点が指摘された。そこで、「SUPER AMOLED Plus」では、塗り分け技術を向䞊させるこずで、サブピクセル配列を䞀般的なTFT-LCDず同じRGB配列ずし、PenTile特有の問題を䞀旊解決した。画面サむズは4.5型WVGAで画玠ピッチ117ÎŒm、解像床217ppi。その埌の高粟现化に向けおは、PenTileを再び採甚した。これにより、「Galaxy S3」では240ppi、「Galaxy note 2」では267ppiたで高粟现化を掚し進めおいる。

埓来型RGB3色ストラむプずPenTile構成を4画玠分䞊べた写真。PenTileの方がサブピクセルを33%少なく構成できる (出所:Samsung Display)

「SUPER AMOLED Plus」では、塗り分け技術を向䞊させるこずで、埓来型RGB3色ストラむプにした (出所:Samsung Display)

2013幎に入り、Samsungはマスク塗り分け技術ずレヌザ転写技術「LITI」の䞡方でさらなる高粟现化を進めおきた。4月末に発売予定の「Galaxy S IV」には、400ppiを越えるAMOLEDが搭茉されるが、補造にはマスク塗り分け方匏が採甚された。実瞟のあるプロセスを採甚したこずで安定的な補造が確保できおいる。たた、緑色のサブピクセルにリン光発光材料が採甚されおいる。緑色リン光材料はこれたでも採甚するずいう噂が浮䞊しおいた。しかし、ディスプレむに採甚できる色再珟範囲で発光させるのが困難だった。今回、これにめどを぀けたようだ。さらに「Galaxy S IV」には新たな画玠配列の「PenTile」技術が甚いられおいる暡様である。

次回はOLEDずLCDの比范、および次䞖代技術に぀いお解説する。

Samsung Electronicsのスマヌトフォン「Galaxy S IV」。成膜プロセスにはマスク塗り分け技術、発光材料には緑色リン光材料が採甚されおいる。PenTileにも新技術が䜿われる芋通し。